きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2016年度予算案焦点③ エネルギー・宇宙 原発交付金で再稼働迫る

2016-01-23 11:46:34 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2016年度予算案焦点③ エネルギー・宇宙 原発交付金で再稼働迫る

エネルギー対策特別会計は2015年度比419億円増の8384億円です。増額の多くは、地球温暖化対策税の段階的な引き上げに伴うものです。しかし、再生可能エネルギー予算は、15年度比138億円増の1366億円にとどまっています。

中間貯蔵施設負担肩代わり
原発再稼働に向け、「原子炉の安全技術の強化等」に91・5億円を計上。東京電力の負担を肩代わりする福島第1原発事故の放射性汚染物質の中間貯蔵施設整備に350億円を計上しました。
原発立地自治体に国が交付する電源立地地域対策交付金は、15年度比43億円減の869億円です。福島事故後、稼働していない原発に適用してきた一律81%の“みなし稼働率”引き下げによるもの。16年度以降は、68%を上限に、原子炉ごとに福島事故前10年間の平均稼働率を適用します。再稼働した原子炉は実際の稼働率を当てはめます。交付金減額で自治体を再稼働に駆り立てるものです。
国から市町村へ直接交付される分については、急激な引き下げによる影響を緩和するための措置や下限が設けられました。道県分については激変緩和措置も下限もありません。減額の影響は、新潟県が最も大きく、知事が再稼働に慎重な姿勢をとっている同県を狙い撃ちにしたものとの指摘もあります。





茨城県行方市にある情報収集衛星の地上施設、内閣衛星情報センター北浦副センター

宇宙軍拡推進4年連続増額
宇宙軍拡を明確にした「宇宙基本計画」に基づき、情報収集衛星(軍事スパイ衛星)に619億円(15年度比5億円増)、準天頂衛星に142億円(同1億円減)を計上しました。情報収集衛星の予算は、第2次安倍晋三政権発足後、4年連続の増額です。
「基本計画」は、情報収集衛星について現在の基幹衛星4機体制から、時間軸多様化衛星4機、データ中継衛星2機を加えた合計10機の整備目標を掲げています。
データ中継衛星は、他の衛星が日本の遠隔地で撮影した画像データを中継することで撮影から受信までの時間を短縮するもの。安倍政権が目指す自衛隊の地球規模での活動を補完することが狙いです。開発予算として46億円(同32億円増)を計上しました。
準天頂衛星システムは、ミサイルの誘導や艦船のナビゲーションに使われる米国の全地球測位システム(GPS)を補完し、米国の宇宙軍事戦略を補強するもの。現在の1機体制を18年までに4機体制に、23年までに7機体制にする計画です。情報収集衛星、準天頂衛星とも三菱電機が開発を担っています。
米国と連携して他国の衛星や宇宙ごみを監視する「宇宙状況把握」システムに10億円(同8億円増)を計上しました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月21日付掲載


GPSが充実されると聞くと、カーナビなどを使う人にとっては良い様に聞こえますが、実際は軍事目的。
宇宙開発は平和利用に徹してほしいですよね。

2016年度予算案焦点② 農林水産 「TPP対策」を掲げて

2016-01-23 11:29:37 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2016年度予算案焦点② 農林水産 「TPP対策」を掲げて

2016年度予算案の農林水産関係は、15年度当初予算比1億円増の2兆3091億円です。公共事業費が同169億円増の6761億円、非公共事業費が同169億円減の1兆6330億円です。15年10月5日に「大筋合意」した環太平洋連携協定(TPP)を既成の事実として、輸出促進や経営力向上など「攻めの農林水産業」を展開するとしています。

農地の集積や転作推進重視
農業農村整備(土地改良)事業に15年当初比210億円増の2962億円を計上。関連事業として、農地の集積を推進する農地耕作条件改善事業に同23億円増の123億円、農山漁村地域整備交付金1067億円のうちの735億円(15年度と同額)を充てました。
主食用米から転作する飼料用米、麦、大豆などに支払う水田活用の直接支払交付金に15年度比308億円増の3078億円を計上しました。15年度は、転作の増加で交付金が不足しました。15年度の不足に補正予算で対処するとともに、16年度には、主食用米の生産目標を15年度からさらに削減することから、交付金支払い増が見込まれるため、当初予算を増額しました。
15年11月25日に閣議決定した「総合的なTPP関連政策大綱」で大々的に打ち出した農産物輸出促進を支援するとして、輸出戦略の実行体制の強化に15年度比2億円増の13億円、輸出総合サポートプロジェクトに同1億円増の15億円を計上しました。





TPP「大筋合意」に抗議する「STOP TPP!!官邸前アクション」参加者=2015年10月6日、首相官邸前

参院選を前に批判そらし策
しかし、「TPP対策」のほとんどは、15年度補正予算に盛り込まれました。農林水産関係の補正予算総額4008億円のうち、3122億円を占めます。
「TPP関連政策大綱」が農林水産物・食品の輸出額1兆円目標の20年前倒し達成をうたったのを受け、輸出促進緊急対策に33億円、農畜産物輸出拡大施設整備事業に43億円、水産物輸出拡大緊急対策事業に55億円の合計131億円を計上しました。
また、産地パワーアップ事業(基金化)に505億円、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(畜産クラスター事業)に610億円を充てるなどしました。
同時に、農地のさらなる大区画化・汎用化の推進に370億円を計上しました。農地中間管理機構を通じた農地の集積を後押しする従来の施策です。
「TPP対策」といっても、多くは従来の事業に「TPP」の名目を付けたにすぎず、夏の参議院選挙を前にTPPに対する国民の批判をそらす対策です。農林水産関係に関して、「TPP関連政策大綱」は「16年秋を目途に政策の臭体的内容を詰める」としています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月20日付掲載


農業政策では、相変わらず集積化とか転作奨励とか…。それにTPP批判かわしの予算。
生産者の所得補償や生産基盤、流通ルートの確保こそ必要。