私はロクな人間ではないと思って生きてきた。こんなことを言うと、
”じゃあ、私との人生はロクでもないとでも言うの?”
と、妻が悲しむが、そんな意味で言っているのではない。それに常々書いているが、私のようなロクでもない人間を救ってくれたのは妻だし、妻が育てた子供たちだ。
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私がロクでもない原因の一つは自己肯定感が極めて低いということだ。原因は去年ガンで亡くなった父にあると思っているが、いまさら責めたところで何もならないし、子育てに正解はない。父と私の関係をプラスマイナスで勘定したら、父から受けた愛情の方がよほど大きい。
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私は自分の人生で誇れるものが一つもない。もちろん、妻や子供達を否定するものではないが、彼らは彼らであって、私のものではないし、私の本質を示してはいない。ただ、昨日だか一昨日、ダウン症の弟が私にとても素晴らしいことを贈ってくれていたことに気がついた。
昨今、いじめとか差別のことが話題に上がり、過去のそのような問題が取り上げられて社会的地位を失う人すらいる。私自身、人に意地悪したり冷たくしたことはある。だから、誰にも責められることのない人生を歩んできたなどとは口が裂けても言えないし、人を傷つけたこと、悲しませたことを思い出すと、やっぱり私は自分に誇れるものなどないのだと知る。
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ところが、私が気がついたこととは、ダウン症の人のことを差別したことがないということだった。ダウン症の人だけでなく知的障害のある人のことを差別したこと、違和感を感じたことというのがない。これは、弟が知的障害のあるダウン症だからだろうし、さらには弟の友人の知的障害のある人のことに対しても、いじめとか差別とかそういったことをした記憶がない。これは当たり前のことなのかもしれないが、私にとっては素晴らしいことだ。こんな私であっても自信を持っていいと思えることを、弟はプレゼントしてくれていたのだと知り、とても感謝している。
自信を持って