こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

多様性と口では言うけれど

2021年07月27日 | 人間関係
 仕事帰りに歯医者さんに寄ったあと、通りかかった公園で空を見上げたら、久しぶりに美しい夕焼けが見えた。夕焼けが美しい次の日は晴れるというが、今朝はあいにく台風8号がやってきて、朝から降ったり止んだりで、目が覚めた時には小降りだったが、出かけるときは大雨で長傘をさして家を出た。
 青空は清々しく、爽快で、生命力を感じさせてくれる。夕焼けは美しければ美しいほど、心を揺さぶる。景色なんて単なる自然現象に過ぎず、人間が見て美しいと思うから美しいのであって、植物や動物にとってはなんの意味もない。雨雲だって日照りの青空よりもどれほどいいものか。
 無人の森で木から雪が落ちたら、空気は振動するが、その揺れを受け止める人間がいなければ意味はないのかもしれない。でも、雪が落ちることで木の枝は守られる。見方を変えることで物事はいくらでも異なった意味を持つ。そして、様々な意味を持たせることで人間は初めて役に立てるのかもしれない。

 多様性というものに対する認識が高まっている昨今だが、それを受け入れるのはなかなか難しいことだ。なぜなら、そうするということは”今、自分の持っているものの一部を他人に譲ること”になるからだ。男女同権は、男性の既得権益を女性に分けることだし、バリアフリーにはお金がかかる。自然保護は人間が奪ってきた動植物の住処を元に戻すことだ。そんな覚悟が人間には求められている。だからといって、いきなりそうするなんてことは無理な話だ。どうやって多様性の存在を認識してそれを受け入れるにはどうしていったらいいのか、そのことを一生懸命考えなくてはいけない時にある。

 6年ほど前、私はこんなことを書いていた。

”いわゆる社会的弱者と呼ばれる人への配慮を常に忘れないようにしないといけない。そのためには、ただ単に健康上の問題だけでなく、様々な局面で私たちの誰もがいつでも社会的弱者になりうるということを意識しながら生きていく必要がある(今のところの幸せ 2015年3月14日)。”

 多様性を受け入れることとは、いつでも立場を置き換えることのできる柔軟性を持つことかもしれない。
どうしたらいいかを考える

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