こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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欧米の民主主義、日本の民主主義そして中国的民主主義

2021年12月10日 | 日本のこと、世界のこと
 東京の夜景を空から見るのはコロナ前以来。空気が澄んでいて三日月も美しく見えた。この遥か上を飛んでいる日本人実業家はどんな思いでこの地球を眺めているのだろう。人間の役に立ちそうなところはすべて開発されていて、残りは荒野か砂漠、そんな地上は国家のあり方を巡り、大国の覇権争いの場と化しつつありなんだかキナ臭い空気に覆われている。

 真の意味での民主主義とは一体なんなのだろう。

 民主主義の発端をフランス革命と考えると、行ったり来たりを繰り返しながら形作られたヨーロッパの民主主義が”正統派”ということになるのだろうか。自由を求めて新大陸を目指した人々が勝ち得た独立国家である米国も民主主義の一つの形である。いずれも多くの民衆の血が流された末に勝ち得たものであり、民族として深い思い入れがあるだろう。

 日本の民主主義は先の大戦の戦勝国であるアメリカによってもたらされたものであり、私たち国民はその上にのほほんとあぐらをかいているだけで、今ある自由や権利は民衆が”勝ち得た”ものではない。革命、独立戦争、そういったものを経験していない私たちにとって欧米的民主主義を理解するのは容易ではない。学校教育でも学習した覚えはあまりない。それでも、同盟国である米国の主義主張に追随することで私たちは自由気ままに生活できているので、あまり深いことは考えずに日々を生きている。

 先日、中国が”中国的民主主義”ということで、中国には中国の民主主義があると発表していた。内容はよくわからないが、とにかく中国も民主主義的な国家であって、外国からとやかく言われる筋合いはない、とのことだ。中国とロシアの民主主義というのは共産主義革命を経たものだから、欧米日本の民主主義とは全く異なる。さらに地政学的な問題、民族的な問題というのが絡み、国体を維持するという点からも良し悪しを論ずることは難しい。強権的、権威主義的政治支配体制が国家の維持のために必要だとされるのであればそれを継続することは致し方ないわけで、ものは言いようとばかりとも決めつけることはできない。

 昨日から、米国主導で民主主義サミットというネット会議が始まった。中国ロシアの覇権主義的、権威主義的政治体制によって、人々の人権が奪われているということを問題にし、抑圧されている人の解放につなげたいということだと思う。国体護持を考える人からしてみたら大きなお世話ということになってしまうのかもしれず、解決するのは難しい。
正論か屁理屈か

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