まだ暗いうちに目が覚めた。普段の起床時間よりはずいぶん早いだろうと思いながら手洗いに行ったら、もうその時間だった。ずいぶんぐっすり眠ることができたなと少し喜んでいたら私の目が覚めるよりも少し遅れて鳴り出した目覚ましの音が寝室のほうからしてきた。そのアラームで起こされたのか、妻が止めていた。二度寝するつもりで起き出したのだけど、仕方なくそのまま顔を洗い、髭を剃ってから寝室に戻ったが、つい布団に入ってしまったらなかなか出られなくなり少々困った。
大寒波の来襲で鎌倉もずいぶん寒い。車載温度計の表示は−2.5度。車のフロントガラスに着いた氷の粒が朝日にキラキラ光っていた。横須賀線から見える新川崎の貨物列車の基地には、北の国から運ばれてきたであろう雪の塊が落ちていた。学校は冬休みが始まったようで、駅のホームも車内も空いている。私も勤務日はあと2日。とはいえ迅速診断の予約も入っているし、気を緩めずに最後までしっかり仕事しよう。
昨晩、フィギュアスケートの全日本選手権で羽生結弦がものすごい演技を見せてくれた。テレビ画面から伝わってくるその素晴らしさは、野球の大谷翔平に勝るとも劣らないものだったと、素人目にもわかった。息子もちょうど同じ学年で、親としてはその3人がその世代を代表しているように感じている。その3人に共通する点は、礼儀正しく、猜疑心がなく、純粋であるところ。もちろんいろんなことがあるだろうとは思うが、私の苦悩と彼らのそれは違うように思う。
新しい時代に新しい人たちが育ち始めていると感じる。私は1963年生まれだが、戦前生まれ、戦中生まれ、団塊、ポスト団塊、というわかりやすい世代に続けて出てきた色の無い世代だ。私たち以降の世代というのは皆世代間格差をあまり感じないでいたような気がしていたが、それは当事者だったから気がつかなかったのだろう。さすがに自分の子供たちの世代をみると、時代が変わったこと、世の中の主役が代わりつつあるということを実感せざるを得ない。彼らの未来が平和であることを祈るばかりだ。
令和の主役