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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

「夢は第2の人生である」あるいは「夢は五臓六腑の疲れである」第79回 

2019-08-13 11:30:15 | Weblog


西暦2019年皐月蝶人酔生夢死幾百夜


町内会長が、駅前広場の真ん中に座りこんで、「オラッチは町内会費をちょろまかしてモンブランの万年筆をたった70円で手に入れた」と自慢していたら、たまたまオート三輪で通りかかった男がそれって犯罪じゃんというてエンジンを吹かした。5/1

A社の思い出撮影機のお陰で、私の父の映像は、かつてない鮮明さと、深みを、併せ持つようになった。5/1

鍾乳洞のように真っ白な巨大なU字溝の下を、高速鉄道が走っている。少女とムク犬がU字溝をぴょんと飛び越して、向こう側に行ったので、私も真似をしようとしたが、怖くてできないので、U字溝の内部を歩いて、昇り降りしながら彼らの跡を追った。5/2

そこは70年代の夏の以前どこかで見たような街だったが、どこかから性風が吹いてくる。ミモザの花の香りだ。これが吹くと、男も女もセックスをしたくて堪らなくなるのだ。とある店先に、さっきの少女が座っているが、この店の主人に抱かれる順番を待っているようだ。

目の前を、やたらと奇麗で淫美な女たちが、行き来している。どれでもいいからいい女を早く捕まえてモノにしよう、と焦っているのだが、選択を誤るとヤバイ結果になるに違いないと思うと、なかなか手が出せず、ますます焦り狂っているわたし。5/2

おらっちはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで「テンペスト」を演じているんだが、途中で腹ペこになってしまい死にそうだが、ここで止めるとみんなから怒られそうなので、じっと我慢してる。5/3

L社では、年に一度軽井沢でお客様を招いて、特別謝恩会を開催している。今年は売れっこふぁっちょんアイコンのヨシダヨシコ嬢が登壇しておしゃれセミナーを開始したが、客層とかけ離れた自慢話ばかりだったので、30分もたたないうちに誰もいなくなった。5/4

朝夷奈峠のてっペんまで登ったら、オオシマさんがいたので、アクアの新車には自動停止装置がついているのかどうか、を尋ねたのだが、彼がいるのは、なんせ奥深いほら穴の中なので、声が反響して、なにをいうているのか、てんで分からなかった。5/4

その施設が丸焼けになってしまったので、焼跡を見に行ったのだが、その入口にまだ辛うじて残されている「千客万来」の歓迎の辞が、哀しかった。5/5

映画を鑑賞しながら世界1周するクルーズツアーの最後の晩餐会で、出てきた豪勢な料理をおいしく頂戴していたら、サイトウさんが鍵を呉れた。きっとこれで荷物をロッカーに入れてからレジで精算するのだろう、と思いながら、なおも喰っていたら、誰もいなくなってしまった。5/6

真夜中に物音がするので階段を降りて明かりをつけて居間をみると、チュウチュウネズミがとうとう罠にかかってもがいていたが、10連休の間、林檎を食べたり、ドアを齧ったり、糞をまき散らしたり、悪さのし放題だったので、誰からも同情されなかった。5/7

半永久的に戦前のはずだったのに、新年号に切り替わってから突如戦中になってしまって、ほとんどの若者が徴兵されてしまったが、私は透明人間に変身したので、何枚赤紙が舞い込んできても、平気の平左で銀座通りを闊歩できるのだった。5/8

官憲の弾圧が、だんだん酷くなっていた。まだ召集されない大学生たちは、喫茶店や定食屋にたむろしていたが、時々やけくそになって素っ裸になり、裏通りで、「猫じゃ猫じゃ」踊りをおどっていた。5/8

このほど○×党に納品した×○社製作のCMは、かなりシュールなテイストに仕上がっているが、担当者の凸凹部長によれば、それは編集の隠し味として、随所に2人の人妻の嬌声を入れ込んだからだという。5/9

東京駅からスカ線に乗ろうと思ったが、気が変わって久し振りに市電に乗ってみたら、東京は、全面的に昭和の風景だった。運転手が気まぐれな奴で、駅でもないところで勝手に止めて、客と一緒に楽しそうに酒を飲んでいる。5/10

「そうだ、ついでに昨日無くしたカバンを探そう」と思って、運転手に頼んで、展示会場駅まで行ってもらったが、あんなに数多くのバイヤーたちで賑わっていたのに、驚いたことには、建物の影も形もない。5/11

戦争になったので、急に物不足になり、八百屋に行っても、私の好きなミカンやイチゴもない。「なんとかしてくれえや!」と怒鳴っていたら、奥の方から親父が、10個500円の格安で林檎を出してくれた。5/12

私の授業は、学生が少ないので、いつも1つの丸テーブルに座ってゼミを始める。今日は全部で10名だったので、私は「さあ今日は、2人づつ5つのグループに分けるから、2人一組で、他のチームと闘論してくれ給え」というて、右手で4回手刀を切った。5/13

困っているその子に向かって、「将来はどんな仕事に就きたいの?」と、親切な振りをして訊ねてみるのだが、彼女はいかなる言葉も発しようとはしない。5/14

「早く早く」と急かされて駆けつけると、なんと、昔別れた女の結婚式だった。相手の男は私よりも遥に男前で、姿形も堂々としており、羽振りもよさそうで、私はなんとなく引け目を感じて、うなだれていた。5/15

ホテルのバーで、人と会う約束があったので、先に来てジュースを飲んでいたら、周りの人たちが次次に斃れていく。後で聞いたら、どうやら全部のアルコール類に毒が入れられていたらしい。医師の禁酒命令を守っていて、ほんとに良かった。5/16

その外国人の女を殺したのは私だが、そのことは誰も知らないと思っていたのに、ある朝、彼女の家族と称する人たちが、突然我が家に押し寄せてきたので、冷汗三斗のわたし。5/17

アジアの片隅で、ほっそりとした夜の女が近付いてきて、身をひさごうとしたので、どうしようかとひるんでいたら、その背後に、その女の夫と子供と思われる2人が物陰に潜んで、事の成り行きをじっと見つめていたので、私は驚いて逃げ出した。5/18

私が入っている刑務所ではどんどん人が増えるので、不審に思って観察していると、真夜中になるとこの国に押し寄せた世界各国からの難民が、三食昼寝付きの安住の地であるこの国立刑務所に潜り込むことが分かった。5/19

ビルの通路の向こう側の植木鉢の葉っぱに蝶の幼虫がくっついているのが分かったので、コウ君と一緒に駆け寄ったがいつまで経っても辿りつけない。善チャンも出てきて手伝ってくれたが見つからないので朝食をとることにしたが既に済ませているコウ君はどうしよう?5/20

絶海の孤島で絶世の美女と2人だけの生活をしているのだが、3日間にわたる壮絶な性生活を終えることなく私は絶命していた。5/21

ハ長調のドは分かるが、ト長調とかへ長調のド、まして変ロ短調のドがどこなのか、そしてそれらはピアノのどこを弾けばいいのか、がさっぱり分からなくなっていたので、パニック寸前のわたし。5/22

「大川周明の3つの遺言を聞かせようぞ!」という声が聞こえたので、外に飛び出すと、幸福の科学の大川隆法が街宣車に乗って叫んでいるのだった。5/23

犯罪に巻き込まれた私は、無実を証明するために、私が映っているビデオを証拠品として警察に提出したが、それは私が誰かに脅されて誰かの寝室に連れて行かれると、そこには近所の奥さんが横たわっているよという実に珍妙な代物だった。5/24

いつか夢見た夢をまた見ようとして特別ドレームフェアなる催しに出席しているのだが、会場に設置された即席簡易ベッドの中で何回トライしても、絶対におなじ夢を見ることはできず、途中から他の夢に変わってしまうのだった。5/25

将軍は私らにカレンダー付きの鍵を呉れたのだが、その鍵は1日に2回しか使えないので、私らは往生した。5/26

獅子舞になって子供の頭を1回がぶりと噛むと100円頂戴するという仕事で長年にわたって生き延びてきたのだが、少子高齢化の大波に呑みこまれてもはや二進も三進もいかなくなっていた。5/27

前回は2500回だった名人の連続太鼓叩きは、今回はなんと8500回という驚異的な数値に達し、わたしら弟子どもはただただ怖れ慄くしかなかった。5/28

その男は時代がバブリーになると謹厳実直に、バブル期が終わると途端に衆酒池肉林状態に突入するという特色を持っていた。5/29

若い女性モデルたちを石垣の上に横一列に並べて撮影しようとしているのだが、言うことを聞かないで勝手に動きながらおしゃべりしている彼女たちに頭にきているカメラマンの私。5/30

パン屋の私の前に、突然見知らぬ女が現われて、むかし学生時代に私との間に子をなしたが後に堕したというのひと違いではないかと驚いているが、梃子でも動こうとしないで、私が作ったアンパンをむしゃむしゃ食べている。5/31


  押せばすぐ青に変わる信号は歩行者にはいいが車は迷惑 蝶人
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3年生になって~長男の大昔の日記から 

2019-08-12 11:33:37 | Weblog


遥かな昔遠い所で 第91回



西山先生は好きです。
やさしいです。
ときどき先生はぼくをおこったりします。
したじきをわすれちゃだめよ。
もしぼくがいったらわすれちゃったのよ。といいました。
じっと西山先生のクラスがいいです。
こうちゃんがかいています。西山先生と毎日あそんでいます。西山先生はいつまでもだいすきです。

 注 この作文は大人に座っていた女の子の息子の名を騙った偽書かも知れない。それは7行目の「こうちゃんが書いています」というところだが、では全部が彼女の偽書かというとそうとも言い切れないので悩ましいのである。


     風雪に耐えて嵐を呼ぶ男都知事選にて大爆発か 蝶人
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「夢は第2の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」 第78回 

2019-08-11 10:43:43 | Weblog


西暦2019年卯月蝶人酔生夢死幾百夜


うちの会社は、給料は安いが、仕事はしてもしなくても構わないし、会議はないし、いつ行って、いつ帰っても構わないので、私らは、いつまでも、ここにいるつもりだ。4/1

ルック社+あるふぁぱんち社+○×○×社合同展示会に出かけたら、3社の案内嬢が親切にエスコートしてくれた。3人とも同じような顔で、長い髪を肩まで垂らして、立派な体躯をしている。そこで私らは、一緒にランチをしてから、休憩室に入って寝た。4/2

研究室の主任の部屋に置いてあった手塚治の漫画を、無断で持ち出して、ソファーに寝転がって読んでいたら、突然主任から呼び出しがあって、今すぐ大講堂に持ってきてくれというので、行くと彼は新入生のオリエンにそれを使いたいというのだった。4/3

昨夜京都東映の映画の大道具セットを建前するときに、背景の和紙が破れていたのを、面倒くさいから、そのままにしていたら、朝一番に現場監督から呼び出されて、アルバイトを首になってしまった。4/4

生物の試験は、どの教室で行われるのか分からないので、5階のフロアでうろうろしていると、K君と出くわしたので尋ねると、自分も生物の試験を受けるので教室を探している、というので、エレベーターで1階に降りて事務所で聞くことにした。4/5

「バカたれ」と罵られ、ドタマに来た私は、思わず、カッとなって、懐から小刀を取り出し、彼奴の胸倉に、深々と柄まで貫き通した。4/6

私は、既に功成り名を遂げた画家なのだが、個展を開くたびに、妙な男がやってきて、「これも、これも、全部オラッチの作品の模倣だ!けしからん、どうしてくれる!」と大騒ぎする。私も画廊の関係者も困り果てて、今回はガードマンの派遣を依頼した。4/7

そのガードマンは身の丈2mを超え、雲を衝くような巨人だったが、誰かが彼に武者ぶり付くと、その大男の物凄い重量の頭が超高速で落下し、不審者の脳味噌をドシン、バリバリと打ち砕くのだった。4/7

最後の4つ目の岐阜提灯が、抽選でヒロセさんに当たると、彼は、それを会社のロビーの大天井からぶら下げたので、出入りする人々が、みんな見上げて、「おお奇麗、奇麗!」と歓声を上げたのだった。4/8

「ヨコタカアマゾンフェア」の打ち合わせに、わが社のデザイナーのヤマガタ君と一緒にやってきたのだが、いつまでたっても話がふぁっちょんに辿りつかないので、困っていたが、タイトルをよくめると「ヨコタカアマゾン河フェア」だったので、やっと腑に落ちた。4/9

スペインのレストランで、耕君はケタケタ笑いながら、なんでもかんでもぺたぺたと喰らいついていたが、私がスギヤマ君と商談している間に、食い過ぎたのか、ポッカリ空中に浮かんでしまったので、急いで飛びついて地上に取り込んだ。4/10

コウ君はとてもキーン博士が嫌いだったが、それは、彼がコウ君をダッコしながら、おちんちんをさりげなくさわったりするからで、その都度「お父さん、助けて!と叫んでいたが、博士号を取るために渋々その門下生になった。4/11

どういう訳か世界各地で世界最大の同窓会が開催され、無数の老若男女が普段サッカーやロック・コンサートが開催される各地の会場に詰めかけた。私も久しぶりに会社や学校の古い友人との再会を夢見て最寄りのドームに足を運んだのだが、他の人と同様誰にも会えなかった。

仕方なく私は群衆から遠く離れて砂漠と谷間の入り混じった不毛の地に迷い込んでしまったのだが、そこで見たのは人類の最期の悲惨な光景だった。
男も女も。老いも若きも、人々は無酸素状態の中で大口とか零把とか永久とか2文字の熟語を次々に口にくわえて呼吸できるか試すのだが、なかなかぴたりと適合できないうちに窒息して死んでいった。

最後に残された私は、アジャンターのような広大な洞窟の前で、ナガマルさんと出会った。彼は、「さあどうぞ」と、私を洞窟の中の大広間に導いた。そこでは荘厳な宗教音楽が鳴り渡り、おおぜいの原始人たちが、異教の神への賛歌を口々に歌いながら、次々に死んでいった。4/12

イケダノブオは、やけくそになって、こんな歌を歌いだした。
「ほいさかちゃんこハリセンボン 5月10日は大売り出し 5月10日はヤットセーノセエ」4/12

私は、猛烈なスピードで、高速道路を暴走する、乗用車の跡をつけた。ようやく神所で止まったその車は、八百万神に、榊を供えている。4/13

ヤマハの株主総会に出席するために、高速船でやってきて、会社の裏口に横付けしようとしたら、杭がないので繋留できない。仕方なく、ヨットや大型ボートなどでやってきた大勢の株主たちと一緒に、そこで一日中ブカぶか浮いていた。4/14

死んだタケナカさんが、道端でミシンを売っているので「どうしたんですか、もうスーツは売らないんですか?」と聞くと「あんな婦人用の生地で作った紳士用の背広なんて、いったい誰が買うんだ。作った奴が自分で売ればいいんだ」といってアハハと笑った。4/14

昨日から、なぜか香港ドルの対日本円レートが、100倍に急上昇したので、世界中で大騒ぎしているようだが、私ら下々の者は、知ったことじゃない。4/15

私は、ふとしたことから知り合ったアルト歌手の女性から、コンサートの切符をもらったのだが、彼女が歌うアルバン・ベルクのアルテンベルク歌曲集を聴いているうちに、どんどん彼女に惹かれていくようになりました。4/15

和泉橋の上に橋上女がいた。私はその時、むかしアメリカで撮影したたくさんの写真を持っていた。すると橋上女は私を呼びとめて「その写真を見せておくれな」というた。

それで私が写真を渡すと彼女は物珍しそうに見つめていたが「ほらこの写真をじっと見ていてご覧な」というた。1968年、78年、88年、98年にNYのブルックリン橋を
私がおなじ場所、おなじ角度で撮った4枚のカラー写真だ。

橋上女が、橋の上で1968年の写真をかざすと、しばらくしてブルックリン橋はピンボケになって、しまいには姿も形も見えなくなってしまった。

「ほれこっちもご覧な」と橋上女が 橋の上で1978年、1988年、1998年の写真をかざすと、しばらくしてブルックリン橋はピンボケになってしまいには姿も形も見えなくなってしまった。

私は、橋上女から取り戻した4枚の写真を矯めつ眇めつ何度も何度も見つめたがそのどこにも ブルックリン橋は映っていない。同じようなどろりとした茶色の印画紙が掌から突き出た4枚のトランプのように並んでいるだけだ。

この時遅く、かの時早く、私は気が付いた。1968年と1978年と1988年と1998年に撮影された写真は、なぜか見つめられると粒子が荒れて、映像がとろけ出し、膨れ上がって土の色に戻ることを。

西暦の末尾に8が付く写真は、10年毎に見つめられると、ピンボケになってしまうのだ
それはあたかも、大きな栗の木を輪切りにした時、その年輪が10年ごとに膨れ上がっているようなものなのだ。

ユーレカ! ユーレカ! これぞ世紀の大発見ではないか!
手の舞い足の踏むところを知らなくなった私は、かの橋上女にその驚きを伝えようとしたが 彼女の姿はどこにもない。

橋上女、ことカサンドラは、いつのまにやら姿を消した
さらばさらば、謎の女 カサンドラよ!
お前の灰色に濁った両の眼は誰にも見えない真実を見ていた。
4/16

この会社では、社長が当節はやりの「選択と集中」なる経営手法が大嫌いで、本社などもサーカス小屋にして全国を移動し、いつもテキトーにのほほんとやっていたので、社員は喜んでいたが、売上と利益はさっぱりだった。4/17

うちのプロダクションでは、作品を製作者とは違う名前で外部に発表することがある。こないだも、後輩の名前でコンペに出た私の作品が、グランプリを獲得したが、数年前に私も、先輩の作品で同じ賞を取ったことがあった。4/18。

小腹が減ったので、香林坊のとある蕎麦屋に入って天蕎麦を食うたら、これが高くて不味い。それでもふやけた蕎麦を無理やり押し込んでいるうちに、そいつは喉の奥で膨れ上がり、私はとうとう息が出来なくなってしまった。4/19

この食堂で飯を食えるスペースは、たったの5名分しかないので、他の客は、立ったままで食べるか、5人のうちの誰かが終わるまで、待たなければならなかった。4/20

ロボットの私は、殺人ゲームに挑んでいる。1回戦ではあっという間に5人のロボットを叩きのめしたが、2回戦に入ると、「あんないい奴らを、なんで殺さなきゃらなないのだ」と思い始めて、しばし腕組みして考え込んでいる人間的なロボットの私であった。4/21

庭園のイメージを○から△に変えようと樹木の根元に「信実」を埋め込んでみたのだが、来年の春にカトウさんちのような見事な枝垂れ桜が咲くだろうか?4/22

S君とサテンに入ったのだが、ここはどうやら活動家、それも社青同解放派のアジトらしく、どこかで見たような顔の人々が黙ってコーヒーを飲んでいる。4/23

ちょと好きなんだけど、口もきいたことのないデザイナーの隣に席を取って、オーバーとマフラーをおいたまま飲み物を取りに行って、ムラクモさんたちとちょっと立ち話をしてから戻ったのだが、彼女はもちろん誰一人いなくなっていた。4/24

色んなメディアに取材してもらおうと思って、江戸時代の大名がお忍びで町なかを歩いているような格好をして歩いていたら、誰かに「あらもしかして千利休さん?」と声をかけられましてん。4/25

2か所に本拠を置く○○家と2箇所に本拠を置く××家は、同族ながら不倶戴天の敵として、長年にわたって血を血で洗う闘争を続けてきた。しかしてこのたび両家は、白黒の決着をつけるべく、大長谷戸で最終決戦の火蓋を切ったのだ。4/26

あたしは刑事。激務に疲れ果てて温泉に入っているうちについ眠り込んでしまい、溺れる寸前に謎の男が私を軽々と抱き上げて部屋まで運んでくれた。嬉しくなったあたしは全身が隈なく透ける黒のレースを身につけて、ホテルのロビーを踊りまくったの。4/27

丘を下って傘を売りに出かけた。傘というても鉄骨だけだが。すると妙齢の婦人が「これはいくらですか?」と尋ねたので「1500円」と答えたら「1000円になりませんか?」と値切ったので「いや1500円です」と頑張って買わせたが、1000円にしても良かったな。4/28

松葉杖のA氏の案内で松竹の映画館に入ると、人海戦術で大掃除していた。間もなく試写が始まったが、もうすぐ国立劇場の文楽公演を見るために妻がここにやってくるはずなので、私はおちおち映画なんか楽しめないでいる。4/28

その家庭料理屋では、かつての「青砥」の100倍以上の小粋な日本庭園を有していたので、世界中から鎌倉にやって来た数多くの観光客がここを訪れ、滑川の流れを敷地に取り込んだ山紫水明の景観を、思う存分楽しんでいるようだった。4/29

私は、入ってくるお金を、右から左に、湯水のように使った。いつか誰かが、「友人と資産は、君の最大の味方だ」というていたような気がしたので。4/30

         猛き者ますます武張る葉月哉 蝶人

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音楽かんしょう会~長男の大昔の日記から 

2019-08-10 12:45:57 | Weblog


遥かな昔遠い所で 第90回


ワンワンといいました。おとなしくしてろ、といいました。学校の友だちなんだよ、といいました。あっち見るのと、いいました。うるさいと、いいました。国語のお勉強をしました。

1234547891011121314151617181920212223242526272829303132333435363738394041424344人のお友だちがいいました。おきのどくですと、いいました。おきのどくと、いいました。あんたの犬じゃないと、いいました。かわいそうにと、いいました。
3じはみんなであったかいミルクを少しずつ飲みましたと、いいました。

たしか石田君は、六つで亘先生は17度といいました。それから1時ごろに母親も、父親がつまりれじのウーフのじ己に住んだと、いいました。自動車時己にしんだしんだと、いいました。おちついてと、いいました。れじのじったいにへこんだといいました。


  エンゼルスは泥沼7連敗なれど大谷の2塁打のみを明るく報じる 蝶人
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半藤一利編・解説「なぜ必敗の戦争を始めたのか?陸軍エリート将校反省会議」を読んで 

2019-08-09 11:55:39 | Weblog


照る日曇る日 第1285回

陸軍のエリート将校たちの反省会だというが、いったい何を反省しているのか最後までよく分からない。いちおう対米戦争はすべきでなかったと思っているようだが、こんな底の浅い反省では、もう一度同じ状況に直面したた、またぞろ同じ過ちを犯すにちがいない。

陸大上がりの優等生が頭の悪いヤクザの暴論に引き摺り回され、たまに正論を吐く奴が出てきても直ちに前線に飛ばされてしまうので、上下左右の「空気」に忖度しまくっているのはいまの世の中と同じ。

陸軍と海軍は終始てんでんばらばらで、お互いに勝手なことを妄想しており、これでは到底戦争できる組織の体をなしていない。結局統帥の要である「天皇様!」(と彼らは発音するのである)が介入しなければ、開戦も終戦もあり得なかったということで、昭和天皇の戦争責任は旧日本帝国の人間の中でもっとも重いと断言できる。

それにしても、中国との負け戦で疲弊し切っているのになんで新たに米英蘭を敵にする必要があるのか? 仏印を侵略すれば英国のみならずアメリカが黙ってはいないと分かっているのに。国力は昭和13年が最高でそれ以降は弱体化し、対米格差は圧倒的で戦争どころではないと5歳の子供でも分かり切っているのに。

それでもハノイを占領したらたちどころにアメリカからの石油が止まって指導部全員がパニクり、あと2年しかエネルギーがないから今しか戦えないと主張する海軍に押し切られた持久戦派の陸軍が、一発屋五十六のハワイ空襲を許してずるずると開戦してしまうという出口なしの道行は、たとえば現在の日韓紛争にも通底する無知で無能で能天気で無責任な国家経営の姿である。


 犯人も犯人でないわたくしも追っているのよ監視カメラは 蝶人
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西歴2019年真夏の夜の映画劇 場

2019-08-08 10:55:11 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.2029~2033


1)シドニー・ポラック監督の「ザ・ファーム法律事務所」
グレシャムの原作をポラックが巧みに劇化。最後まで引っ張っていく手腕はさすが。トム・クルーズとハクマンはよいが、ホリー・ハンターはいまいち。

2)岡本喜八監督の「ジャズ大名」
出だしから詰まらなくてもう見るのはよそうと思ったが、我慢しているとだんだん面白くなり、最後はハチャメチャになる。アナーキーであって、パンクでもある。面白い映画はたくさんあるが、アナーキーかつパンクな映画は数少ない。

3)ジョン・ヒューストン監督の「天地創造」
1966年の米伊合作映画で名匠ヒューストンが演出とナレーションを担当し、なおかつノア役で出演もしている。若き日の黛敏郎がもっともらしい音楽をつけているので驚く。原題は「バイブル」。旧約聖書を要領よくヴィジュアル化しているが、どんな映画に出てもエヴァ・ガードナーは目を引く。

4)セシル・B・デミル監督の「十戒」
なんというてもエジプトを逃れたイスラエルの民の前で紅海が割れる光景は物凄い。こういうのはデジタルじゃないほうが、却ってリアルに見えるのである。この頃のヘストンはライフル銃なんかを担いでいなくて良かったずら。

5)ヴィスコンティ監督の「山猫」
大舞踏会が果てた朝ぼらけ、公爵邸を出ると、金星が瞬いている。そしてバートランカスター演じる没落貴族が、「いつになれば金星と向かい合って心ゆくまで眺める日が来るのだろう」と呟いて街角の暗闇に消え去ると、大団円となる。大監督ならではの大芝居だ。

     文月尽と詠めばそのとき文月尽く 蝶人
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自由律詩歌 その45

2019-08-07 08:38:10 | Weblog


ある晴れた日に 第575回


ほよほよほよ
ほらほらほら
ほりほりほり
ほるほるほる
ほれほれほれ
ほろほろほろ
ほわほわほわ
ほんほんほん

まあまあまあ
まいまいまい
まうまうまう
まえまえまえ
まおまおまお
まかまかまか
まきまきまき
まくまくまく
まけまけまけ
まこまこまこ
まさまさまさ
ましましまし
ますますます
ませませませ
まそまそまそ
またまたまた
まちまちまち
まつまつまつ
まてまてまて
まとまとまと
まなまなまな

  殺されず殺しもせずに戦から戻ってくるのは奇跡に近い 蝶人

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ラファエル・クーベリック交響曲集CD23枚組、「オペラの殿堂テノール&ソプラノ篇」40枚組を聴いて

2019-08-06 17:56:54 | Weblog


音楽千夜一夜 第432回


半世紀以上の昔にパリでクーベリックのモーツアルトとマーラーを聴いて一発でやられてしまった。特にマーラーの4番の4楽章でエデイト・マチスのソプラノ独唱が始まって、それこそ天国的な歌声が流れた時には、ある種の戦慄を覚えて涙滂沱として禁ぜずというざまになってしまった。

それ以来、私にとって「マラ4はクーベリック」なのだが、この独逸グラモフォン盤に聞くエリス・モリソンの独唱は指揮者、劇伴は同じ手兵のバイエルン放響ながら、あの日の巴里シャンザリゼ劇場のそれとは比べるべくもない。

Great Voices Of The Opera「オペラの殿堂」は往年の名歌手たちの演奏を集めた40枚組のコンピレーション。第1集、第3集に挟まれたこの第2集テノール&ソプラノ篇もすべてが珠玉の名演であり歴史的記録であり、とりわけフラグスタートやレーマン、カルーソーやキプニス、ジーリなどを一聴すれば今時の人気歌手なにするものぞという気持ちになるに違いない。

 モノなどを考えること自体が面倒で考えたふりして「どちらともいえない」 蝶人
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内田百閒著「東京焼盡」を読んで 

2019-08-05 13:19:07 | Weblog


照る日曇る日 第1284回


本格的な空襲が始まった昭和19年11月1日から昭和20年8月21日までの米軍機空襲化の帝都での日常を克明に描いた戦災日記である。

ともかく朝から晩、真夜中まで日夜来襲するB29などの空襲警報と焼夷弾投下に命辛々戦戦恐恐するみずからの悲惨な姿を淡々と書き記すのであるが、さすがに麹町の自宅が焼盡した手昭和20年5月25日の記録は軽軽に読み飛ばす訳にはいかない。

けれども3月10日の大空襲や8月6日の広島原爆投下などは地域が隔離していることと、情報が管理されているために直後にはその深刻さが伝えられていないことがかえって当時の実情を伝えているように感じられる。

広島長崎が終わっても列島への空襲は止まず、8月15日の終戦詔勅の玉音放送も著者にとっては寝耳に水といえばそうであるが、むしろそれ自体もある種の自然現象のように受け止められている。

ともかく自分の足もとに焼夷弾が落ちて「アノトキヨク死ナナカッタト思ウ」というような毎日を「見届ケテヤラウ」と決意して、その通りを実行するのだから物凄い人物である。

自宅を焼かれても疎開することなく、知人の2畳敷きの掘っ立て小屋に寝起きしながら、見渡す限りの焼け野原を前にして思わず笑ってしまうことはあっても、直接戦争を引き起こした者への怒りをぶつけることはなく、さながら市井の隠者のような冷静な態度を崩そうとはしない。

今度もし戦争になって東都が灰燼に帰すとも、内田百閒のような人物は現れないだろう。



 「この女優さんは8×10でビシッと撮りましょ」と篠山紀信氏のたまう 蝶人
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横山貞子訳「フラナリー・オコナー全短編下」を読んで 

2019-08-04 11:11:17 | Weblog


照る日曇る日 第1283回

こないだ5篇を読んで面白かったので今度は全短編に挑戦。短編集「すべて上昇するものは一点に集まる」と後期作品の「パートリッジ祭」「なにゆえに国々は騒ぎ立つ」を収めている。

前半では表題作のほかに「グリーンリーフ」「森の景色」「長引く悪感」「家庭のやすらぎ」「障害者優先」「啓示」「パーカーの背中」「よみがえりの日」の9編が入っているが、(「森の景色」「家庭のやすらぎ」「よみがえりの日」は既読)本篇のハイライトはやはり「障害者優先」だろうか。

オコナーの小説には悪魔の生まれ変わりとしか思えない毒者と、その陰画とでもいうべき先天的善意者が登場して、その行き違いがとんでもない悲劇を招くが、この作品もその典型だろう。

できそこないの息子を放り出して赤の他人の障害者に入れあげた超絶的な善意の人は、最後に強烈な報いを受けるのである。


 表現の自由を守るということは命を賭けんと出来へんちゅうこと 蝶人
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すべての言葉は通り過ぎてゆく第71回 

2019-08-03 10:08:21 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.317



2人の大統領が板門店で電撃の対面。政治ショーと分かってはいても、お互いなかなか見事な役者ぶりだった。こういう軽いノリが、これからの政治家や指導者には必要だ。分かったかね、安倍蚤糞。7/1

驚いたことには、もう今年も半分が終わってしまった。と書くと、いかにも本当に驚いているように思われるが、それは上辺だけの屁理屈で、なんなら今日が2000年の元旦でも、2222年の大晦日であっても、自分としてはいっこうに構わないのである。7/2

突然安倍蚤糞がおっぱじめた韓国との貿易戦争。いかにもトランプの狗らしい猿真似だな。7/3

一部の富裕層はいざ知らず、普通の中間層、或いはそれ以下の浮遊層の人間がいまこの国で生きていくことがどれくらい経済的にも精神的にも大変なことか。野党が自公から政権を奪取しようと思うなら、そこを上手に政策として掬い取らなければあかんのとちゃう。7/4

民草に敵対する悪事を独断専決していく安倍蚤糞独裁政治よりも、野党連合政権による、なーんも決められない政治のほうが100層倍もましである。7/5

朝日朝刊の参院選の予想をみてゲンナリ。消えたはずの佐伯某のコラム再登場をみてゲンゲンガンナリ。いつまで続く泥濘ぞ。7/6

先月83歳になられたばかりのわが敬愛する歌人、奥村晃作氏のツイッターへの投稿がない。毎朝の「目覚めの短歌」を楽しみにしていたのだが、6月28日で中断。体調不良とお察し申し上げるが、1日も早く良くなってください。7/7

蜷川幸雄は、娘の実花に「口笛を吹きながら幼稚園に行きなさい」と教えたそうだ。なかなかいいよねえ。7/8

昔からアニメの絵柄って登場人物の顔つきといい佇まいといいなんであんなに似ているのかしら。特に女主人公なんてみな同じというても過言ではないずら。7/9

朝日、東京新聞が「政府ハンセン病判決に控訴」と誤報を流す。おそらく安倍蚤糞の罠に嵌ったのだろうが、他紙はそんな間違いは犯していないから、大チョンボであることは間違いない。これで参院選の勝負はついたな。やれやれ。7/10

去年の今頃はニイニイゼミが盛大に鳴いていたのに、今年はまだ1匹も鳴かない。梅雨の長雨のせいもあるが、まだ地中の累積温度が脱皮可能な水準値に達していないのだろう。7/11

暗いニュースばかりの世の中に、近来稀なる快挙である。10万回着陸シミュレーションを繰り返し再着陸を成功させた「はやぶさ2」7/12

移民の孫のトランプが、偉そうに移民を選別しようとする。おんどりゃ手前の分際をわきまえろってんだ。7/14

我が国では圧倒的な人気を誇る指揮者である小沢征爾氏は、口を開けば「私はカラヤン先生とバーンスタイン先生から薫陶を受けた」とその恩義を語るが、彼が指揮する音楽に、その片鱗すら聞き取れたことがないのは、甚だ遺憾である。7/14

倉本聰選手の民放ドラマ「やすらぎのナントカカントカ」は、話の展開が2股膏薬に分かれていて面倒くさい。戦争中の信濃の若者の話はかったるいから、死にかけの老人物語だけにしてチョ。7/15

さっきヒンデミットが作曲した「朝7時に村の井戸端で2流のオーケストラによって初見で演奏された「さまよえるオランダ人」序曲」を聞いたのだが、どちらかというと、その音楽の中身より、題名のほうが良かったずら。7/16

市川海老蔵、声が出ずに休演。好漢休息自重せよ。己の芸の未熟さを知るが故に生き急ぐ気持ちはよく分かるが、あまり無理すると短命に終わるぞ。7/17

「私がピンチだったのは、自分のいまに未来を見つけないでさ、閉じてしまった扉のこちら側で思い出したり後悔したりするだけだったからじゃないか? もう残っているいまは短いが、そこに含まれる未来を見ようと思いたってね。」大江健三郎「二百年の子供」より7/18

昨日妻と次男が「ほら、蝉が鳴いているよ」というので、窓を開いて耳を傾けたが、なにも聞こえなかった。今朝も息子が「お父さん、ニイニンが鳴いているよ」というので、また窓を開いてよーく耳を澄ませたら、今度はちゃんと聞こえた。どうもあの音域が難聴になっているらしい。7/19

しごく真っ当な発言をしているだけなのだが、公凶放送の「朝イチ」に登場した久米宏の敵地の只中での安倍蚤糞批判は痛快だった。それにしてもなんと自由に己の考えを己の言葉で語っていたことよ! きょうびいかに普通のジャーナリストが払底したことか!7/20

きょう自公維新に投票して吠え面をかくのは、君自身であることを肝に命じ給え。7/21

改憲2/3に届かず、れいわ新選組(←この名前が大嫌い)の重度障害者当選は慶賀すべきだが、若者の投票率は低いし、行った奴はホイホイ自公や維新に投票するし、安倍蚤糞は4選されそうだし、おらっちの心は今朝のお天気のように憂鬱だあ。7/22

ヤクザと関わった芸人が泣いて詫びたり所属会社の社長が戻って来いと泣いたりする馬鹿馬鹿しい三文芝居なら延々と中継するくせに、参院選の争点解説や山本太郎の大活躍をたったの1秒もオンエアしない腐れテレビ。世も末じゃわい。7/23

今頃になってれいわを話題にしたりする夜9時の公凶放送。現状には満足していないけれど、変化を恐れ、野党よりましだと安倍蚤糞を選ぶ若者たち。それにしても共産党が保守派で自民・維新党が革新派とは驚き桃の木だなあ。7/24

グルダとかピリスなんかがモザールのピアノ曲や協奏曲を自由気儘にアレンジして弾いているのを聞くと、うざったいなあ、そんなんより原曲の楽譜通りに弾けよ、と思ってしまうのは保守派の私だけでしょうか。7/25

何十年振りかで歌舞伎町を歩いたら、世界からの観光客が多いこと。こういう盛り場が珍しいのか知らん。強烈な太陽の光にクラクラしながら東口に出ようとしてなんども迷う。新宿も渋谷も池袋も、棺桶に片足をつっこんだ老人が来るところではないわいな。7/27

夢中になって仕事に打ち込めるのも、ひとえに健康と体力と意欲が残存しているからであって、それらが少しで欠けてくると、働くことが苦痛となって身に降りかかってくるのである。7/28

どのような悲惨な事件の悲しさと惨たらしさも、それが毎日のように繰り返し報道されることによって、我々の耳目は次第に鈍感になり、ついにはその報道そのものから逃れたいとさえ思うようになる。7/29

いったいこの人の音楽のどこがいいんだろう、と訝しく思いながら、ウインフィルを指揮するニコポン・ドダメルのババールのような顔と体躯を眺めていると、なぜか亡くなった山本直純氏のことを思い出した。7/30

真夏の強い日差しを避けながら谷戸の中ををとぼとぼ歩いていると、裏山で鴬に混じって杜鵑が2声、3声鳴いたので、立ち止まって腰を伸ばしながら次の声を待っていると、平安時代の没落した貴族の下人にでもなったような気がしてくるから不思議である。7/31


  8月の3日の朝に蝉がいう人みな無為に過ごすべからず 蝶人
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なにゆえに第66回~西暦2019年文月蝶人花鳥風月狂歌三昧 

2019-08-02 16:07:09 | Weblog


ある晴れた日に 第574回


なにゆえに境界線を行き来する政治を動かそうとするココロ

なにゆえに商業捕鯨をおっぱじめたのか誰もクジラなんか喰わない

なにゆえに改憲云々を吹聴する選挙の争点は年金問題

なにゆえに「10年消費税大丈夫」と抜かしおるあと10年首相をやるつもりか

なにゆえに日米安保を廃棄せぬここからほんとの戦後がはじまるものを

なにゆえにまたもや自公に名をなさしめる愚かの極み帝国の

なにゆえにトランプはイランを恫喝するお前が核合意から脱退したくせに

なにゆえに若者は年金が払えない定職がない給料がない貯金もない

なにゆえに八紘一宇女が安倍蚤糞に付き添うファシストがてんこもりの自民党

なにゆえに安倍蚤糞は控訴しない参院選をものにするため

なにゆえにキッチンのフローリングに水が沁みる湿気か緩みか水漏れか

なにゆえに有志連合に足踏み入れる諸悪の根源はトランプなるを

なにゆえに山本太郎は取り上げないジャニー喜多川に夢中なので

なにゆえに安倍6年半にノウと言えぬ1凶の奴隷ソンタク民族

なにゆえにうちのコウ君はふきのとう舎へ行った今日は休みでガラガラなのに

なにゆえに世の中がどんどん悪くなる結局団塊世代が阿呆なのか

なにゆえにオリンピックが復興と結びつくのか誰も分からず準備が進む

なにゆえに4大関が休場する彼らも生身の人間なので

なにゆえにJean-Paul Sartreがジャン=ポール・サルトルになる仏文科では教えてくれなかった

なにゆえにコジュケイはよちよち歩いてる台湾リスに喰われるなよ

なにゆえに神奈川県民は維新を選ぶ共産党の方がましだったのに

なにゆえにツイッターのスタイルが変わったやりにくくて困っています

なにゆえに改憲改憲と喚き立てる孤立無援の改憲野郎

なにゆえにまたもや右下の奥歯が痛む明日は大事な打ち合わせがあるのに

なにゆえに東京に出るとこんなに疲れる田舎でじっとしていろって

なにゆえにリリー・フランキーは矢鱈出てくるああゆう顔は重宝だからね

なにゆえに民草から税金をむしり取るトランプへの貢物にするため


   雨降れどナガサキアゲハは柑橘の葉にぶら下り一粒の卵産む 蝶人

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西暦2019年文月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2019-08-01 15:01:58 | Weblog


ある晴れた日に 第573回


女たちの尻にいくたび敷かれてもめげずに撥ねる返すハズキルーペ

風説に堪えて地獄に墜ちる人嬉しかったのは今日の快尿 

天皇制の可否などについては誰一人言いだすこともなく親睦会閉じたり

天皇制に触れたる歌の一首なく新聞歌壇は無難に推移す

一凶の巨悪に迫る一首なく新聞歌壇は身辺を雑記す

松林堂のおねいさんが「鉄道関係の本はこちらに移しました」と耕君にいう

ゼロ6つ並んでいたり超有名コピーライターの請求書に

「佐々木さんのだからきっと変な子ですよね」と言うた男の名前忘れじ

絶対に電通の社長になるというておりしが専務にまでなったフルカワ氏

「上司は関係ない佐々木さんが私のクライアントです」と断言せしマツオさん

「おめえさんいい加減でパンツをはけよ」と擬気をゲキを飛ばせしはヨシダ君

本人の名前を呼ばず「You」などと呼びかける奴はやっぱり嫌いだ 

天人倶に許さざる罪我にあり腹に収めて煉獄に落つ

丹波焼みたりで頒つ夏の夜 
10万回テストを成功させた人「挑戦させよ」と上司に迫る

大坂と錦織負ければマスコミはいと速やかに「全英」を去る

日本選手が出るときだけ報道し出ないときはしないマスコミ

当代の人気力士ばかりを取り上げて凋落力士は忘れるマスコミ

家壊す黒人の額に光る汗微笑みながら「コンニチハ」と言う

「おはよう」と声を掛けても返事がない障害者を刺した植松被告

君と僕どちらが先に逝くのかなさはさりながら楽しく語らう

のど自慢の最後を締めるプロ歌手の唄のうまさを初めて知りぬ

萎れゆく躑躅の花の奥深く麝香揚羽は蜜に溺れる

アクアてふ立派な名前をつけながら水色の車一台もなし 

100円で買った時計が遅れだし1週間後に定時に追いつく

格安の航空券はアバウトでロンドン、パリ、ミラノ同一料金

厳重に梱包されたあの中に三種の神器がほんとにあるのか

令和てふ上からの平和に黙々と従いながら死ぬゆく民草

人口は日本全国で減りながら一部の都市にいそいそ流れる

復興に五輪は役に立つのだろうか 考えているうちに大臣辞める

10名の訃報を伝えたり19年2月13日附の朝日新聞


  いい靴を履けば歩きが楽しいがそんな靴には巡り会えない 蝶人
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