今日の大相撲名古屋場所、優勝は横綱白鵬に決まりました。得意の左四つに組んでからは盤石の相撲で鶴竜を寄り切り、決定戦を待たずに優勝を決めました。白鵬は鶴竜に対し、わずか4回しか負けていない相性の良さを誇っており、変化がなく普通の四つ相撲という力士にはそう簡単には負けない地力は今でも持っています。
今日の注目は、前頭11枚目の40歳のベテラン、旭天鵬の土俵でした。旭天鵬は今日まで3勝11敗と大きく負けが込んでおり十両陥落は免れない成績で、今日の栃ノ心戦も得意の左上手を引きながら寄り切れず、栃ノ心に逆に上手を引かれて力負けした完敗でした。本人は以前から「十両では取らない」と口にしており、まだ明言こそしていませんが、最後の土俵になる可能性はあります。
旭天鵬の思い出は数知れません。平成4年に、初めて元大関旭国の大島部屋がモンゴル人をスカウトした1期生です。同期には元幕内旭鷲山がいます。旭鷲山は引退し、今はモンゴルで政治家をやっており、歳月の長さを感じます。40代の幕内力士は、昭和20年代の名寄岩以来という、息の長さを誇る力士です。
旭天鵬には、何度か危機がありました。一度目は若手時代の下積みに耐えられず、一度モンゴルまで帰国したことがあります。大島親方がモンゴルまで出向いて説得して現役を続行しました。あのときに大島親方がモンゴルに足を運んでいなければ、今の旭天鵬はなかったでしょう。
また、二度目は幕内時代、禁止されている車の運転をして交通事故を起こし、謹慎処分で一場所全休して十両に落ちたことです。このときは恵子夫人に「辞めたい」と口にしていましたが、夫人の説得で現役を続けたことがあります。十両からはすぐに幕内に復帰し、今まで幕内在位99場所、幕内勝利800勝などの大記録を達成するに至っています。
もっとも、朝青龍や旭鷲山などのモンゴル出身力士は、足技などのモンゴル相撲の技を時折見せることがあります。旭天鵬にそれがない理由は、実は彼はモンゴル相撲の経験者ではなかったのです。モンゴルではバスケットボールをやっていたところを、大島部屋にスカウトされたので、旭天鵬のあの普通の四つの相撲は、日本で覚えた相撲のノウハウです。
旭天鵬の最大の金字塔は、2012年5月場所の平幕優勝です。当時、戦後の最年長優勝記録は長年羽黒山の37歳で、その記録を意外な力士が更新したと話題になりました。12勝3敗、栃煌山との決定戦を制しました。たとえ十両に落ちて現役を続けたとしても、旭天鵬を10月のさいたま巡業でまた見るのは厳しいかなと思うので、記憶を記事にしてみました。
追記:昨日旭天鵬は引退を表明し、年寄「大島」を襲名することになりました。
今日の注目は、前頭11枚目の40歳のベテラン、旭天鵬の土俵でした。旭天鵬は今日まで3勝11敗と大きく負けが込んでおり十両陥落は免れない成績で、今日の栃ノ心戦も得意の左上手を引きながら寄り切れず、栃ノ心に逆に上手を引かれて力負けした完敗でした。本人は以前から「十両では取らない」と口にしており、まだ明言こそしていませんが、最後の土俵になる可能性はあります。
旭天鵬の思い出は数知れません。平成4年に、初めて元大関旭国の大島部屋がモンゴル人をスカウトした1期生です。同期には元幕内旭鷲山がいます。旭鷲山は引退し、今はモンゴルで政治家をやっており、歳月の長さを感じます。40代の幕内力士は、昭和20年代の名寄岩以来という、息の長さを誇る力士です。
旭天鵬には、何度か危機がありました。一度目は若手時代の下積みに耐えられず、一度モンゴルまで帰国したことがあります。大島親方がモンゴルまで出向いて説得して現役を続行しました。あのときに大島親方がモンゴルに足を運んでいなければ、今の旭天鵬はなかったでしょう。
また、二度目は幕内時代、禁止されている車の運転をして交通事故を起こし、謹慎処分で一場所全休して十両に落ちたことです。このときは恵子夫人に「辞めたい」と口にしていましたが、夫人の説得で現役を続けたことがあります。十両からはすぐに幕内に復帰し、今まで幕内在位99場所、幕内勝利800勝などの大記録を達成するに至っています。
もっとも、朝青龍や旭鷲山などのモンゴル出身力士は、足技などのモンゴル相撲の技を時折見せることがあります。旭天鵬にそれがない理由は、実は彼はモンゴル相撲の経験者ではなかったのです。モンゴルではバスケットボールをやっていたところを、大島部屋にスカウトされたので、旭天鵬のあの普通の四つの相撲は、日本で覚えた相撲のノウハウです。
旭天鵬の最大の金字塔は、2012年5月場所の平幕優勝です。当時、戦後の最年長優勝記録は長年羽黒山の37歳で、その記録を意外な力士が更新したと話題になりました。12勝3敗、栃煌山との決定戦を制しました。たとえ十両に落ちて現役を続けたとしても、旭天鵬を10月のさいたま巡業でまた見るのは厳しいかなと思うので、記憶を記事にしてみました。
追記:昨日旭天鵬は引退を表明し、年寄「大島」を襲名することになりました。