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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2016年度予算案焦点⑧ 地方自治 自治体に民間委託促進迫る

2016-01-29 21:28:43 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2016年度予算案焦点⑧ 地方自治 自治体に民間委託促進迫る

2016年度予算案で地方財政対策は、全国知事会など地方6団体が確保を求めていた一般財源総額(地方税と地方交付税など使途が特定されない財源)を15年度比1307億円(0・2%)増の61兆6792億円としました。東京都など交付税を受け取らない自治体分を除くと、増額分は半分の600億円(0・1%)程度です。
地方税の増収によって、交付税は546億円減の16兆7003億円。交付税の不足分を補う臨時財政対策債は7370億円減の3兆7880億円です。
15年度に創設した「まち・ひと・しごと創生事業費」は引き続き1兆円を計上。うち6000億円の「人口減少等特別対策事業費」は、自治体の取り組みの「成果」に応じた算定部分(1000億円)を大きくする議論もありましたが、条件不利地域や財政力の弱い団体へ配慮を求める地方の声を受け、16年度は現行割合を維持します。




リーマン時の別枠加算廃止
リーマン・ショックを機に設けた「別枠加算」(15年度2300億円)は、「平時モードへの切り替え」という理由で廃止します。
地方創生加速化交付金(15年度補正予算)に続き、新たに地方創生推進交付金(16年度予算案)を設け、1000億円を計上。地方負担を含む事業費は約2000億円で、地方負担分には交付税や地方債などが措置されます。自治体の申請を受け、「先駆的」な事業計画を国が審査・選定。16年度は15年度までの地域再生事業の継続分を優先するため、ハード(建設)事業とソフト事業の配分はほぼ半々の見通しです。自治体が行う子ども医療費助成の拡充など給付事業には使えないとしています。



地方交付税の増額や交付税率の引き上げなどを求めた全国町村長大会=2015年11月、東京都内

算定基準設け削減の仕組み
一方で総務省は、民間委託などで歳出削減した自治体を「トップランナー」として関係事業経費の交付税算定の基準にする仕組みを導入します。この水準を下回る事業については交付税の削減につながります。地方の反発を受け、対象23業務のうち学校給食の調理・運搬や学校用務員事務、本庁舎清掃など16業務に16年度から3~5年かけて適用するとしています。地方税の徴収率の標準は、現在の全国中位の自治体を標準にしていたのを上位3分の1にあたる自治体の徴収率に引き上げるよう5年かけて見直します。自治体リストラと徴収強化を押しつけるものです。
中心都市や中心部への施設・サービス集約化に向け、総務省は「連携中枢都市圏の形成」など「新たな圏域づくり」に5・3億円、国交省は「コンパクトシティの推進」に136億円を計上。周辺地域が切り捨てられる危険性を抱えています。
1月から国の機関で運用開始したマイナンバー(共通番号)制の推進に189・9億円の補助金。うち7割は任意の個人番号カード500万枚分で、計3000万枚を発行する計画。個人情報保護のまともな対策もないまま、地方自治体は税・保険料の徴収強化と社会保障費抑制に駆り立てられます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月29日付掲載


民間委託というと税金の節約で良い様に見えますが…。
本来なら直接雇用で行うべき学校給食や用務員などを民間委託。
結果的には自治体がワーキングプアを育成することに…。
安全・安心にも責任を負えなくなる。