こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

運を掴んだ話

2010年11月30日 | 妻の名言
少々、びろうな話なので、食事中のかたは別の機会にお読みいただきたい。
















わが家で一番の早起きは私。
私の朝、まず、洗面所でひげを剃る。終わったら寝癖を直しながら、階下におり、テレビをつける。
NHKニュースおはよう日本」の(5時45分からの)まちかど情報室を聞きながら、コーヒーを用意し、コーヒーメーカーのスイッチを入れたあと、玄関に行って、新聞を取り、そのまま手洗いに入る。
我が家のトイレ、私が閉め忘れていると妻がいやがるので、トイレの蓋は常に閉まっている。


今朝も、よどみなく、スムーズに一日が始まりかけていた(ハズだった)。
トイレに座る時も、蓋を開けてすぐに座った。朝一番、座る前に中をみる必要はない(ハズだった)。





用が済み、水をあてたあと、ほんの少しだけ長く温風(「日本の暖かい便座が懐かしかった」by Maddonna)にあたっていたいと思い、立ち上らずに、でも、流すだけ流そうと、「流す”小”」を押した(”小”でも十分流れるので、”大”よりも好んで使っている)。

しかし、いっこうに流れた感じがしない  ? 

おかしいと思い、拭いてから立ち上がり、振り返って便器を見るとなんだか白いものが私のものとともに浮いている。

ちなみに水面は便器の2/3くらい。
なんだなんだ、誰かが、流し忘れていたのか?

と思い、仕方ない、もう一度流せば大丈夫だろう。さっきは”小”だったのもいけなかったのかもしれない。
と、今度は「流す”大”」のスイッチを押した。
(寝ぼけていて、我が家の便所が、立ち上ると自動的に流れるものだということをすっかり忘れていた)

異変に気がついたのは、この直後だった。


白いものは便器の中に吸い込まれたが、汚水は一向に流れていかない。

それどころか・・・

アーーーーーーーーーーッと見る間に、汚水は見る間にあふれはじめた。


茫然自失



汚水のあふれは止まったものの、今は、「最悪」などと、つぶやいている場合ではない。

とっさに、便器の横に置いてある、マルチーズのコロ

が使っているトイレシートを被せた(コロは室内犬でトイレも室内)。

1枚では足りず、もう一枚を取りに走り、犬のトイレシート2枚であふれた汚水を吸わせる。   
水浸しにはならずに済んだ。

便器に目をやると、相変わらず、喫水線いっぱいに汚水がたまっている。私のものもふわふわしている。

「これは、つまったな」

手近にあったトイレ掃除用のブラシで探ってみるが、何もあたらない。

かといって、このままにしておくわけにもいかない。
なんといっても、私のものが流れていない。
例え家族といえども、人様に私のものを見てもらうなんて、まだまだ先の話にして欲しい。
いろいろな考えが頭の中を巡る・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ええい、ままよ。

やにわに、右手を便器の奥につっこむと、少し軟らかい何かに手が当たった。

引っ張りだしたら、なんと、ビニール袋。あの、”白いもの”の正体だった。
一昨日の、獣医ドリトルでイノシシがレジ袋を呑み込んで死にかけていたが、我が家の便器もこんなことで死にかけるとは予想だにしていなかった。

そして、「これは?」
一瞬、一体私の持っているビニール袋の中身が何かわからなかったものの、そこに透けて見えたものは。       どう見ても犬の糞。

「これは、(フラットコーテッドレトリバーの)ナイトの糞を入れたビニール袋」


「なんでここに???」と思いながらも、急いで、袋を開け、中を見た。
「やっぱり(散歩の時の)糞(を拾ってトイレットペーパーにくるんだものが中に入っているの)だ」、ということを確認し、袋を逆さまにして再び便器の中に。

そうこうしている間も、汚水があふれそうになっているにも関わらず、便器の水は減ってくれない。

流そうにも、糞が溶けていなくては、また繰り返しになるか???

糞を包むトイレットペーパーの固まりを、揺すり、糞が半分出てきたのを確認した。


ラァースト チャンス!!

失敗したら大変なことになることを覚悟しつつも、

(今度は念のため)「流す”小”」のボタンを悲壮な決意とともに押した!

・・・弱気・・・



ごごごごごごおおおおお
しゅしゅしゅしゅしゅーーーーーーーーーーーーーーー
ごぼごぼごぼ

私の祈りとともに、流れた。流れてくれた。

助かったぁーーーッ

おおきなため息をつき、少しだけ、感激し、便器をしばし見つめ、たった今終わった激闘を振り返った。

わずか、6、7分の出来事ではあったが、私の人間としての尊厳をかけた闘いだった。

そして、私がそれ(ナイトの糞の入ったビニール袋)に勝利したことは、間違いない。






「ちょっと、汚れたな」トイレ用の洗剤をあたりにまいて、まだ、水滴の残る床を拭き、ついでに、便器を役立たずの掃除用のブラシで洗った。




寝間着のままだったので、寝室に戻り、妻に顛末を報告する。

「ナイトの糞のはいった袋がそのまま便器に入っていて・・・(以下前述)・・・。いったい、だれが?」




「ああ、昨日の晩だわ。帰ってきて、ウンチの入った袋を(娘に)手渡したの、それで、あの子ったら、袋のまま、(便器に)入れちゃったのかしら?」


私(コロ健)「・・・」



「よかったじゃない、ウンを引き出し、ウンをつかんで、ウンもついたんだから」と妻。


今夜は宝くじを買ってから帰ろう。