Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

影武者から主役へ(阪口夢穂)

2015-07-04 21:17:53 | レディース
イングランド戦、なかなか映像を見る時間を確保できないので、なでしこジャパンの選手ネタで、ボランチの阪口夢穂選手を取り上げます。阪口は若手時代から有名だった攻撃的MFで、2007年当時は名門TASAKIペルーレで、19歳の若さで背番号10をつけていました。当時の彼女のポジションはサイドハーフでしたが、浦和戦の鴻巣陸上競技場で見た彼女はあまりにもポジションが低い位置で、「そんな後ろからどうやってゲームを作るつもりなんだ」と思うほどのポジショニングでした。

しかし、その答えは試合の中にありました。阪口の身体能力が女子では群を抜いて高かったからです。逆サイドから届きそうもないように思えたボールに、阪口だけは追いつける能力がありました。この能力は、澤のボランチコンバートに伴って、どこまでもボールを追いかけてくれそうな身体能力のある選手を探していた佐々木監督の目に留まりました。

澤と阪口のダブルボランチは2008年の北京五輪からです。当時、澤は攻撃力は高いものの、守備に帰る戻りの遅さが課題でした。それをカバーする阪口は、当時は荒削りでパスミスなどもありましたが、猛暑の中国で、失ったボールをどこまでも追いかけてくれる粘りは見ていて感動的でした。

しかし、この北京五輪の4位は、一見世界を驚かせた結果のようですが、選手たちは誰も満足していないようでした。もっと上を目指すと、澤と阪口のコンビを熟成させたなでしこジャパンは、2011年女子W杯で優勝という大きな結果を残します。このあたりになってくると、阪口も本来は攻撃的MFなので、時折攻撃力を発揮する場面も出てきます。

澤の陰の存在だった阪口ですが、今大会はコンビを組むボランチが、守備が強い宇津木になりました。宇津木をアンカーに残して、セットプレーなどで相手のマークを外すのがうまい阪口は、攻撃面で大きな貢献を見せるようになりました。当初の澤の影武者が、今は真の大将になれる可能性も持っており、次のW杯決勝戦でその一端が見られるといいなと思っています。
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女版小野伸二(宮間あや)

2015-07-04 11:10:00 | レディース
なでしこジャパンのイングランド戦は、帰宅後見るとして、穴埋めネタです。今のなでしこでは、澤は試合を落ち着かせるスーパーサブになっており、今のゲームメーカーは宮間あや選手です。宮間はなでしこではNo.1のテクニシャンで、左右両足でセットプレーを蹴れる優れた特徴を持っています。

宮間は150cm台と小柄な選手です。そのため、得意なポジションは中盤の前の方です。試合前の布陣図の説明では左のサイドハーフと書かれますが、ウイングのように縦に走るよりは、ゲームメーカーとして真ん中で持った方がいいプレーをします。

女子のサッカーは、GKの身体能力が男子とは差があるので、直接FKは大きなチャンスです。宮間はFKの名手なので「女俊輔」と呼ばれたこともありますが、プレースタイルは厳しいパスを出す中村俊輔より、味方を計算して出す小野伸二の方が似ています。

宮間は足元の技術がしっかりしているので、パスを出す前に一呼吸置けます。そこから、左右どちらの足でもいいパスが出せる優れた特徴を持っています。一度、皇后杯準決勝のNACK5スタジアムで見た当時の印象では、宮間に出せば一旦ボールが落ち着く印象でした。

宮間のゴールは多くがセットプレーです。なでしこの場合、意外にも澤がセットプレーを苦手にしているので、PKやFKは宮間が蹴ります。ロンドン五輪のカナダ戦で、宮間が珍しいヘディングシュートを決めていますが、相手の屈強なDFは怖かったようで、目を思わずつぶっていた写真が新聞に載っていました。

宮間は所属チームは岡山湯郷ベルです。湯郷は温泉町で、選手の中にはホテルのフロントに立っている選手もいますが、有名や宮間とGK福元の勤務先は「岡山県体育協会」でファンの前には出ない仕事です。それでも、湯郷は小さな町なので宮間は英雄で、多くのファンに囲まれることもあると聞きます。

今回大会は宮間はMVP候補で、また日本人のMVPが実現すれば奇跡的な快挙です。宮間選手の決勝での活躍を期待したいと思います。
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