あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

ぺてるの家の本制作委員会編「ぺてるの家の本」を読んで

2020-10-16 11:47:03 | Weblog

照る日曇る日第1479回


今話題の、というか昔からずーーと話題の本を読む。「ぺてるの家」というのは北海道浦河にある精神障碍者の施設で、日高昆布などの海産物の加工販売を行うペてるの家という作業所や、いくつかの共同住居(生活ホームなど)や福祉ショップで構成され、傍には教会もあるようだ。

1958年に創立された浦河教会堂をベースに、1979年に牧師不在のまま住み込んだ向谷地生良氏がキーパーソンとなって、牧師夫妻や医師やアル中患者や看護婦や様々な障害者などが協同協力し合って、現代の奇跡のような交感交流の場を作り上げたようだ。

本書はこの「ぺてるの家」の立ち上げや発展に係った大勢の人々の「寄せ書き」と向谷地氏のエッセイによる薄いくて粗末な書籍であるが、読んでいるうちに突然瞳孔が開いたり心拍が劇動したり涙が迸ったりする不思議な書物である。
わいらあ確か高橋源チャンのラジオでこの「ぺてるの家」の存在を知りましたんや。

人世のあれやこれやで深くダメージを受けた人たちが、ここに来るとなぜか鎧兜を脱ぎ捨てて素裸の自分に還り、他人様との関係もこれまた自在に切り開かれていくという不可思議な場所だというので、もしかするとここに泉あり。
こここそ現代最後の聖なる隠遁所ではなかろうか、という気もするんであるが、20億欲しさに核のゴミ処理を引き受けようとする北の大地の一画に、ほんまにそんなユートピアもどきがあるんかいな。あるなら行ってみたいな。

と、きっと高橋源チャンなんかも思うたんやないやろか。

おっちゃんが出ないプレバトの詰まらなさ 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

千駄ヶ谷国立能楽堂で「第23回青翔会」をみききして

2020-10-15 16:55:59 | Weblog

蝶人物見遊山記 第329回


昨日13日にじつに9か月振りに上京し、千駄ヶ谷の国立能楽堂で第23回「青翔会」を鑑賞してきました。午後1時からの長丁場ですが、若手とベテランが入り混じった能2本、舞囃子2本、狂言1本の、コロナに憂さ晴らしをするような、まっこと力の籠った4時間を超える公演じゃったずら。

冒頭の観世流れの「胡蝶」が、第10期研修生、平野史夏選手の笛ではじまると、あんまり久しぶりの能舞台なので、なんだか涙がちょちょ切れるようで……。

終わり近くの中の舞で3種のパーカション・トリオに合わせて胡蝶の精の安藤貴康選手が紅梅と戯れながらダンスする箇所では、俄かにフィリップ・グラス風のトリップ状態に襲われ、軽い眩暈を覚えたほどでした。

次は金春流の「龍田」で、龍田姫に扮したシテの柏崎真由子選手が、関ヶ原の大石吉継のように下に長い灰色マスクをつけた5人の地謡の前で、圧巻の踊りを見せつけました。
美貌かつ長身の彼女が舞台に立つと、もうそれだけで満堂の目を引きますが、その凛とした佇まいから新体操さながらに繰り出される四肢の差し引きの切れ味が明快かつ俊敏で、こと踊りに関しては本日のナンバーワンでした。
ただしここでの龍田姫は、降りしきる紅葉と戯れながら御神楽を踊るという温和な状況なので、彼女が醸し出す抜身の長剣が鞘走っているようなシャープさは、必ずしも演目の本質に琴瑟相和したものとは言えないような気がしました。

ところで当日は能がなんと2本。トリに置かれたのは世阿弥の代表作「清経」で、これを宝生流の面々が演じました。
源平の大海戦に先駆けて豊前国柳ヶ浦で船から飛び込んで死んでしまった平清経の出現に、当然のことながら留守宅の妻は驚き、かつ激しく動揺します。
これに対して夫の清経は、懸命に縷々言い訳をするのですが、この際の劇伴がともかくうるさすぎる。

こういう現象はよく歌舞伎、稀に文楽でもあって、登場人物の微妙な会話を、無神経な下座音楽が覆いかぶさって聞こえなくしてしまうという事変が時々ありますが、それがなんとここで出た。
トリオの中の鼓、特に大鼓が悪乗りして、いい気になって叩きまくり、よせばいいのに大きな掛け声をかけるものだから、ツレの面の下からのくぐもったか細い声なんか全然聞こえません。

こういう「総合的かつ俯瞰的な」アンサンブルを実現する責務は、強いて言うなら宰相ではなく後見役なのでしょうが、指揮者やディレクターがいない能公演では、出演者の全員が、お互いの声や音をよく聴きながら賢く演じなければ、優れたパフォーマンスなど生まれるはずがないじゃろう。
最後の最後に「清経」より鼓の素演奏独演会!に堕してしまったのが、ベテラン勢で固めた地謡など他のパートが良かっただけに、ちと残念でありました。

 「なんでまた芝居がかってしゃべってる」「だってお芝居終わってないもの」 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2人の暗殺者

2020-10-14 11:31:02 | Weblog

これでも詩かよ第288回


西暦2020年8月29日、
長剣を呑んだカムイは、帝都永田町の首相官邸に殺到したが、地団太を踏んで悔しがった。ちょうどその日のその時、
諸国万民の敵、阿閉王が急病で引退してしまったからだ。
そのまま熊野にとんぼ返りしたカムイは、
遥か彼方の絶壁から一気呵成に落下する那智の滝の前に立つと、
いきなり長刀を引きぬいて一閃、二閃、三閃。
ひとーつ斬っては、特定機密保護法
ふたーつ斬っては、内閣人事局新設
みっつ斬っては、集団的自衛権行使容認
すると水平に切断された滝の水が、
飛沫滴る透明な立方体になって、はなだ色の大空を雁のように列をなし、
熊野本宮から奈良生駒、信貴山の方へ飛んで行くのだった。
ちょうどその頃、「あしたのジョー」こと矢吹丈も、
目には見えない真っ白なグローブを胸に、永田町の首相官邸に殺到したが、
時すでに遅く、奴隷の王、阿閉王は引退してしまっていた。
地団太踏みながらジョーが向かったのは、練馬区の「としまえん」*だった。
古式豊かなメリーゴーランド「カルーセル・エルドラド」の前に立つと、
ジョーは次々に回転木馬を切り離し、鋭いジャブを一閃、二閃、三閃。
ひとーつ撃っては、安全保障関連法
ふたーつ撃っては、森友、加計、桜見る会
みっつ撃っては、共謀罪
見よ! 
切り離された回転木馬の数々が、色鮮やかな天馬となって帝都の夜空に立ち上り、
遥か銀河系の彼方へと翔んでいく。
するとどこかから、こんな声が、ジョーとカムイの耳に届いたのであった。
「悪をなす者に怒りを燃やすな。
 悪しき者のことを妬むな。
 悪に未来はない。
 悪しき音の灯は消える。」**

 *2020年8月31日に閉園した94年の歴史を持つ遊園地**「箴言」第24章19節(2018年版日本聖書協会共同訳)


 次々に登場人物を土下座させた「半沢直樹」の半沢直樹 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聖書協会2018年版新約聖書で「ヨハネによる福音書」を読んで

2020-10-13 22:27:31 | Weblog
照る日曇る日第1478回


マタイ、マコ、ルカという所謂「共観福音書」の埒外にあるヨハネ伝は独自情報の記載が多く、ゆえに作者の個性が濃厚に反映された文章になっている。

例えばイエスと共に十字架につけられた2人は足を折られたがイエスは折られず、しかし他の2人と違って脇腹を槍で突かれたという後にワーグナーの「パルシファル」に霊感を与えた逸話などはその十字架の下に佇んでいた者でなければ記録できない出来事だったろう。

ヨハネ伝16章の「精霊の働き」「苦しみが喜びに変わる」「イエスはすでに世に勝っている」などの言説、続く17章の長大な「イエスの祈り」などはイエスと一体になり、メシアに成り代わったヨハネの猛烈なドグマ、といって悪ければ熱烈なる信仰告白だろう。

イエスの言葉は神の言葉だ。イエスは神であり、神はイエスだ。この単純にして明快な真理をいますぐにここで信じる者だけが永遠の生命を勝ち得ることができるのだ。さあ、信ぜよ。信じる者は救われ、不信の者は裁かれるであろう。

白か黒か、神か悪魔か、天国か地獄か、と迫ってくるヨハネは、イエスが神の化身であるように、イエスの化身であり、いわば神とイエスとヨハネが三位一体になって我々読者に迫ってくる。

その時もはやキリスト教はいちユダヤ、いちイスラエル民族の田舎宗教を大きく逸脱して、世界宗教の普遍性を獲得したのである。


 体制に抗う者を切り捨てるいよよ露わなふぁしずむへの道 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西暦2020年蝶人神無月映画劇場その1

2020-10-12 14:32:45 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2348~52


1)川島雄三監督の「風船」
1956年の日活映画。前半は脚本も演出も拙劣だが後半からだんだん調子が出てきてクライマックスで知的障害のある娘の芦川いずみが父の森雅之と京都の盆踊りで再会するところでは涙が出る。この2人とヒロインの新珠三千代は善人で息子の三橋達也とその恋人北原三枝、やり手婆のような二本柳寛は悪人という明快な位置づけ。

2)東陽一監督の「もう頬づえはつかない」
見延典子の原作を1979年に桃井かおり主演で映画化。昔からよくある男と女の話でどうということもない。

3)森谷司郎監督の「日本沈没」
いつ来てもおかしくない自身列島ニッポン。1973年のこの作品では祖国喪失者のアイデンチテイを問うているが、しかし今の内閣では誰一人安全に脱出できないだろうな。

4)大林宣彦監督の「ハウス」
監督初期1977年のホラーファンタジー。私の好きな鰐淵晴子も出ているし助監督はなんと小栗康平なんだけど、ちっっとも面白くなかったのは、音楽が大嫌いなゴダイゴのせいかな。

5)斎藤寅次郎監督の「東京キッド」
美空ひばりを巡るドタバタ喜劇だが、全然コメディになっていない1950年の駄作ずら。

     時は今悪政止めぬ代官に諸人挙りて千倍返し 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

VIVARTE60CDコレクションvoi.2を聴いて

2020-10-11 12:36:07 | Weblog

音楽千夜一夜第455回

音楽プロヂューサーのヴォルフ・エリクソン選手が、ソニーで設立した古楽器専門の「ヴィヴァルテ」・レーベルから発売されたコレクションの第2巻ずら。
ルネサンスからバロック、ロマン派までの幅広いジャンルの名曲や聴いたことも無い曲の数々を、有名なレオンハルトやブルーノ・ヴァイル、ラルキブデッリ、インマゼール、そしてからに見たことも聞いたことも無いような指揮者や団体が次々に演奏している。
昔はすごく抵抗があったが、いまのおらっちは、別に古楽器でも最新楽器でも演奏さえ良ければ構わないのだが、今回の第2集は前回に比べると相当格が落ちるようだ。
ブルーノ・ワイル指揮ターフェルムジーク・オーケストラをバックにインマゼールがベートーヴェンのピアノ協奏曲の全曲を演奏しているが、陰魔選手のフォルテピアノの第一音が鳴り響くと背筋が寒くなり、アルゲリッチだとあんなに心が弾む1番や2番も、ほとんど苦痛に近い代物と化すのは、やっぱおらっちの耳がロバの耳なんだろうね。
されどこれだけの優秀かつ貴重な音盤を、60枚がたった4340円!で聴けるとあっては、そのうちの数枚に気に入らない演奏や取り変え不能の不良盤が含まれていたとしても、以て瞑すべきなんじゃろね。


「トランプがコロナに感染したそうだ」「正直なとこいい気味だなあ」 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アン・ドルーヤン著「コスモス いくつもの世界」を読んで

2020-10-10 13:31:15 | Weblog

照る日曇る日第1477回


普段は文芸書ばかり読んでいるので、理数系の科学書なんて久しぶりです。でも1999年に亡くなったカール・セーガンの妻君による「コスモス」の続編・最新版だというので手に取ってみました。

宇宙の中で銀河が生まれ、銀河の中で恒星が生まれ、恒星の周りで惑星や衛星が生まれる。宇宙に中にはおそらく1兆個、矮小なものの含めると2兆個の銀河があり、その一つが天の川銀河であり、天の川銀河の中には太陽を含めた数億個の星がひしめき合っている。

というのは、良い子の皆さんが誰でも知っている、壮大な宇宙のおはなし、でありますが、
この本、数字とか数式がどっさり出てくるのかと怯えていたら、その反対で、美しい自然や宇宙の写真がいっぱい出てくる。なんでもナショジオとタアイアップした国際出版らしいのでえらい助かりました。

冒頭に138億年の宇宙の歴史を地球の1年に置き換えた「宇宙カレンダー」が出てきてこう教えてくれます。
元旦がビッグバンで、最初の生命の誕生が9月15日、最初の哺乳類誕生は12月26日、ヒトの祖先の誕生は12月31日の午後7時ごろ。大晦日(今からおよそ10万年前)の午後11時56分には合計1万人ほどの世界中のホモ・サピエンスは全員アフリカで暮らしていた。それから間もなく完新生が終わって人類は人新生に突入していったわけですな。

そして著者はこう付け加える。「そのころ神はどこにいたのか?どこにでもいた。石や川、木、鳥など、生命あるものすべてに神は宿っていた。20万年ものあいだ、それが人間の本質だった」。

この一言がいたく気にいったおらっちは、そのあとの400頁を息も継がずにクイクイと読んでしまったのずら。

しかしラマルク流「獲得形態は遺伝する」のルイセンコが、才能あるバビロフを潰した超似非悪玉、切断された木の株が生きていて、ミツバチの集団さながら他の樹木と情報交換しているとは、てんで知らなかったなあ。
ガリレオ、ダーウーン、ニュートン、アインシュタインだけでなく、スピノザ、デカルト、アショーカ王まで登場する、最高に刺激的で、面白くて為になる科学史とは本書のことだろう。


 悪政に輪を掛け引き継ぐ代官に千倍返しする時ぞいま 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

村上春樹の「一人称単数」と音楽

2020-10-09 21:15:36 | Weblog

音楽千夜一夜第454回&照る日曇る日第1476回

この短編集は「音楽」と「比喩」と「固有名詞」と「青春の思い出」に満ち満ちた、ある初老作家の美しい抒情詩であるが、本書にはもう一つの特色として、音楽、とりわけクラシックの作品に対する言及や引用が多い。

例えば「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」は、その非現実的で空想の産物がたるLPが突如顕現し、34歳で死んだ偉大なミュージシャンがカルロス・ジョビンの「コルコヴァド」をアルトサックスのソロで演奏するという文字通り夢のようなお話であるが、そのバードが死んでゆくときに頭に残る最高のメロディは、なんとべートーヴェンのピアノ協奏曲第1番の第3楽章の有名なロンドの旋律なのである。

「謝肉祭」では、魅力的な醜女と主人公との只ならぬ交情を描くが、2人が最も高く評価するのはシューマンの同名のピアノ曲である。2人は「謝肉祭」が演奏されるあらゆるコンサートに足を運び、全部で42枚のレコードやCDを聴く。そして彼女のベストワンはミケランジェリであり、我らが主人公はルビンシュタインというのであるが、果たしてどうだろう。

私は、彼らと共にアルゲリッチの「謝肉祭」に期待するとともに、「あらゆる音楽のうちで最もシューマンを愛している」という彼女が、なぜ「謝肉祭」を演奏も録音もしないのか訝しく思うのである。

ああ、それからね、「品川猿の告白」では、猿の分際ながらブルックナーが大好きな年老いた猿が登場し、「はい、7番が好きです。とりわけ3楽章にはいつも勇気づけられます」と告白することを書き忘れるとこだった。
村上春樹さん、短編はもういいから、次は長篇をお願いします。


モーリス・アンドレのトランペットを聞きおれば一段と莫迦になった心地こそすれ 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「夢は第二の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」第91回

2020-10-08 13:47:54 | Weblog

西暦2020年皐月蝶人酔生夢死幾百夜


寝る前にたくさん水を呑んだので、1時間おきに目が覚めてトイレに行く。それを繰り返しているうちに朝がやって来たが、その間も私は、ずっとなにか夢を見ているのだった。5/1
この地下情報センターでは、誰が、いつどこで、どんなことをやっているかが、細大漏らさず記録されているので、私は退屈すると、そこで時間を潰し、夢想に耽っていた。5/2
超満員の試写会で「レザボアドッグス」という詰まらない映画を我慢しながらみていたら、突然誰かが「こんな下らん映画みてられっか」と言いながら立ちあがって外に出ていったので、その横顔を見ると死んだ立川談志だった。5/3
余りにも非常識かつ没論理の駄弁を弄し続けるので、とうとう我慢できなくなった予は、テーブルの上に仁王立ちになって、憎むべき彼奴の胸倉のど真ん中に、鋭利なナイフをぶち込んでやったのさ。5/4
北鎌倉のアトリエに立つ2人の画家は、雨が降っても、雷が鳴って天から槍やコロナが落ちてきても、平気な面構えをしていたので、私はすっかり安心してしまった。5/5
自粛に疲れ果てた私は、絶望にかられて「ゼッタイゼッタイコロナなの、ゼッタイゼッタイガンウイルス」という数え唄を延々と歌い続けていると、突然大地震がやって来た。5/6
コロナ掃討戦が終わって、蓮沼に行くと、無数の埴輪が、見渡す限り、ずらりと並んでいました。5/7
ガダルカナル戦の帝国海軍の惨敗があんまりなので、後学のために敗因研究会を立ち上げたが、その参加者は、黄泉の国からの戦死者だけだったので、私は絶望の淵に沈んだ。5/8
倒産したJクルーという米国のカジュアルブランドを、右翼がよってたかって「至高の民族ブランドだ」と言い募っているようだが、私にはさっぱり訳が分からない。5/9
その秘密倶楽部に出入りするための資格審査は厳しく、とくに難しいのは、「魚拓と女拓をその都度提示せよ」というものだった。5/10
いくら時間をかけて脳内をリサーチしても、そのアナの名前が思い浮かばないので、焦りまくっているわたくし。5/11
都の南門の近くを発掘してみると、現れたのは私の先祖の掘立小屋の残骸で、台所の鍋釜、子供の草履まで朝日に照らしだされていた。5/12
夏休みの同窓会を、逗子でやることになったのだが、案の定イデっちも抜かりなく参加していた。5/13
マエダ氏は、長年東大病について研究してきた方であるが、それでも「この複雑怪奇な病気について語るのは容易なことではない」とおっしゃっているのであるから、何をかいわんやである。5/14
ずいぶん長い間電車に乗らなかったので、横須賀線に乗り換えるはずの大船駅を、東海道線で何回も行ったり来たりしてしまった。5/15
「3密」とやらを避けるべく、巨大なビルジングの中のあちらこちらで、ロッカーどもが三々五々大音響でロックしたり、1回の指名料100万円のオンナが、おいでおいでと手招きしたりしているが、誰一人客がいない。5/16
しばらくの間、万事をマネージャーにまかせていたら、仕事のみならず、生活全体が、とんでもない混乱に陥っていた。5/17
健全な肉体に健全な精神が宿らないことがあるように、不健全な肉体に不健全な精神が宿らないこともある、と、私は若くて美しい女性を前にして考えていた。5/18
かつて私はルンペンプロレタリアートの一員として、戸塚のイオンとか五反田のTOCなどで懸命に働いていたことを、懐かしくもアホらしい思い出として振り返った。5/19
名古屋にいたどちりなきりしたんに、東京コウトウを託して、フクシマに移動したマクムシソウだったが、実は1944年に、オランダで虐殺されていたんだ。5/20
革マルの訳が分からない無機的な論文の最下部の尻の方から、妙な湿り気が漏れ出してきたので、ふーむこれが我が国の文化の特質であるか、と私は腕を組んだ。5/21
某有名作曲家の新曲は、私が大昔につくった曲を巧妙に加工した偽物だったが、そんな事情など誰一人知る者も無く、世間の拍手喝采を博していた。5/22
私は箱根で鬼殺しをした。人体に盲腸のごとき余分な物を発見すると、胎内に刃を入れて遠慮なくズバズバ切り取るのである。それから試験管に入れたセミを撮影してから、弁当を買って、1時5分発のバスに乗って東京へ向かった。5/23
駅のロッカーに超極私的なビデオをぶち込んでいたのだが、いつのまにか撤去されたロッカーごと無くなってしまった。5/23
10名くらいを収容するシンポ会場に入ったら、オバマ前大統領が司会役を務めているらしく、「貴兄はスピーツチすることを希望するや?}と訊ねたので、「否、傍聴のみを希望す」と答えたら、少しくガッカリしたようだった。5/24
吉右衛門がぶん投げた花束を、アクザワ夫妻が撥ね退け、そいつが危うくおらっちのどたまを直撃しそうになったので、慌てて飛び退いた。5/25
コロナのあおりを受けて、展示会の経費を縮小することになったが、年初のメンズ展の構成をそのまま春夏のレディス展に流用するなんてできっこないので、企画と営業は薄紫色の悲鳴をあげた。5/26
ガンバル父さんは、ゆるフンふりちんでずれ落ちそうになるパンツを、その都度引っ張り上げながら、「山一100円」、一族同根」と呟きながら、表参道駅前「ブチックごめんね」の倒産セールに参加していた。5/27
倒産寸前の会社の2階のフロアには、役員室と人事と経理課しかなかったが、そこをなんとか少しづつ削って、バーゲン会場をつくろうと、総務課長はぐあんばった。5/27
テレビの音を外部スピーカーから出したら、CMの音がけたたましくて頭に来たので、まずジャパネットたかたの男を画面から呼び出して血祭りにあげ、ついでにミヤネ屋、大タヌキと緑のダヌキ、猪八戒なども消えてもらった。5/28
私は刑事モースになったので、もはや有頂天だったが、テレビのように鮮やかに事件を解決できないので、大いに苛立っている。5/29
最初の江戸城戦争、続く新宿西口戦争と八王子戦争の死命を制したのも、我がアームストロング砲の威力に決まっているのに、その功績を認めず、知らん顔して、次なる戦いへの動員を通告してきた臨時政府に、私は反旗を翻した。5/30
オグロオフィスを出て家に帰ろうとしたが、生憎の豪雨で電車が止まってしまったので、駅構内で一夜を明かすことにした。5/31

  列島を襲う台風はみな右翼大東島から右に曲がる 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

村上春樹著「一人称単数」を読んで

2020-10-07 17:25:41 | Weblog

照る日曇る日第1475回

人気作家による最新作には最後に置かれた書き下ろしの表題作のほかに「石のまくらに」「クリーム」「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」「ウイズ・ザ・ビートルズ」「ヤクルトスワローズ詩集」「謝肉祭」「品川猿の告白」の7つの短編が並んでいる。

「一人称単数」という名詞が暗示するように、著者のこれまでの作品に比べるとどことなく私小説的な趣が出張っているところにちょいと興味深いものがある。
たとえそれが空想的、夢想的な題材であっても、恐らく作者の個人的な体験に深く根差している物語なのだろう。

「石のまくらに」というのは、主人公が一夜を共にした女性が作成した私家版歌集のタイトルなのだが、「たち切るも/たち切られるも/石のまくら うなじつければ/ほら、塵となる」というような印象的な短歌が性的なエピソードを巧みに彩っている。

「クリーム」は、少女に招待されたコンサートに行った主人公が、少女やコンサートの代わりに出会った謎めいた老人から「中心がいくつもありながら外周を持たない円」が分れば人生のエッセンスが分かる、と講釈される話である。

「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」は、その非現実的で空想の産物たるLPが突如顕現し、34歳で死んだ偉大なミュージシャンが、カルロス・ジョビンの「コルコヴァッド」を演奏するという夢のような、されど猛烈にリアルなお話。

「ウイズ・ザ・ビートルズ」は、死んだサヨコ以上に彼女の兄のキャラクターが生きている。

「ヤクルトスワローズ詩集」は、この弱小球団の昔からのファンである作者の愛すべき「詩のようなもの」。

「謝肉祭」は、シューマンの同名のピアノ曲を愛する魅力的な醜女と主人公の浅からぬ交情を描破し、「品川猿の告白」は、「東京奇談集」の名作「品川猿」の再登場で、猿と人間の懸隔を平然と無視する作者の筆力と創造力が素晴らしい。

そして巻末の短編「一人称単数」では、その最後の言葉「『恥を知りなさい』とその女は言った。」の切れ味が鋭く、これは本来は長編に発展させるべき好個の素材だろう。

これを要するに、本書は相変わらず「音楽」と「比喩」と「固有名詞」と「青春の思い出」に満ち満ちた、ある初老作家の美しい抒情詩である。


 ノーベル賞を取れても取れなくても村上春樹は村上春樹 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海音寺潮五郎著「西郷と大久保」を読んで

2020-10-06 15:45:59 | Weblog

照る日曇る日第1474回


この人の本を一度読みたいと思って半世紀以上が経ったが、ようやく本書を読了することができた。
全然知らなかったのだが、著者は西郷や大久保と同郷の人らしく、なるほどそれで会話に精彩があり、主役の2人のみならず藩主の斉彬や久光、有村俊斎(海江田武次)、有馬新七、奈良原喜八郎、堀次郎、大山格之介、小松帯竹脇、中山尚之助などの群像が生き生きと立ち現れるのだ。
その最たるものが、例の寺田屋騒動の壮絶な立ち回りのまるで現場で見ているように強烈な描写であり、その悲惨な同士討ちのあおりを喰らって切腹する森山新蔵、新伍左衛門父子の哀切な最期の姿である。
そういう類書にない独特の存在感に打たれる雄編ではあるが、前半の月照、西郷入水に至るまでの導入部が余りにも長大すぎて、後半が猛烈な駆け足となり、西郷が大活躍をする戊辰戦争や西南戦争などにまったく触れずに征韓論決裂の巻で終了してしまうのは、新聞連載の宿命とはいえ残念至極である。


 「なんでまたトランプさんは退院したの?」「18番のパフォーマンスさ」 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

家族の肖像~親子の対話 その62

2020-10-05 15:00:21 | Weblog

ある晴れた日に第624回


ラッシュアワーって、なに?
電車が込むときよ

お父さん、いったんて、なに?
一時だよ

開始って、なに?
はじめることよ。

レーダーって、なに?
それでもっていろいろ探すんだよ。

とうみょうさんがいったんだよ「プロになるって」
なんの話?
「盤上の向日葵」だお。
そうなんだ。

ヒョウタン、食べられる?
食べられるよ。

コウ君、お父さんのズボンのポケットに入ってた3千円知りませんか?
お母さんのお財布に入れましたお。
そうなんだ。

オクラの葉っぱは、ワタに似てるよねえ。
そうなの?
似てますよ。
そうなんだ。

ワカバ会館、工事したの?
そうよ。

怒りやすいって、なに?
怒りっぽいということよ。

お母さん、せせらぎって、なに?
サラサラ流れることよ。

コウ君、いたいの? かゆいの?
かゆいんですお。
薬つけてあげようか?
つけますお。

お父さん、頂きますの英語は?
ちょっと待って。いま調べてみるからね。アイル・ハブ・イットだよ。

また来てね、って、なに?
また来てね、また来てね、よ。

お母さん、経験って、なに?
いろいろやったことよ。

お父さん、聞くなって、聞かないで、のことでしょ?
そうだよ。

お母さん、一丁目て、なに?
一丁目、二丁目、三丁目。

お母さん、これ、なに?
さつきよ。
これは?
どくだみよ。
どこでとったの?
うちのお庭よ。
ぼく、さつきとどくだみ、好きですお。
お母さんも。

  ハンセン病対策を除いて悪いことばかりしてきたよね8年7カ月 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「夢は第二の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」第90回

2020-10-04 09:54:47 | Weblog

西暦2020年卯月蝶人酔生夢死幾百夜


中国の銀行に一度入金すると帰ってこない懼れがあるので、私は金庫に潜入してそれがどこにあるか確かめることにしている。今回は「永久凍結」と書かれた麻袋に入っていたので一安心した。4/1
ある日、ふと思い立ってバスに乗って駅前の広場に行って、街角で思いの丈を歌ったら、自分の歌声が他人の声だったので、驚いた。4/1
「若い時には苦労をせにゃならん」と誰かが言うておったので、私はインドネシアの孤島のジャングルで独り暮らしをして、ひどい孤独にじっと耐え続けた。4/2
私の口から飛び出した数字は、数珠玉のように連なって、部屋の窓から出て、屋根を超え、空高く、登りに昇って、成層圏を離脱して、250万光年先の、遠く遥かなアンドロメダ星雲まで、続いていた。4/3
進駐軍に雇われた私は、南京虐殺に加担した、或いはさせられた兵隊からの聞き取りを、何冊もの帳面に書きつけたが、その内容は、彼らが家族はもとより神仏にさえ告白しないだろうと思われる、一読慄然とさせるに足るものだった。4/4
思いっきり辺鄙な山奥に移住して、およそ10年。毎日「ポツンと一軒屋」の取材が来るのを、今か今かと待ち構えているのだが、いつまで経っても、誰ひとりやって来ない。4/5
私は、ついに百年目に、その悪党と巡り合ったので、そいつを、ギタギタに八つ裂きにして、積年の恨みを晴らしたのよ。4/6
たまたま百人一首を暗記していたので、私は「素人かるた大会」で、全部の札を独り占めしたものだから、大勢の善男善女の、激しい恨みを買うことになってしまった。4/7
「自粛せよ、自粛せよ、なにがなんでも自粛せよ」と、その猪八戒に似た醜い男は、誰も聞いていないのに、ぺらぺらへらへら朝まで喋り続けるのだった。4/8
新幹線に乗っていたら、車内呼び出し放送があったので、受話器を取ると、死んだはずのサカイ君が、「2課の営業がやって来て「クラシックマガジンに2Pで280万円のタイアップ広告を出して欲しい」というてきているが、どうしますか?」と尋ねる。4/9
朝から晩までヘンデルを聞いていたら、頭がヘンデルになった。4/10
大阪の心斎橋そごうの子供服売り場の前で、子供が踊り狂っているので、何事かと思って近寄ってみると、私がつくったCMのビデオが売り場で放映され、ブルーハーツが「リンダリンダ」を歌っているからだった。4/11
コロナ騒動でガラガラの電車に乗ったら、向かい側の席に座っている客の、頭と胸と下半身はじっとしているのに、胴体だけが、左から右に猛烈な勢いで流れているのだが、これは恐らく最近証明された「ABC予想」の動かぬ証拠なのだろう。4/12
久しぶりに42度の高熱が出たので、検診してもらったら、案の定陽性だったが、医師も看護師もみな逃げ去ってしまったので、仕方なく私は帰宅した。4/13
私はコロナで生活に窮したので、自分の原稿には、従来の値段の他に著作権料5%をプラスして請求しようと思った。それはいいのだが、問題は、どこからもさっぱり注文が来ないことだった。4/14
コロナコロナ、自粛自粛で、窮死寸前にまで追い詰められた私は、完全にブチ切れ、全裸で公道に躍り出て、完全感染、他力本願、霊肉一体、酒池肉林の一大イヴェントに参加したのよ。4/15
またしても、突然の地震で、列島全体が完膚なきまでに破壊されてしまったので、コロナ騒動も、無かったことに、なってしまった、とさ。4/16
その小僧が、「おいらは1年間一生懸命福祉職員をやったから、来年は本来の仕事の寿司職人に戻らせてくれよ」と必死の面持ちで訴えるので、私は仕方なくそれを許してやった。4/17
有名な総合電機メーカーに雇われて、その会社が経営する「のんき村」の支配人になったのだが、その村の住人たちから、毎月いくら賃貸料を取ったらいいのか、誰も教えてくれない。4/18
私は勝手に教室のレイアウトを変えて、生徒たちを、好きなところに座らせ、私の指揮で私がつくった最新の曲を演奏させた。4/19
妻が「早く早く」と呼ぶので、急いで玄関先に出てみたら、春先のこんな日には珍しくナミアゲハでもクロアゲハでもなくアオスジアゲハでもない、黒い綺麗なアゲハチョウが花にとまっていたという。恐らく春型のカラスアゲハならん。惜しいことをした。4/19
「夢見る部屋」に入ろうとすると、入口が、「一般人用」と、「婦人用」の2つに分かれていたが、その理由は誰も知らなかった。4/20
匿名の篤志家に雇われた私は、衰えかけた「世界貴族連盟」の人々を救済するために、毎月米1俵に味噌醤油を添えて、地元の郵便局から世界中の貴族たちに送り届けていた。4/21
開拓者たちが、この公民館に到着してから、だいぶ時間が経つが、誰一人身動きもしないので、仕方なく私が台所に立って、雨水の湯を沸かし始めたところ。4/22
電車が驀進して来たので、仕方なく線路の下にある大鉄傘の上に滑り降りようと、何度も試みているのだが、果たして間に合うだろうか?4/23
「台湾の新幹線や地下鉄はみんな日本製だ」と、なんの根拠も無く言い放ってしまった私は、「ああまた放言しちゃったなあ」と後悔したが、時すでに遅かりし由良之助。4/24
宣伝課の春の社員旅行のバスに乗り遅れた私は、懸命に後を追いかけたが、あともう少しというところで、ギュンとスピードを上げたバスは、たちまち左側の壁に激突し、その場で大爆発を起こして、炎上してしまった。4/25
「だいたいよう、おらっち平民だけが、朝から晩まで汗水たらして働いて、糞高けえ税金を払ってるちゅうに、おめえたち坊主や貴族どもは、たらふく喰らって、1円も税金を払わないなんて、これほどおかしな話は聞いたこともないぜよ」と私がぶちかますと、彼らは逃げ去った。4/26
彼は、誰かに頼まれて「筍」という歌をうたったところ、その場の人たちがいたく感動して、100万円近い投げ銭をしてくれたので、「そんなことはよくあるの?」と聞いたら、「たまにありますよ」と答えた。4/27
「皆さん、この紅い小さなポーチの中に、10億円が入っています。吉原のトルコ嬢が何十年もかかって貯めた汗と涙の結晶です」とその男が言うたが、くだんのトルコ嬢との関係は分からなかった。4/28
その茶室には、いつもさっきまで主人と客人が対坐して喫茶していた気配が残っているのだが、何度訪れても無人であり、いわば「無の定型」とでも称すべき空間を構成しているのだった。4/29
「1日」、「2日」、「3日」と清書されて順番に並んでいる標的を、私は、ただただ機械的に、射撃していた。とてつもなく消耗だった。4/30

   嘘つきは泥棒の始まりなれど泥棒続けり7年8カ月 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すべての言葉は通り過ぎてゆく第84回

2020-10-03 09:55:59 | Weblog

西暦2020年長月蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話第348回

次期総裁&首相には、菅なんとかいう陰険な官房長官より、近所のラブラドールレトリバーのゴンちゃんとか、うちの障害者の長男を推薦したい。少なくとも安倍蚤糞の継承や悪賢い政策の考案などは金輪際出来ないからね。9/1
後継総裁選挙をめぐる糞メデイアの糞報道、関東大震災における朝鮮人虐殺を無視する緑狸知事の言動などを見聞きしていると、つくづくこの国とそこに生きる民草の底なしの暗渠を感じるずら。9/2
家の前の小川でいつも遊んでいた鮎の集団が、昨日から姿を消した。滑川を下って産卵するのだろうか。けれども台風の余波か少し涼しくなったので、絶滅寸前だった天青が息を吹き返したのはうれぴい。9/3
朝日新聞の世論調査に驚く。辞任を表明した途端になぜか自民支持率が10%も上がり、安倍蚤糞の「実績」を7割超の莫迦共が評価している。いったいどこが良かったのか具体的に言うてみろ。9/4
野党の活動家を毒殺したプーチンにきちんと喧嘩を売るメルケルのような指導者を、わが国はいつになったら持てるのだろう。9/5
首都東京に対する抜きがたい劣等感の裏返し。それが「維新」という大阪の目立ちたがり屋のエグイ存在の本質である。9/6
民草の自由と基本的人権を根こぎにしている中国やロシア、北朝鮮のような国に存在意義があるのだろうか。9/7
「半沢直樹の恩返し」を途中までみてやめてしまったが、ああいう楽屋落ちは良くない。語るに落ちるとはこのことだ。来週からは、悪辣ゴーン日産の債権を税金で肩代わりしようとする安倍蚤糞の陰謀を、テッテ的に粉砕してくれ。9/8
第2次感染の波はおおむね収束したが、これから到来する第3次の大波に対する備えは官民共々ほとんど為されていないようだ。9/9
トランプ、習、金、プーチン、ルカシェンコ等々、世界中で碌でもない独裁者が猛威を奮っているが、彼らと比べたら我が国はそれほど酷くないと思って、1億の阿呆莫迦民草どもは安倍蚤糞を激しく支持するのだろうか。9/10
それにしてもトランプとかバイデンとか森とか麻生とか二階とか、70、80になっても政治家をやってる、やりたい連中には、驚くほかはない。よっぽど余人には知られぬいいことがいっぱいあるのだろう。9/11
「すべて詩的なものは、童話的でなければならぬ。真の童話作家は、未来の預言者である。あらゆる童話は、至るところにあってどおこにもない、かの故郷の世界の夢である」(ノヴァーリス「青い花」)9/12
強盗キャンペーンに東京を加えれば、コロナ感染はまた増加し、第3波が到来するだろう。9/13
モザールの「フィガロ」を聴きながら「マタイ伝」を読んでいたら、1匹の蚊が余を刺しに来るので、別の部屋に逃げたら、そいつは血に飢えたフランケンシュタインのように余を追いかけてきて、なおも刺そうする。前向きに生きる大坂なおみのように立派な奴だ。9/14
パレスチナに敵対してイスラエル&UAE、バーレンとの国交樹立させ、大統領再選とノーベル平和賞を狙うトランプの野望を粉砕しようぜ。9/15
私の意思と希望とは全く無関係に菅内閣が誕生したようだが、私は安倍蚤糞の継承を謳う彼らの政策に大反対なのでいっさい支持も協力もできない。9/16
君きみ、桜の会を止めれば桜の会の問題点もなくなると思ったら大間違いだぞ。9/17
内閣支持率65%、自民支持率48%の連中と同じ腐れ空気を併呑したくないずら。9/18
いないほうが勝てることが分かった。んでもって起用されなくなったエンゼルスの大谷。9/19
心配していたわが羽生9段が丸山9段を破って豊島竜王との竜王戦7番勝負に挑むそうだ。奇跡の復活なるか。ぐあんばれ羽生!9/20
今度の内閣の目玉はデジタル改革だそうだが、うわべのキラキラしさに騙されてはいけない。不人気のナンバカードを徹底的に拡大、駆使して、中国がウイグル族全員にやっているようなAIによる個人情報の完全管理を目指す反民主主義的な危険な策動である。9/21
「いのちと経済の両立」なぞとうそぶきながら、実際にやっていることは商売繁盛作戦だけ。これでは感染は拡大するいっぽうだろう。9/22
しかしいくら普段より安くなるからというて、コロナ感染の危険を冒して旅に出て、ほんまに楽しいのだろうか?9/23
「ムツグーゥーッ!」と鈴木志郎康さんが叫んで、それを紙切れなんかに書きつける。「ムツグーゥーッ!」。詩とはそれ以上でも以下でもない、という気がするのだが。9/24
大至急保守派の最高裁判事を任命しておけば、もし大統領選に負けても、郵便投票問題でゴネて、バイデン当選に待ったをかけられるというトランプの悪辣な陰謀ずら。9/25
ノート・パソコンが突如動かなくなってしまったので動揺する。もう一台のデスクトップでその原因を調べたりするが不明。仕方なく電源を抜いて2時間ほど放置し、再度起動させたら、なんとか作動するようになった。やれやれ。9/26
それいけドンドンで東京発着を認め、外国人を国内に入れる。私はゲス内閣のコロナ解放作戦に反対だ。9/27
毎日何してるのかといううと、赤坂キャピトルホテルのオリガミで、携帯料金値下げとか不妊治費保険適用とか「縦割り110番」とかの人気取りアラカルトと全身全霊!?で取り組んでいるんだね。さすがスゲ、スゲーな。9/28
税金は踏み倒すわ、選挙で負けた時に役立つ最高裁判事を任命するわ、毒喰えば皿まで中国を憎むわ、こんな最低男を大統領にしたアメリカ人は、アベスガを首相に選んだ日本人といい勝負だな。9/29
相手の言うこともろくに聞かず、討論のルールを破って自分の言いたいことをきままに喋るような人物はそれだけで大統領の席に座る資格はない。しかしバイデンもなんでもっと反論しないのか不可解だ。9/30
「なんでまたそんな芝居がかった喋り方をするんだ」と尋ねたら、「だってまだお芝居が終わってないんですもの」と女が答えた。9/31

 「いくらでも女性はウソをつけるんです」「女性のすべてを知ってるんだあ」 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なにゆえに第79回~西暦2020年長月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2020-10-02 15:58:09 | Weblog

ある晴れた日に 第623回


なにゆえに羽生九段は姿を消した藤井渡辺全盛の世に
なにゆえに「辞任」と言えばハネ上がる阿呆莫迦内閣の支持率が
なにゆえに安倍継承を繰り返すモリカケサクラをまたやるわけね
なにゆえに辞めると評価が高くなる支持率激減の指導者なりしが
なにゆえに感染者が増えていく神奈川県の知事がバカゆえ
なにゆえに菅の登板を喜んでいる「NC9」を潰した男の
なにゆえに元横浜市議が宰相になる権謀に長けた陰険な男
なにゆえに内閣支持率が急増する「代官様が可哀想」てか
なにゆえに三権分立を否定する香港の自由は風前の灯
なにゆえにチャラい元芸大生を血祭りにする逮捕するなら他の奴らだ
なにゆえに珍しいタマムシが現れたコウ君ケン君に挨拶したいと
なにゆえに阪急電車にお辞儀するタカラジェンヌの愚行100年
なにゆえに香港政庁は逮捕するお前を支える自由の闘士を
なにゆえに菅政権が誕生する安倍蚤糞をさらに悪どく
なにゆえに叩き上げ総裁が君臨する全国民を叩き上げるぞ
なにゆえにアラブの大義を投げ捨てるパレスチナが可哀想だぞ
なにゆえに菅の顔が一変す権力への野望が剥き出し
なにゆえに東京強盗を開始するコロナ感染がまた増加する
なにゆえに靖国神社に参拝するA級戦犯を合祀した社に
なにゆえに観光客が押し掛ける4連休に鎌倉行きたい
なにゆえに岸本歯科を信じているいつでも保険で治してくれる
なにゆえに人も車も押しかけるコロナうようよ鎌倉界隈
なにゆえに雪風だけが生き延びた帝国海軍は全滅したが
なにゆえにヨンちゃんは知っていた交響曲はソナタ形式の管弦楽
なにゆえに安倍蚤糞を評価する木を見て森見ぬ津田大介
なにゆえにどんどん力士が休場する優勝しても有難味なし
なにゆえに竹内結子は死んじまった若くて綺麗な俳優だったに
なにゆえにコロナ規制を解除するすぐ第3波がやって来るぞ
なにゆえに五輪五輪とゴリ押しをするコロナ収束のあてもないのに
なにゆえに突如ケーターが故障する電池パックの消耗なのか
なにゆえにもっと戦意を剥き出しにしないそれではトランプに勝てないぞ

   息をつくやうに嘘吐く男なりき病で退陣したとかいうが 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする