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29年のプロ生活(工藤公康)

2011-03-26 21:07:05 | 他スポーツ
今日、昨年まで西武に在籍していて、現在無所属ながら現役続行に意欲を見せている工藤公康選手と、スポーツライターの二宮清純氏の対談がありました。そういえば工藤は思い出の選手だったけどブログのネタにしたことはなかったなと気づいたので、古い思い出が多くなりますが書きます。

工藤は今年47歳で、18歳で名古屋電気高(現愛工大名電)を卒業してプロ入りしてから実に29年で、実働年数の最長記録保持者です。メジャーリーガーではたまにこういう驚異的な投手寿命を誇る選手はいますが、日本人ではパイオニアで、先発にこだわらず左のワンポイントでもいいからと現役にこだわったことがこの記録に結びついています。

工藤が入団した当時の西武は、東尾、田淵、大田らベテランが多く在籍していたチームで、根本監督が基礎を築いたチームを広岡監督に交代させて勝ちに行こうとした初年度でした。工藤は一年目から一軍に入っていましたが、当時は左の中継ぎとしての起用でした。

先発になったのは、防御率一位を取った昭和60年からで、このあたりから伊東、秋山、渡辺久信ら後の西武黄金時代を築く若手選手が登場してきます。工藤のイメージは、当時よくいた豪腕投手の典型で、直球とカーブだけで抑えるというクラシックな投手でした。今は高校野球の投手までスライダーを投げる時代ですから、その投球が通用したのはその球威が優れていたからでしょう。

工藤は昭和61年の日本シリーズ、当時DH制のなかったシリーズで打席に入り、第5戦でサヨナラタイムリーを打つという普段打席に立たないパリーグの投手としてはめったにない快挙を成し遂げています。この年、3連敗から4連勝で逆転日本一になった西武は、奇跡と大いに賞賛され、工藤もその中心選手としてその後の西武黄金時代を支えます。

森監督が率いた西武の黄金時代は、巨人のV9時代とよく比較され、確かに9年間で8回パリーグ優勝、6回の日本一とドラフト制度ができた中でこれだけのチームを作るのは奇跡的とも言われました。そんな工藤はFAでダイエーに移籍して、その後巨人にも移籍して優勝請負人とも呼ばれます。

去年、西武に18年ぶりに戻ってきた工藤は、すっかり変わったメンバーを見て「新しいチームに入ったよう」と言っていましたが、中継ぎとして結果を出すことはできませんでした。日本にもマイナー契約のようなものがあれば、工藤もまたどこかでプレーするかもしれないと思うのですが、日本はまだ年齢の壁があり工藤の現役続行は厳しいです。

それでも、歴史に残る大投手として、何をやっても食べていけるだけのインパクトは既に残しています。解説なり指導者なりで、また表舞台に出てくることを期待しています。
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