すべての言葉は通り過ぎてゆく第134回
西暦2024年霜月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第434回
わざわざ福島から運んでこられた鎌倉の若宮大路の桜の木は、車道にかかる枝を、道行く車のためにすっぱり伐採してあるが、半身不随を強いられる桜の木にとっては、迷惑な話だろうね。11/1
鎌倉市長は、市議会議員の投票で市役所移転を拒否されたにもかかわらず、勝手に移転費用を予算化し、災害の危険もある市街の中心を離れた辺鄙な場所への移転を強行しようとしているが、どこかから裏金でも貰ったとしか思えない。11/2
ギュンター・ヴァントとブロムシュテットを聴き比べながら思うこと。老境を迎えた芸術家が、世阿弥がいう「まことの花」咲かせるのは、至難の業である。11/3
ダークホースの大洋ホエールズが、難敵南海ホークスを破って、26年ぶりの日本一に輝いたそうだ。おめでとう!三原監督。11/4
内外の野球大会が終わったと思ったら、今度はアメリカの大統領選挙か。個人的には民主党政権の方がまだマシだと思うけれど、いずれにしても熱烈なイスラエル支持と強権的なニッポン支配は変わらないだろう。11/5
白石かずこさんはジャズやポップミュージックを凄く真剣に学んでそれを詩に活かそうとしている。彼女が非常に入れ込んでいるのはジョン・コルトレーンですが、この人の音楽は北村太郎がいったようなクールジャズではなくて、モードジャズなんです。辻和人「白石かずこの詩を読む」11/6
トランプが勝って困るのは、この国の軍事費負担がさらに増えること。そのあおりで税金、医療費が増えたり、年金が減ったり、社会福祉にしわ寄せがきたら、目もあてられないことになる。11/7
平安時代の陰陽師の伝統があるからか、狭い盆地のわりに京には医者が多い。鎌倉も狭い割にはクリーニング店が多いのは、ご一新以降多くの政治家や官僚、軍人、文士などの移住や別荘が多かったからだろう。11/8
おらっちなんか年を取って、歩くのがだんだん億劫になってきたのに、鎌倉にやって来る外国人観光客は、駅から報国寺のある浄明寺のバス停まで、バスにも乗らず平気で歩く。やはり体力があるのだろう。11/9
「今年の世界平均気温は、産業革命期より1.5度以上上昇するので、猛暑は4.1倍、豪雨は1.5倍に増加するだろう」byEUコペルニクス気象変動サービス 11/10
「人生をぼんやり過ごす人と、そうじゃない人がいる」と立花隆は喝破したが、恥ずかしながらおらっちなんかは、そのぼんやり過ごしてきた口だな。11/11
またしても気象変動問題でパリ協定を脱退しようとするトランプを大統領に選んだ米国人は、地球の隅にも置けない阿呆莫迦地球人だ。11/12
いかなるときも中絶をゆるさないトランプを大統領に選んだ米国人は、地球のどの国にも劣る阿呆莫迦地球人だ。11/13
グラドルと寝たタマキが超ねたましいので、みんな「辞めろ、辞めろ」と口々に叫ぶのだが、ご本人はここで辞めたら政治生命が絶たれるので必死でもちこたえようとしている姿はあさましく、恥知らずな人間と言われても仕方がないだろうね。11/14
メゾソプラノの藤村実穂子が、ヴォルフラム・リーガーのピアノ伴奏、細川俊夫の編曲でうたう「五木の子守歌」は物凄い絶唱。魂の奥底から震撼させられた。11/15
画家の橋本清一、詩人の岡田芳郎、デザイナーの石渡博…。毎日のように訃報が届く。今朝鎌倉霊園に行ったら、東京からやって来た老人が石造りの椅子に躓いて倒れていた。獅子のように荒れ狂う金髪我よしの赤鬼も、遠からず幽冥境を異にするだろう。11/16
ネタニエヤフやプーチンの犯罪を、美しく見事な喩で表現したりすることも、少しく犯罪に似ている。11/17
大嫌いなトランプの腰巾着のイーロン・マスクのXを止めよう止めようと思いながらまだ続けて居るように、東京新聞に変えようと思いながら、まだ朝日新聞を取っている。朝日で一番いいのは土曜日の「be」の山田洋次の「夢を作る」。最悪は同じ連載の亀田誠治の「きっと大丈夫」。11/18
メディアの主力がテレビや新聞からSNSへと移動していることと、偽情報に目がくらんで真実の在りかを見失ってしまった人間が増えていることは、おのずから別の問題である。11/19
兵庫県知事選挙で敗れた候補者がしゃかりきで否定していたが、在日外国人に参政権を与えたっていいじゃないか。なんで悪いのかさっぱり分からない。11/20
中国や北朝鮮は無視して、まずは膨大な軍事費を半減すること。そうすれば子育て予算も、社会福祉も、年金も、地方税の問題も解決し、壁塗り小僧も退散して、手取りも増えるだろう。11/21
亡くなった北の富士が舞の海に「俺とお前はあまり仲良くしちゃいけないんだよ」と言ったそうだが、蓋し当然。なんせ公凶放送の大相撲解説者は仮の姿で、実体は日本会議の宣伝塔だからなあ。11/22
福澤諭吉はアメリカの独立宣言の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」を引用しながら、「差別」を否定するその言葉を深く吟味することなく「格差」の問題にすり替え、学問による自己研鑽と自主独立の精神で格差社会の上流に立て、と教導したつまらぬ功利主義者であった。11/23
いつの時代にも、愛よりも、正義よりも、家族よりも、国家よりも、神様よりも、パンがいちばん大事だった。11/24
3度目の正直で日本チームを打ち負かした台湾チームは、最強の先発投手と中継ぎを投入したのが勝因。4回でふらふらになった戸郷を井端がなんで変えなかったか疑問が残るが、もし無得点で頑張っていたとしても、連戦で疲弊した打線がたった4安打では到底勝負にならんかったね。11/25
考えてみれば東京都をはじめとして、大阪府、兵庫県、名古屋市、その他その他、大都市の首長は、碌でもない政治家ばかりだなあ。11/26
パワハラで部下を自殺に追い込んだ極悪非道の知事なんかより、うちのコー君や亡くなった愛犬ムクのほうが、何層倍もまともな政治が出来るだろうて。11/27
コントやプルードンのような人が、その最後の言葉として一方では中国官僚の階級制度を掲げ、他方では苦役のような家庭や非人間的な「世界は滅びるとも正義は実現されるべし」を讃えるのを見るのは悲しいことではないか。ゲルツェン「過去と思索」11/28
「源氏物語」にとって延喜・天暦は時代設定の上の枠組みに過ぎず、式部が主題としたはあくまでも貴族的人間の生き方とその内面だった。特に光源氏、柏木の不倫の恋とそれに基づく罪の問題を全篇の基本モチーフに選んだところに作者の大胆卓抜な独自性がある。北山茂「藤原道長」。11/29
一番熱心に映画を見ている人は誰でしょう?「ヨドチョウさん?」「ブブー」。「蓮實重彦?」「ブブー」。正解は映画館でフィルム交換をする技師さん。11/30
多田保、安西水丸、ジェーン・バーキン今は亡き人ばかりが懐かしい 蝶人