老母を「名古屋栄三越」に連れて行ったものの、30分も経たないうちに「もう見るものない。」と言われ、仕方なく昼食の店を探す。タクシーを拾って向かったのは柳橋の交差点南にある「ステーキハウス・スエ」。創業は昭和27年(1952)とのこと。以前から入ってみたかったが、折角なら肉好きな母と一緒の時にと機会を伺っていた。事前に電話を入れておき、店に入るとカウンター席に案内された。店内は昭和の雰囲気そのまま。こちらの名物は何といっても国産黒毛和牛のTボーンステーキ。メニューには「Tボーンコース(お二人様用)」というのがあるので、迷わずそれを注文。瓶ビール(キリンラガー中瓶)もお願いした。料理長が取り出したのはノコギリ。これで大きな骨付きの塊から肉を切り出す。焼く前に部位の説明(テンダーロインとサーロイン)もしてくれた。脂身を切り落とし、肉は備長炭で焼き上げるのだそう。
真昼間からワイングラスのビールで乾杯していると、まず「オードブル(イカの雲丹和え、ローストビーフ、茹で海老)」が届けられた。さすがにどれもきっちり旨い。続いて届けられた「コーンポタージュスープ」は濃厚。自分は小さい頃こういうスープが大好物だったので懐かしさも感じる。続いてサラダはきゅうり、トマトと千切りキャベツ。今では一番最初に生野菜のサラダが出てくる店がほとんどだが、このタイミングで生野菜が出てくるのは由緒正しい店ならでは。
そしてメインの「Tボーンステーキ」が鉄板にのってドーンと登場。すごい迫力。肉は玉ねぎの上にのせられていてチリコンカンが添えられている。料理長曰く「この玉ねぎ、ステーキより美味しいですから!」(笑)と。早速2人でいただいていく。骨まわりの細かいところもしっかり焼いてあり、特に焼き加減を訊かれた訳ではないがミディアムレアといったところ。刷毛で塗った醤油ベースのたれで仕上げてある。肉は唸るほど旨い。下味は控えめなので肉の旨味がしっかり味わえるし、部位が色々なのでひと口毎にそれぞれ違った旨さがある。思わずグラスの赤ワインを追加。肉好きの母は「美味しいねー。」とパクパクと食べている(オイオイ、思ったより食うなァ…笑)。料理長が言う通り、肉汁を吸った玉ねぎも旨い。
添えられた「手作りロールパン」もいい感じ。肉を食べ過ぎてパンを1つしか食べられなかった母は紙ナプキンに包んでこそっと持ち帰ろうとしたが、しっかり給仕の女性にバレてドギーバッグを貰っていた(苦笑)。こちらの店員は給仕の女性も含めてみな慇懃無礼でない自然体の接客でとても居心地が良い。食後のコーヒーも苦味があってしっかり旨い。母は「もうお腹いっぱい。コーヒー残してごめんなさいね。」なんて言っていたが、なんのなんの、あなた沢山喰ったよ(苦笑)。大満足で店を後にした。また連れてこようっと。(勘定は¥23,000程/2人)
↓ 「名古屋三越」にて87歳の老母で遊んでみた(笑)。
愛知県名古屋市中村区名駅南1-8-18
( 名古屋 なごや ステーキハウススエ スエ 柳橋 やなぎばし Tボーン・ステーキ ランチ 名古屋三越 )
良いですねぇ~ここ、憧れです。
80年代初めに「名古屋の味」などよりも先に購入した
名古屋名店の写真集みたいな大判本があるのですが、
沢山掲載されている店の中で今でも覚えているのが
このスエと栄の「楽」の2軒。
「楽」は他人様のオゴリで、当時すでに古風すぎるお部屋で「楽鍋」を頂きましたが、
スエは相手が居なかったりお財布の中身がいなかったりで
どうしてもチャンスがなくって…
昔は夜営業だけだったような気もしますが
いまはランチもやってますから、無理して機会を作らなきゃ行けませんね。
私もずっと入ってみたいと思っていました。でもこちらも日曜祝日休みなので
なかなか叶わず、やっとという感じです。Tボーンにこだわらなければランチで
1人でも良さそうですね。
>名古屋名店の写真集みたいな大判本
これ気になりますねー。何ていう題の本かしら。
>「楽」
こちらもずーっと行きたいと思っている店です。もちろん1人で入れないし、
座敷ばかりなので脚の弱い母と一緒では難しく、接待待ちなんですけれど(笑)。