あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

マルセル・メイエの「スタジオ録音全集全17枚組」CDを聴いて

2017-07-16 16:05:46 | Weblog


音楽千夜一夜第395回


フランスの女流ピアニスト、マルセル・メイエはコルトーの弟子らしいが、妙な感情移入を廃した明晰で清楚な演奏は、師の清濁併せ呑む人間臭いピアノとはあまり関係がないようだ。エリック・サティとは仲が良かったらしい。
このコンピレーションでは、シャブリエ、ラベル、ドビュッシー、クープラン、ラモーなどのフランス音楽よりもスカルラッティの方が楽しめる。

  大いなるウニの中身をかち割れど見かけ倒しのわずかな脳味噌 蝶人

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中公版「谷崎潤一郎全集第22巻」を読んで

2017-07-15 10:02:03 | Weblog


照る日曇る日第979回


本巻では昭和30(1955)年から32(1957)年までに発表された4冊の単行本を収めているが、その中心はなんというても「鍵」と「夢の浮橋」でせう。

後者では、愛妻に先立たれた父が、非常によく似た後妻を迎える。さうして父親同様瞼の母への愛もだしがたく、われらが主人公は、彼女の乳房から赤子のようにごくごく乳を飲むシーンがものすごい。圧倒的な迫力の変態だが、誰にも文句を言わせない文学の力である。

「鍵」はもっと凄い。女盛りの妻は、うわべは奥手で、いっけん性的に潔癖な女性なのだが、その実は淫蕩にして素晴らしい名器の持ち主なのだ。

高血圧でもはや長くないと知った初老の男は、娘の婚約者に擬せられた若者の肉体を利用して、激愛する若くて妖艶な妻との文字通り命がけの性交に溺れていく。

そして自分と妻の願いどおりに死んでいく。パチパチ。

市川昆の映画では、主役の3人が色盲の下女のバアさんのミステークで毒入りのサラダを食って死んでしまうが、原作は大違いで、妻と娘と若者は酒池肉林の快楽の園にラリラリランンと入っていくのであったああ。

  民進はどうしようもないダメ政党反原発党として新たに出直せ 蝶人

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半蔵門の国立劇場で「一条大蔵譚」をみて

2017-07-14 13:52:42 | Weblog


蝶人物見遊山記第251回



半蔵門の第92回歌舞伎鑑賞教室で「鬼一法眼三略巻 一条大蔵譚」をやっていたので見物しました。
というても「檜垣茶屋の場」と「大蔵館奥殿の場」の2幕だけですから、圧倒的に物足らない。

やはり歌舞伎は通し興行で演じ、見物しないと役者も勉強にならないし、観客も歌舞伎の本当の面白さに目覚める機会を失う。いま松竹がやっているアラカルト物はいずれ行き詰ってしまうに違いありません。あるいは半蔵門が基本的に通し公演をやっているからかろうじて成立している仇花興行でありましょう。

それはともかく、今回の配役は一条大蔵卿長成が尾上菊之助、常盤御前が中村梅枝、吉岡鬼三郎が坂東彦三郎、女房お京が尾上右近、八剣勘解由が尾上菊市郎といったところですが、やはり菊之助の長成の馬鹿殿振りがなかなかの役者ぶり。

されど平家の回し者、八剣勘解由を成敗する段取りがこの中村吉右衛門の演出ではかったるくて、最後の盛り上がりを阻害している。次回の全幕通しまでにはぜひとも再検討してほしいものであります。

ところで今は亡き池宮彰一郎の「平家」では、確かヒロインの常盤御前が先天的なマゾという設定になっていて、打擲されると全身が朱に染まるというその特異なキャラゆえに、清盛に激愛されたという、まさに小説ならではの真に迫った設定になっていました。

たぶんダメでしょうけど、なんかそこらへんも吉右衛門選手が取り入れてくれると、おらっちワンワンわ喜んで、また半蔵門に見にゆくことでしょう。

なお本公演は来る7月24日までにぎにぎしく公演ちう。

  ともかくも俺に触れるな近寄るな俺は国家が大嫌いなのだ 蝶人


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森まゆみ著「子規の音」を読んで

2017-07-13 10:24:02 | Weblog


照る日曇る日第978回


森まゆみ選手が満を持して放つ正岡子規の評伝であるが、あの伝説の地域誌「谷根千」のフィールドワークでならした著者だけに、子規の「奥の細道」紀行、三陸大津波への関心など、今までの誰とも違う独自の切り口が印象的である。

全編を通じて子規の俳句を中心とした作品がちりばめられているが、その引用がまことに適切であるばかりか、、子規という人物、作品、そして彼が晩年を過ごした根津周縁の土地や歴史、住人、友人に対するこまやかな愛情にうたれる。

かといって全面的な称揚だけではなく、当時の時代的諸条件の中で子規が、例えば中国人に示した偏見や差別、公私の立場の分裂の問題性などについてもきちんと摘出されている。

今から半世紀ほど前に、私が根岸の子規庵を訪れたとき、当時ここに在住していたと思しき老婆が、庵を保存するに際しての寒川鼠骨の労苦と貢献を讃え、虚子の対照的な冷淡さを詰っていたが、本書を読んでその真相を知った。

確かに鼠骨は最も献身的に遺族と子規庵を支えたが、虚子がそうでなかったのは、「万物皆滅ぶの理は逃れぬ」という虚無的人生観からの消極であったようである。

しかし私はそれを知っても、やはり「その滅ぶいっぽ手前まで尽力を持って保存を続けよう」と言うた五百木瓢亭や、それに異存のなかった寒川鼠骨、河東碧梧桐、伊藤左千夫、阪本四方太、中村不折の方が人間としては好きである。

余談ながら本書の「あとがき」には、西日暮里から田端方向への道が東京都の「補助92号線」計画によって区画整理され、「田端文士村」の最後に残った昔懐かしい風景が破壊されたという衝撃的な事実が記されていた。

この道路は、さらに私の母の故郷、谷中から上野まで延伸し、由緒ある歴史的景観が断ち切られようとしているというが、こういう2度と取り戻せない歴史破壊を阻止することこそ、小池都知事と都民ファースト党の第一の責務ではないのだろうか。


 丁寧に説明しようが土下座しようが駄目な話はダメに決まってる 蝶人

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窪田政男著「汀の時」を読んで

2017-07-12 17:20:11 | Weblog


照る日曇る日第977回


半透明の帯に縦長で「シュメールの忘れ去られた猫のよう青い眼の咲く日暮れがくるの」という代表歌が記された、今年六二歳になる作者による第一歌集を拝読しました。

神戸在住の作者は、「アルコール依存、骨髄増殖性潰瘍と不治の病を二ついただく」という歌にあるような難儀と、長らく戦い続けてこられた方らしい。

岡部隆志氏の解説によると、作者は四九歳の頃にアルコール依存症の治療を始め、福島泰樹氏の歌集「風に献ず」に天啓を受け、自分の暗澹たる心を見つめるために五一歳から短歌を始めたそうですが、「終活のひとつにせんとS席のキース・ジャレットをいちまい求む」というような歌を読むと、その暗澹との戦いの激烈さと悲壮に胸を打たれます。

おそらく「汀の時」というタイトルは、生と死の汀、それも限りなく死に近い汀における生き胆のやり取りを、なんとか生存の証としての歌に刻もうとしての命名と思われます。

作者自ら歌うように、「そう、たとえば机のうえのノートにもはにかむような血の痕が」あるのです。

面白いことに、この歌集は創作年代の逆順に並べてあります。
つまり冒頭から前半で最近作が読めるのですが、興味深いことに旧作よりも表現が平明になりつつも、内容に滋味が深まりつつあるような気がするのです。

そんな屁理屈を並べてても旗本退屈男でしょうから、以下に私が気に入った作品を無断で7つご紹介いたしましょう。

舌を垂れ涎を垂れて犬のごと上目遣いのいち日のあり
もう一度ひるがえる旗たれのため死ねと言うのか誇りにまみれ
いやそれはどうでもいいのさ生きている生きていないの以外のことなど
西日入るキッッチんンごろんとわたくしの半生がうち捨てられてある
これからは腹話術の時代がくるよわたしでもないあなたでもない
臆病なおとこでいたし八月の空より青く迫りくるもの
ああ五月きみシシュポスの風の吹くたれのためにぞ揺れる雛罌粟

最後のは、私の大好きな与謝野晶子の「ああ皐月 仏蘭西の野は 火の色す 君も雛罌粟 われも雛罌粟」にカミュとヘミングウエイをちょっとスパイスした本歌取りですが、私は作者のこういう軽妙な機智とロマネスクも大好きなのです。

もしかすると作者は、疾風怒濤、泥濘忍辱、臥薪嘗胆の後退戦に際どいところで勝ちを拾い、血まみれの汀から安息の彼方へと逃れようとしているのかもしれません。


  それでもなお3割超の愚か者が億面もなく支える安倍蚤糞政権 蝶人



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家族の肖像その19~これでも詩かよ第213番 

2017-07-11 17:22:15 | Weblog


ある晴れた日に第459回



「どんど晴れ」のねーちゃん、比嘉愛未でしょ。
そうだったね。

お母さん、すまなかったってどういうこと?
ごめんなさい、のことよ。
すまなかった。すまなかった。

お父さん、ハクションは風邪でしょ。
そうだよ。

ねえお母さん、蓮佛さんと中井貴一、両方好きですよ。
そうなの。

耕君、インフルエンザなんだから、食器を片付けないでね。
分かりました。分かりました。
耕君のインフルエンザがお母さんにうつったら、どうなるの?
分かりませんよ。
お母さんも同じ病気になるのよ。
分かりました。分かりました。

小田急に湘南急行あったお。
へえ、どこからどこまで?
新宿から藤沢までだお。
へえ、いまでもあるの?
ないお。

守ってください。
はい、守ってあげますよ。

イナズミさんに「そんなときは話しちゃだめ」っていわれたの。
そうなんだ。

ぼは、ほにてんてん、ポはほに○でしょう?
そうだね。

つけっぱなしは、つけたままのことでしょ?
そうだよ。

黒木メイサ、柳沢さんとかでしょ?
なんだ、ドラマの話か。

お母さん、ぼく二酸化炭素好きなの。
へええ、驚いた。

おたっしゃで、ってなに?
元気でね、のことでしょう。
おたっしゃで、おたっしゃで。

きらめくってなに?
キラキラすることよ。

はいポーズ、ってなに?
いい格好することよ。

薬が効けば、直るでしょ?
はい、早く効きますよ。

お母さん、ぼく「国鉄最終章」好きだよ。
そう、良かったね。

お母さん、アルプスってなに?
高い山のことよ。
ぼく、「アルプス1万尺」好きだお。
(2人で歌う)♪小槍の上でアルペン踊りを踊りましょラララララ


 鎌倉に40年暮らして3度目のテッペンカケタカを昨夜耳にす 蝶人

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トラボルタ今昔2本立て

2017-07-10 14:22:37 | Weblog

闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1209、1210


○ハーバート・ロス監督の「フットルース」をみて

若者がダンスを禁じられていた時代の映画。というと遠い昔のどこかの国の話だと思うかもしれないが1984年のアメリカ映画なので驚く。しかしアメリカは妙に宗教的な戒律を振りかざす国なので、意外と頑ななイスラム教国に似ているのかもしれない。
いまから見ればダンスの様態は幼稚で大人しい。


○ジョン・ウー監督の「ファイス/オフ」をみて

FBI捜査官ジョン・トラボルタと悪者ニコラス・ゲージの宿命の対決ずら。お互いに顔の皮膚を取り替えてまで壮絶な殺し合いをするのだが、このアイデアは手塚治の漫画にあったような気がするなあ。捜査官の妻、ジョアンナ・アレンは夫の顔をした不倶戴天の敵と寝てしまうのだが、変だと思わなかったのかしら。


  またしても自閉症を病気だという生れながらの器質障害なのに 蝶人

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VENIAS盤カール・ベーム・コレクション2「Karl Bohm The Collection2」を聴いて

2017-07-09 10:34:16 | Weblog


音楽千夜一夜第394回

戦前戦後のベームの旧録音をVENIAS盤の聴きやすいモノラル録音できいてみる。
いま後期のステリオ盤も合わせてきいているので、モザールの「レクイエム」なんかはずいぶん印象が違うのでちょっと驚くが、やはりベームはベームなので武骨に音符を辿るその腰つき、足元は変わらない。もっともVENIAS盤はウイーン響、グラモフォン盤はウイーンフィルなので音色は全然違うけれども。

曲目はモザールは交響曲36番、41番、ベートーヴェンは9番、ミサ・ソレムニス、ブルックナーは4、5、7番など。全体的にはブルが一番つまらなくて、ベトのミサソレが一番感動的な演奏。オケはベルリン・フィルである。こういうのを耳にするとアーノンクール糞喰らえという気分になってくる。

  列島のスミレをばりばり食べながらツマグロヒョウモン北上ちう 蝶人



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ニイニイイゼミが朝から鳴いているずら

2017-07-08 15:45:48 | Weblog

闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1206、1207、1208



○「グランド・ブタペスト・ホテル」をみて
シュテファン・ツバイクの原作を自由にパラフレーズして構成された不思議な幻想映画。こういうシュールな味わい醸し出す映画は最近珍しくなった。


○ゴードン・チャン監督の「メダリオン」をみて
ジャッキー・チェンがなんと殉職してしまうのだが、不思議なメダルのお蔭で奇跡的に復活し、死んだ恋人まで甦るというまるで映画のようなお話ずら。


○グレッグ・モットーラ監督の「宇宙人ポール」をみて
英国から米国のコミックと映画の祭典にやってきた2人の青年の前に宇宙人が登場し、やっさもっさの挙げ句にスピルバーグの映画もどきに無事宇宙に帰還させてあげるというもっともらしい映画ずら。


「私からの贈物です」と店長がトイレにつけてくれたランプシェード 蝶人
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西村敏雄作「どうぶつサーカスはじまるよ」をみて読んで

2017-07-07 14:58:33 | Weblog


照る日曇る日第976回

「パンパカパーン、ようこそみなさん!ただいまよりどうぶつサーカスをはじめます。」
というて始まる動物たちのサーカスを西村選手が絵に描き、物語る絵本です。

司会はアザラシで、ライオンの火くぐりからはじまって、カンガルーの棒遊び、ワニの組み体操、ウマのダンス、ゾウの噴水まではなんということもなく式次第が進むが、最後の空中ぶらんこがサルの怪我でキャンセルされたところで観客が騒ぎ出す。

するとアザラシが、「それではお客さんにブランコをやっていただきましょう」と居直り、あろうことか「そこのブタくん、どうですか」と指名すると、ブタくんが「きょろきょろしながら立ち上がる」ところがなんといってもアンガージュマンの高鳴り、エランヴィタールの輝き。

お客さんが「ブーターくん、ブーターくん」と大合唱するなか、ほんとうのホントにブタくんは「そりゃー、おかあさん!」と叫びながら見事に空を飛ぶのです。

こんな快挙は、人世はもちろん、絵本や童話の世界でも、そうザラにはないぞ。血湧き肉踊る素晴らしい絵と素晴らしいセリフにパチパチパチ!!


  E席3000円即完売のコンサートもっとE席を増やしてくれよ 蝶人
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さとう三千魚著・詩集「浜辺にて」を読んで

2017-07-06 15:09:00 | Weblog


照る日曇る日第975回


桑原正彦画伯の手になる柔らかな佇まいの表紙を開くやいなや、たちまち作者が愛してやまない故郷の海の光景が広がってきます。

青空を飛ぶ雲、寄せては返す波の音……
白い渦が泡立つ浜辺からは、磯ヒヨドリやカモメたちの鳴き声が聞こえてきます。

愛犬モコと一緒にそれらに見入り、大いなるものと一体になっている作者は、もしかするとこの世の人ではないかもしれません。

自然と永遠に溶け込んでいる存在、実在と非在を行き来する夢幻のような存在、作者の言葉を借りれば、「この世の果てを生きるしかない」存在かもしれません。

ふだん一個の生活者として暮らしている私たちは、言葉を持たない。
持たないけれど、四六時ちゅう、「ない」言葉を発している。
人間界も自然界も、全世界が「ない言葉」で満ち満ちている。
その「ないはずの言葉」にじっと耳を傾け、観取し、共感し、随伴する言葉を発する人が、さとう三千魚という詩人なのでしょう。

中原中也には「言葉なき歌」という詩があり、メンデルスゾーンにも同名のピアノ作品がありますが、この詩集のいたるところから聞こえてくるのは、作者みずからが言う「コトバのないコトバ」、言葉以前の言葉、言葉の果ての言葉、なのです。

それはさておき、今度の詩集には楽しい仕掛けと言葉遊びがちりばめられています。
まず、日付のある日録ドキュメンタリー風の展開です。
かんなくずを削るように、「日にひとつのコトバを語ろう」と作者は言うのです。

次に作者が採用したのは、なんとツイッターの「楽しい基礎英単語」から自由に引用されたさまざまな英単語を枕詞にして、そこからおのずと引き出される思い出や森羅万象への想念を、間髪を容れず即興的に書き綴るという大胆不敵なライヴポエム手法でした。

またこの詩集の巻末にはアルファベット順の表題リストと索引まで備え付けられ、読者の閲覧の便を図っていますが、こんなに分厚いのに超軽い! しかも「索引付きの詩集」なんてギネス物ではないでしょうか?


試写会で淀長さんが座るのは最前列左端と決まっていたサヨナラサヨナラサヨウナラ 蝶人
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昨日は妙な天気だったなあ。

2017-07-05 14:10:12 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1206、1207、1208


○D・J・カルーソー監督の「イーグル・アイ」をみて

いま話題の人口知能が大活躍。本来の役割を逸脱して国家権力に知能犯的テロリスト的に関わっていく話。この映画では法律を捻じ曲げる奴を成敗していくが、みずからが王となって世界を支配する日も近いだろう。


○アレクサンダー・ペイン監督の「ネブラスカ」をみて

モノクロにする必要はななかったと思うのだが、かっこつけるためにしたいわちゅるひとうの感動的父子鷹モノクロ映画。周囲はガセナタだと断じるのだが老父は絶対に宝くじに当たったと言い張って仕方なく息子が一緒にネブラスカまで旅をするうちに、だんだん頑なな心と心が柔らかくなってくるお話。


○トーマス・アルフレッドソン監督の「裏切りのサーカス」をみて

英国情報局に入りこんだソ連のスパイはいったい誰だ?と2時間に亘って大騒ぎするジョン・ル・カレ原作の2011年製作スリラー映画ずら。しかしこの渡世の救いのなさには心が黒くなる。


   内も外も心も暗き世の中に藤井四段二九連勝 蝶人
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半蔵門国立劇場の「文楽若手会」での「菅原伝授手習鑑」をみて

2017-07-04 15:15:00 | Weblog


蝶人物見遊山記第250回


はじめての「若手会」であったが、これは東西で年二回開催されているらしい。登場するのは若者が主体だが、中堅どころも出ているようです。

前半の「寿柱立万歳」は常磐津節の「乗合船恵方万歳」の一節を義太夫節に移した祝儀曲と書いてありましたが、まあ2人の三河漫才師が祝いの歌を歌って踊る1幕で、どうということもない。

次がメインの「菅原伝授手習鑑」です。おなじみの「車曳の段」、「寺入りの段」「寺子屋の段」の3幕であったが、名作の名舞台にもかかわらずさしたる感興が盛り上がらない。

周知のごとく「寺子屋の段」の最大の泣かせどころは、菅秀才の身代りにわが子小太郎の首を差し出した松王丸の泣き笑いである。息子が逃げ隠れもせずに、「潔う首差し延べ、にっこりと笑うて」死んだ、と首をはねた武部源蔵から聞いた松王丸が、

「ナニにっこりと笑ひましたか、アノ笑ひ、アハヽヽヽアハヽヽヽハヽヽハヽヽハヽヽハヽヽムヽアハヽヽヽ。でかしおりました。利口な奴、立派な奴、健気な八つや九つで親に代わって恩送り。(中略)」

と独白する名場面ですが、豊澤龍爾の三味線はともかく竹希太夫の語りがうわっつらを撫でるのみなので、いくら人形の吉田蓑太郎が目を向いても観客は鼻白むばかり。
こういう肝心要の急所で、若手は海千山千のてだれの師匠たちに一籌を輸することになるのです。

こんな無様な芝居を見せられるくらいなら、まだ家で原文を読んでいただけのほうがずんと泣けるぜとばかりに、わたくしめは録画しておいた豊竹咲太夫&鶴澤燕三の「寺子屋の段」でたんと口直しをしたことでした。


  自民党も藤井4段も完敗すこの2つ何の関係もないけれど 蝶人

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自由律詩歌その24

2017-07-03 14:40:16 | Weblog


ある晴れた日に第458回



くぬくぬくぬ
くねくねくね
くのくのくの
くはくはくは
くひくひくひ
くふくふくふ
くへくへくへ
くほくほくほ
くまくまくま
くみくみくみ
くむくむくむ
くめくめくめ
くもくもくも
くやくやくや
くゆくゆくゆ
くよくよくよ
くんくんくん

   自民党も藤井4段も完敗す7月3日の夜の出来事 蝶人
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すべての言葉は通り過ぎてゆく 第48回

2017-07-02 09:26:45 | Weblog


西暦2017年水無月蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話 op. 254


悪が栄えるのは、善人たちが何もしないからだ。
「ダウントン・アビー6華麗なる英国貴族の館」の登場人物の台詞 6/1

ハワイの人たちは病気は海に入れば治ると思っている。いま海に入れたらいいのにね。
「シカゴ・メッド9・選択」の登場人物の台詞 6/1

森戸橋の袂で、およそ30匹のホタルが乱舞していた。精霊の踊りとはこれなるか。6/2

巨人9連敗。この調子で、最後までどんどん負け続けてくれるとうれしいな。そうならないためには、まずチーム名から「軍」を削除して「読売自衛隊」に変え、ついでにこの際「読売軍新聞」に改めたらどんなもんじゃろうな。6/4

バルザックは圧倒的であるけれども、幾分か鬼面人を喝するよう気味合があり、ドストエフスキーは深刻ではあるけれども、焦燥の嫌いが多分にある。ゲーテのみは天のなせる麗質をそのままそこに投げ出して、森厳なる容貌に微笑を湛えているようである。谷崎潤一郎「饒舌録」6/5

たとへ神に見放されても私は私自身を信じる。潤一郎
大正15(1926)年8月、谷崎潤一郎「現代小説全集第10巻題字」6/6

私の大予言。日本では巨人と安倍蚤糞、アメリカでは田中とイチロー、それにトランプがそろそろ終わりだなあ。6/7

芥川君は実際小説家ではなかった。小説を書くには不向きな人だった。もしあの人が徳川時代に生まれて琴棋書画の趣味に生き、昔風の文人墨客として立って行けたら、思う存分に才能を発揮することが出来たかもしれない。詰まり時勢が悪かったのだ。谷崎潤一郎「饒舌録」6/8

先週はルリシジミの、そして今朝はモンシロチョウの大量発生を目撃す。気温などの環境条件がある水準に達すると、こういう現象が起こるのだろう。おそらく人間の赤ん坊にも大量誕生の日があるに違いない。6/9

坂本龍一選手が「ノイズ半分、音楽半分」くらいの音楽を作りたいとテレビで語っていた。そういえばだいぶ昔からゴダール選手は、「ノイズ半分、映画半分」の映画を作っていたな。6/10

「虚人」よりもっとヤバイのは交流戦でまだ1勝もしていないヤクルト。野村が臨時監督に復帰しても、立て直すのは難しそうだな。6/11

新しいテレビを購入したので、その音声を外部スピーカーで鳴らそうと思ったが、なぜか接続できない。この10年間でさまざまなデジタル技術が進化したために、旧来の接続方法を私に無断で廃止してしまった。これが果たして本当の「進化」なりや否や?6/12

息子が昔ながらの自閉症なのでそれについては多少知っているが、「アスペルガー」とか「自閉症スペクトラム」とか、ましてや最近えらそうに登場した「発達障害」なるものについてはよく分らない。障害の本質など誰一人分らない癖に名前だけつけて分かったふりして営業している。6/13

「生病老死」という熟語は、人世の実態を冷徹に反映している。明暗4つの領域において、明るい世界は最初のひとつしかない。6/14

無実の民草をどんどん逮捕拘束できる共謀罪を武器に、安倍蚤糞は、あらゆる反対勢力を未然に粉砕する独裁的な絶対権力を確立するだろう。6/15

「どのヒットも生き残るために必要なヒットだった」by日米通算2000安打を達成した青木宣親6/16

夜郎自大な安倍蚤糞は、もはやいっさいの反対に耳を貸さず、おのが専権を野放図に行使している。我々は「民主主義」なるものが「民主的」に葬り去られる現場に立ち会っているのだ。6/17

邪智暴虐な安倍蚤糞のせいで、この国で暮らすのが日を追うて心底厭になるが、かというて今更この年で海外に移住する気もない。それに私がもっと若くて金持ちで元気だとしても、どの国に行けば平穏無事に暮らせるというのか?6/18

憲法前文は激動する現実にいつでも原基的に対応している。居丈高に亢進する中国や北朝鮮の武力主義に対しても「目には目を、歯には歯を」で対応することを拒否して、いつでもどこでも「丸腰という武器」で沈着冷静に対抗せよと言うておるのだ。6/17

およそ半世紀にわたって欧米化粧品界を席巻したエリザベス・アーデンとヘレナ・ルビンシュタインも、戦後急速に台頭したエスティ・ローダーとレブロンの前にその牙城を奪われ、そのローダーとレブロンもまた……。6/18

14歳藤井4段、歴代最多28連勝おめでとう!しかしこれはいわば欄外の記録みたいなもので、いずれは誰かに負けるのだから、マスコミもぎゃあぎゃあ騒がないでそっと見守ってあげてほしい。その分安倍蚤糞悪行を取材せよ!6/21

朝日新聞に毎月掲載されている谷川俊太郎氏の詩には、もはやイスクラもエラン・ヴィタールもシュトルム・ウント・ドラングもない。あの軽い言葉の羅列の奥に潜む底なしの虚しさが、我々を明るい地獄の底に引きずり込んでいくようだ。6/22

自民党埼玉4区選出の豊田真由子衆院議員が秘書に暴行、暴言。河村元官房長官は「あれは女だけで、あんな男はいっぱいいある」というので驚く。安倍蚤糞を先頭にこういうブッ壊れた気違い集団が割拠する自民党を嬉々として支援する阿呆莫迦選挙民ども!6/23

国民的人気の歌舞伎役者の飛び込み会見には民放並みに駆けつけても、日本記者クラブ主催の前川前文科次官の会見は同時中継しない。いち早く取材済みの彼への取材も、蔵に入れる。こんなNHKはもう公共放送の看板を下して、民放になったらどうだろう。6/24

今後安倍蚤糞の記者会見は、お気に入りの読売新聞とサンケイと自民党の機関紙だけで行えばよろしいのではないでせうか。6/25

最近玉置浩二という人がオーケストラをバックに歌うツアーを敢行?する広告を盛んに出している。彼に限らずポップス関係のミュージシャンは、こういうクラシックでは当たり前田の演奏形態に大いなる憧れを抱くらしいが、やっぱりクラシックにコンプレックスがあるのだろう。6/26

昨日は海老蔵氏の妻君の夭折に涙し、今日は中学生棋士の連勝記録に拍手喝采する。それをとやかくいうつもりはないけれど、どうも私たちの社会という湖は、思いがけず浅くて、軽々に波立ち過ぎるのではないだろうか。6/27

国産のテレビが壊れたのでなけなしのお金をはたいてはじめて中国製のテレビを買ったら、色が薄い。いくら調整しても画面全体に靄のような白いベールがかぶさっている。白けるとはこのことかと、ハタと思い当った。6/28

憲法に定められた臨時国会開会を無視する安倍蚤糞や官房長官、自衛隊・防衛庁を私物化する稲田某は公務員義務冒涜罪で起訴、投獄すべきではないだろうか。6/29

次々に暴かれる自民党議員どもの反憲法、反人民的な犯罪に対して、抗議も怒りもせず、奇妙な薄笑いを浮かべながら沈黙という名の支持を半永久的に与え続けている安倍蚤糞と同じくらい厚顔無恥で白痴的なこの国の有権者たち。6/30


   これ以上配達なんて出来ないよ黒ネコたちはタンゴを踊る 蝶人
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