囲碁棋聖戦七番勝負第3局は2月7日から福島県会津若松市で行われていたが、山下敬吾棋聖が小林覚九段に先番中押し勝ちした。これで今シリーズ3連勝とし、初防衛にあと1勝と迫った。
第4局は22、23日、富山県高岡市の「雨晴温泉 磯はなび」で行われる。
(読売新聞より抜粋)
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山下棋聖の3連勝と一方的な展開となっています。難解な局面でもあわてず堂々とした打ちぶりは山の如しでしょうか。
挑戦者の小林九段、一日目は巧みなサバキでさすがとの評判でしたが、封じ手以降から足取りが乱れたようです。
消費時間も山下棋聖に比べて少なく、淡白な印象です。
このままストレート負けでは囲碁ファンも心残りでしょう。一局でも多く見せてほしいものです。
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「週刊碁」最新号のトップは当然「棋聖戦第3局」ですが、この1面の一コマ漫画「ウロ烏鷺戯評(画:鮎沢まこと)」が面白い。
今回の一コマは対局地である「会津若松城」の前で警備員の格好をした山下敬吾棋聖の似顔絵でその下に「山下警護」の文字。
「うまい!、座布団5枚!ですね」。対局地と棋聖防衛を目前にした状況をよく表わしています。
毎回ひねりのきいた一コマ漫画で感心していますが、今回のはとくに秀逸だと思いました。
今後もユーモアあふれる囲碁界の一コマ漫画を、引き続き提供してもらいたいと思います。
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今回の対局地は福島県会津若松市。会津といえば「白虎隊」です。
今年の新春TVドラマで「白虎隊」を放映していましたが、出演者がアイドル系で敬遠してしまいました。
明治新政府軍(薩摩藩、長州藩中心)と会津藩(旧幕府勢力)との間で行われた会津戦争は、圧倒的な兵力差で会津側の降伏となりますが、未だに会津の人々には山口県人、鹿児島県人に対するわだかまりがあるといわれています。
敗者に対して過酷な処遇をした、戦後処理の影響でしょうが残念なことです。
囲碁界では終局後に感想戦が行われることが多いようですが、問題提起はもっぱら敗者で勝者は静かに相槌をうつケースが多いようです。
敗者に対するいたわりの気持ちは大切にしたいものです。