ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Level Five / King Crimson

2023年11月07日 | プログレッシヴ・ロック

Level Five / King Crimson (2002)

キング・クリムゾン(King Crimson)の2001年8月に行われた北米ツアーからの音源を収録したミニ・ライヴ・アルバム。全5曲収録でミニとはいっても45分の尺がある。当時のメンバーはロバート・フリップ(Robert Fripp)、エイドリアン・ブリュー(Adrian Belew)、パット・マステロット(Pat Mastelotto)、トレイ・ガン(Trey Gunn)の4人。”Nuovo Metal”という新しいテーマを掲げ、よりハードな音を追及していた頃。

最初はお得意の静かなイントロ。そこから不穏な音(ベース)がフェード・インしていき、ヘヴィーなギターが突き刺さる。元々ライヴ演奏とアルバムの演奏に垣根が無いバンドだけあって、その緻密な組み立ての楽曲はまるでライヴとは思えない完成度。これ、1度くらい滅茶苦茶になって「やめやめっ!」って演奏中止したりしたことないのかな(笑)。お得意のサウンドスケープ的な曲を挟んで緊張感も盛り上げる。表題曲は全体の音がダマになったようなアレンジで、後年あったような鋭さや緻密さはまだ芽生えていない気もするけれど、言ってもコレたった4人の演奏でこの圧だもんなァ。

ネットショップにて購入(¥780)

  • Label ‏ : ‎ ポニーキャニオン
  • ASIN ‏ : ‎ B00005YUZN
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Music Is Our Friend / King Crimson

2023年10月13日 | プログレッシヴ・ロック

Music Is Our Friend / king Crimson (2021)

目下のところキング・クリムゾン(King Crimson)の最新(最終?)ライヴ・オフィシャル音源となる「Music Is Our Friend」(ネット配信除く)。前回の世界ツアーのうち、2021年9月の北米最終公演(ワシントンDC)を主に収録。来日公演直前に発表されたので予習として音源は購入していたが、最近になってフィジカルも持っておきたいと中古盤を購入。来日公演でも披露したクリムゾンの最終形、フロントにドラムスが3つ並ぶトリプル・ドラムス形態で、アンコールの「21世紀の精神異常者」まで収録している。その他リハーサル音源も追加収録。

まだコロナ禍が収束していなかった頃のツアーなので移動制限やら何やらでトラブル続きだったそう。ご老体には大変だったろう。Discipline期を除けばキャリアから代表曲が満遍なく選曲されている印象で、恒例のサウンドスケープ~フリップ(Robert Fripp)自身の前説(「写真撮ったり録音したりするなよ」)から始まり、迫力ある原始的なドラム重奏からかつての曲群が最新ヴァージョンとして披露されていく。手練れが揃ったバカテク・バンドだけにピリピリとした緊張感を維持しつつも、このフォーマットで過去の名曲がノーマライズされているので分かり易い演奏だとも言える。実際に発売当時まだクリムゾン初心者だった自分にはベスト・アルバム的な感じで楽しむことが出来た(そこから深い沼へ・笑)。

ネット・ショップにて購入(¥1,296)

  • Label ‏ : ‎ Panegyric
  • ASIN ‏ : ‎ B09JJ2ZPZF
  • Disc ‏ : ‎ 1
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McDonald And Giles / McDonald And Giles

2023年09月28日 | プログレッシヴ・ロック

McDonald And Giles / McDonald And Giles (1970)

元キング・クリムゾン(King Crimson)のイアン・マクドナルド(Ian McDonald)とマイケル・ジャイルズ(Michael Giles)が、かの有名なキング・クリムゾンのデビュー・アルバム発表後にバンドを脱退して製作したアルバム。アルバムには2人の他、弟のピーター・ジャイルズ(Peter Giles)、スティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)らが参加している。スティーヴは当時同じスタジオでトラフィック(Traffic)のレコーディングをしていたのだとか。脱退した2人だが、その後のクリムゾンのセカンドのレコーディングには参加しているというちょっと複雑な関係。

もちろんクリムゾン本体の一部だっただけあってクリムゾンと同じような空気感はしっかりとある。それでもメロディーを含めて抒情的で牧歌的なサウンド。どちらかというとクリムゾンよりはシド・バレット(Syd Barrett)辺りを彷彿とさせ、サウンドもアコースティック・ギターが中心となっている。元クリムゾンという情報が無ければ聴くことのなかったアルバムだとは思うが、後半の壮大な曲には初期クリムゾンの支柱的存在だったピート・シンフィールド(Peter Sinfield)も曲作り(主に作詞?)に参加している。意外に楽しめた。

ネット・ショップにて購入(¥657)

  • Label‏ : ‎ ダブリューイーエー・ジャパン
  • ASIN ‏ : ‎ B00000721T
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Live In Toronto / King Crimson

2023年09月04日 | プログレッシヴ・ロック

Live In Toronto / King Crimson (2016)

キング・クリムゾン(King Crimson)の2015年11月にカナダのトロントにあるQueen Elizabeth Theatreで行われたライヴの完全収録盤2枚組。2014年から(基本的には)2021年まで続いたトリプル・ドラムス態勢で、メンバーはドラムスがパット・マステロッソ(Pat Mastelotto)、ビル・リーフリン(Bill Rieflin)、ギャビン・ハリソン(Gavin Harrison)、ギターはロバート・フリップ(Robert Fripp)とジャッコ・ジャクジク(Jakko Jakszyk)、ベースとチャップマン・スティックがトニー・レヴィン(Tony Levin)、サックスがメル・コリンズ(Mel Collins)というラインナップ。

オープニングのフリップ翁による写真撮影や録音の禁止言い渡しから始まり、基本的なステージ進行は2021年の最終形クリムゾンと同じ(2023年現在)。スゴテクの面々が集まっているので、過去の名曲もブラッシュ・アップされた形で統一感があり、トリプル・ドラムスのプリミティヴな太鼓をフィーチャーしたインストを含め、緊張感ある演奏。このドラマー3人はステージ前に並んでいるし、それぞれの技量も比較強調される形でつまびらかになるので大変だったろうなァ。メンバーの中ではフリップ以外ではメル・コリンズが唯一初期のメンバーだが、若い連中に混じってなかなか目立っていて、初期の曲での管楽器の存在感が光る。カヴァー・バンド(と言っていいのか)「21st Century Schizoid Band」から本体に加入することになったジャッコはヴォーカルとギターを担当。歌も上手いし、セカンド・ギターもなかなかのもの。もちろん技量が伴わなければフリップには呼ばれないだろうが、ついにクリムゾン正式メンバーになった気分というのはどういうものだったんだろう。

ネット・オークションにて購入(¥998)

  • Label ‏ : ‎ Discipline Us
  • ASIN ‏ : ‎ B01CIXVWU8
  • Disc ‏ : ‎ 2
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The Collectors' King Crimson Vol.1-10 / King Crimson

2023年08月17日 | プログレッシヴ・ロック

 

 

The Collectors' King Crimson Vol.1-10 / King Crimson (1999-2006)

それまでプログレにあまり食指が伸びなかった自分が、ある頃から集中的に聴き始めたキング・クリムゾン(King Crimson)。オリジナル・アルバムは全て収集したので次はライヴ盤ということになる。クリムゾンの場合、正式に発売されたライヴ盤の他に「ザ・コレクターズ・キング・クリムゾン」というボックスのシリーズが市場に出回っている。音源管理に厳しく、その権利についても常々ブートレグ(海賊盤)で煮え湯を飲まされていたフリップ翁(Robert Fripp)が、それならオフィシャルで発表してしまえとブートレガー潰しに走ったのだと思われるこのシリーズ。様々な年代のブートレガーの餌食になった有名なライヴ音源を、オフィシャル音源と海賊音源を交えて修正を加えて発表している。こちらはVol.10まで発売された初期のシリーズで、日本のポニー・キャニオンから発売されていたもの。帯には”日本独占販売・輸出禁止商品”と書かれていることから、海賊盤天国の日本の購買者をターゲットにして発売されただろうことが分かる。

以前からよく中古盤屋で見かけていたこのシリーズ。まさか自分が揃えることになるとは思っていなかった。中古盤屋、ネット・ショップなどを時間をかけて捜索。自分としては音さえ聴ければボックスの程度なんてどうでもいいので、出来るだけ安価にと集めていった。元音源は正式なサウンドボードのものから、ブートレグからそのまま拝借したオーディエンス録音ものまで様々。クリムゾン以外にもスピン・オフである「ProjeKcts(プロジェクト)」の音源も収録。時代も歴史的に貴重な初期音源から、00年代までと幅広い。フリップ翁は特に地下市場で一番人気だという72-74年のブートレグを潰しにかかったとみえてその時期の音源が多い。

流石に音質は玉石混交で、まだまだクリムゾンの深淵に足を踏み入れたばかりの自分は、どれも諸手を挙げて絶賛とは言えないが、歴代メンバーによる特徴ある演奏や、歴史的に貴重な音源がフリップ翁のお墨付きで手軽に聴けるというのは嬉しい。同じ曲でもメンバーが変わるとこうなるのかとか、その時代のバンドの解釈(主にフリップ翁による)の違いがとても興味深い。ただスタジオ・セッション物は意外とあまり面白くなかった。サウンドスケープ的な音はオフィシャルにも沢山転がっていてもう飽和状態だしね。彼らがリハーサル音源を残しているのかどうか知らないが、演奏を止めて「違う、違う」とメンバーを叱責するフリップ翁の言葉入りの音源なんてあったら最高に面白いんじゃないかな(笑)。

なおこのシリーズは2007年に配給会社が変わってから新たにパッケージや一部の内容を変えて(なのにボックスとかの色は同じでややこしい…)再発されているので注意。

 

The Collectors' King Crimson Vol.1 (3CD)
 ・Live At The Marquee 1969
 ・Live At Jacksonsville 1972
 ・The Beat Club, Bremen 1972

The Collectors' King Crimson Vol.2 (3CD)
 ・Live At Cap D'Agde 1982
 ・On Broadway 1995

The Collectors' King Crimson Vol.3 (3CD)
 ・The Roar Of P4 1998
 ・The VROOOM Session 1994
 ・Live At Summit Studios 1972

The Collectors' King Crimson Vol.4 (3CD)
 ・Live In Central Park, NYC 07-01-74
 ・Live At Moles Club, Bath April 30 1981
 ・Nashville Rehearsals

The Collectors' King Crimson Vol.5 (3CD)
 ・Live At Plymouth Guildhall (May 11 1971)
 ・Live In Mainz (March 30 1974)
 ・Live In Berkeley, CA (August 13 1982)

The Collectors' King Crimson Vol.6 (3CD)
 ・Live In Northampton, MA (July 1, 1998)
 ・Live In Detroit, MI (December 13, 1971)
 ・Live In Nashville, TN (November 9 & 10, 2001)

The Collectors' King Crimson Vol.7 (4CD)
 ・Live In Hyde Park, July 5, 1969
 ・Live At The Zoom Club, October 13, 1972
 ・Champaign-Urbana Sessions, January 17-30, 1983

The Collectors' King Crimson Vol.8 (4CD)
 ・Jazz Café Suite, 1997
 ・Live In Orlando, FL, 1972
 ・Live In Guildford, 1972

The Collectors' King Crimson Vol.9 (3CD)
 ・Live At Fillmore East, November 21 & 22, 1969
 ・Live In Philadelphia, PA, July 30, 1982
 ・Live In Austin, TX, March 25, 1999

The Collectors' King Crimson Vol.10 (6CD)
 ・Live In Warsaw, June 11, 2000
 ・Live In Heidelberg, March 29, 1974
 ・Live In Brighton, October 16, 1971
 ・Live In Asbury Park, NJ, June 28, 1974

中古店等で購入

Vol.1 (¥757)
Vol.2 (¥790)
Vol.3 (¥659)
Vol.4 (¥1,067)
Vol.5 (¥1,262)
Vol.6 (¥1,390)
Vol.7 (¥1088)
Vol.8 (¥1,283)
Vol.9 (¥2,151)
Vol.10 (¥3,467)

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Tentacles / Stick Men

2023年08月05日 | プログレッシヴ・ロック

Tentacles / Stick Men (2022)

キング・クリムゾン(king Crimson)他で活躍するトニー・レヴィン(Tony Levin)、パット・マステロット(Pat Mastelotto)、そしてマーカス・ルーター(Markus Reuter)の超絶テク3ピース・バンド、スティック・メン(Stick Men)。こちらは昨年発売されたEPで、その時点で6年ぶりの新作だった作品。ちょうど昨年の今頃、大阪であったライヴに参加する前に最新盤(当時)として購入したもの(CDのレヴューは1年位遅れています…)。

音はかなりハードで、彼ららしい緻密で複雑なコード進行の曲が並ぶ。これを事もなげにクールに演奏する姿が思い浮かぶ。トニーもマーカスもタッチ・ギターやスティックという特殊な弦楽器を演奏するのでずーっと両手でフレットを弄っているんだけれど。長い歌詞がある訳ではなく、タイトルはあくまでイメージという感じで基本はインストゥルメンタル。こういう曲って譜面に落とすのか、その場でセッション的に膨らませていくのか分からないが、この人達の頭の中は常人が計り知れない構造になっているに違いない。曲調からいってもメンバーからいっても、これがクリムゾンの曲だと言われても何の違和感もない。

海外ネット・ショップにて購入(¥1,109)

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The First Day / David Sylvian & Robert Fripp

2023年07月18日 | プログレッシヴ・ロック

The First Day / David Sylvian & Robert Fripp (1993)

2年ぐらい前から集中的に聴くようになったキング・クリムゾン(King Crimson)。レヴューは遅れているが、オリジナル・アルバムはもちろん、ライヴ盤、コンピ盤などもほとんど手に入れていて、メンバーのスピンオフまで聴くようになっている。これは1993年に発表された元ジャパン(Japan)のデイヴィッド・シルヴィアン(David Sylvian)とロバート・フリップ(Robert Fripp)によるアルバム。後追いで聴いている自分はもちろん当時聴いた覚えはないので、どの程度世間にインパクトがあったが知らないが、調べてみるとフリップはシルヴィアンのソロに参加した後、新生キング・クリムゾンのヴォーカルに迎え入れようとしていたようで、この作品もその動きの延長線上にあったようだ。

自分はジャパンをあまり聴いていないので、ミュージシャンとしてのシルヴィアンは少ししか知らないが、耽美な雰囲気のヴォーカルは昔のまま(って言ってもこれももう30年前の作品だけど)。これがフリップの奏でるサウンドスケープを含む観念的な音像によく合っている。インスト部分にシルヴィアンがどれぐらい関わっているのか分からないのだが、特に03、05、06のような長尺の曲でその相性の良さが出ている気がする(ライヴでこれをやられると寝てしまいそうだが・笑)。ここまでしっくりくる出来だったとは予想外。アルバム全体としてのまとまりもいい感じ。当時のフリップがクリムゾンのどういう展開を思い描いていたか分からないが、なるほど彼をクリムゾンにっていうフリップの気持ちも分かるような気がする。アルバムにスティックで参加しているトレイ・ガン(Trey Gunn)はこの後クリムゾンに正式参加。ドラムスを担当したピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)のバンドに居たジェリー・マロッタ(Jerry Marotta)も参加候補だったそうだがそちらは流れている。その辺りの境が何なのか興味深い。

ネット・ショップにて購入(¥369)

  • Label ‏ : ‎ Emd Int'l
  • ASIN ‏ : ‎ B000000WJT
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Absent Lovers: Live in Montreal / King Crimson

2023年07月12日 | プログレッシヴ・ロック

Absent Lovers: Live in Montreal / King Crimson (1998)

キング・クリムゾン(King Crimson)の1984年はモントリオールでのライヴを収録した2枚組CD。発売されたのは随分と遅く、1998年になってから。後追いで聴いているのでその辺の事情はよく知らないが、クリムゾンはこのライヴで一旦解散して約10年間はグループとしての活動はしていない。つまりこれがDiscipline期のクリムゾン(Robert Fripp, Adrian belew, Tony Levin, Bill Bruford の4人)の80年代最後のライヴということになる。

お馴染みのサウンドスケープから始まるライヴは終始メンバーのテンションが高く、最終公演ということもあってか各自の演奏もアンサンブルも極みに達しているといった感じさえする。録音状態もとても良く、80年代の音源にありがちだが今聴くと陳腐に聴こえてしまいがちなブルーフォードのシンセ・ドラムもここでは文句なしにかっこいい。エイドリアンのヴォーカルはさすがにこの時期だけあって通りも良く(時々勢い余って裏返るが・笑)聴いていて気持ちがいい。逆にフリップのギターやレヴィンのベース&スティックはあまり目立たなく感じるが、それほどバランスがいいということだろう。これが80年代クリムゾンの集大成と言っていいんじゃないか(←にわかの意見)。

中古店にて購入(¥1,120)

  • Label ‏ : ‎ ポニーキャニオン
  • ASIN ‏ : ‎ B00004VOXJ
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Heavy ConstruKction / King Crimson

2023年06月09日 | プログレッシヴ・ロック

Heavy ConstruKction / King Crimson (2000)

キング・クリムゾン(King Crimson)の2000年に行われたヨーロッパでのライヴ録音3枚組。ツアーはオリジナル・アルバム「The Construkction of Light」に伴って行われたもの。ただし3枚目はインプロヴィゼーション演奏ばかりをまとめてある。2枚目にはWindows Media Playerで再生できるビデオ映像も収録されているとのこと(←観たことないので1度くらい観てみないと・汗)。ライヴといっても録音はミキシング・デスクのDATだそう。メンバーはフリップ(Robert Fripp)を始め、エイドリアン・ブリュー(Adrian Belew)、トレイ・ガン(Trey Gunn)、パット・マステロット(Pat Mastelotto)の4人体制。

いきなりパットのへヴィーなドラミングで始まるが、まだエイドリアンのヴォーカルが温まっていないからか、かなり不安定で先行きが案じられる。ギターの音も硬質で当時の音楽的ブーム(グランジ、インダストリアルetc...)も反映されているのかも。相変わらず4人とは思えない高度なテクニックを披露しているが、やはり編成の違いで個性は出るもので、今まで聴いてきた曲も雰囲気が違ってくるのが興味深い。目玉は何と言っても2枚目最終曲の「Heroes」。オリジナルでギターを弾いていたフリップがライヴでっていうのもグッとくるが、ボウイ(David Bowie)とも共演したエイドリアンがヴォーカルをとるっていうのもグッとくる(でも”I Remember~”のコーラスはあって欲しかったナ)。3枚目のインプロは正直あまり長々と熱心に聴ける類のものではない(これってProjeKct?)。

※クリムゾンから派生した実験音楽ユニット

ネットショップにて購入(¥1,200)

  • レーベル ‏ : ‎ Panegyric
  • ASIN ‏ : ‎ B07GJ7979L
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 3

 

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Kneeling At The Shrine / Sunday All Over The World

2023年05月22日 | プログレッシヴ・ロック

Kneeling At The Shrine / Sunday All Over The World (1991)

キング・クリムゾン(King Crimson)のロバート・フリップ(Robert Fripp)が、奥方のトーヤ・ウィルコックス(Toyah Willcox)と組んだバンド、サンデー・オール・オーヴァー・ザ・ワールド(Sunday All Over The World)の唯一のアルバム。クリムゾンを集中的に買って聴いていてこんなアルバムまで手を出してしまった。トーヤは80年代にニュー・ウェーヴの範疇で活躍したシンガー。当時どのくらいヒットしたのかは知らないが、自分はU2やストーンズ(The Rolling Stones)との仕事で有名なスティーヴ・リリーホワイト(Steve Lillywhite)がプロデュースで関わっていたので覚えがある。2人が結婚したのは86年だそう。ミュージシャン同士だからもっと沢山一緒にやっているかと思ったら、バンドとしての同一活動はこれっきり。同時期にトーヤのソロ・アルバム「Ophelia's Shadow」を発表していて、メンバーも共有しているようで、両方にこの後クリムゾンにも参加するトレイ・ガン(Trey Gunn)が参加している。

今でこそ、その奔放なキャラであの気難しいフリップ翁にチュチュを着せて踊らせるような明るく楽しい女性だと知っているが、80年代当時はエキセントリックな衣装でいかにもニュー・ウェーヴっていう感じの歌を歌っていた印象しかない。このアルバムではフリップ独特の複雑で特徴的な音色のギターの旋律をバックに、80年代と変わらない印象のヴォーカルを聴かせている。トーヤは決して上手いヴォーカリストではないし、好き嫌いが分かれる歌い方だと思うので(笑)、何となくこれだけで終わってしまったのが分かる気もする。フリップもこのアルバムの音楽的完成度は別として、きっとこの先のバンド活動までは見えなかったんじゃないかな。

ネットショップにて購入(¥521)

  • Label‏ : ‎ Editions Eg Records
  • ASIN ‏ : ‎ B000003S3W
  • Disc ‏ : ‎ 1
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