自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

「与命」 ⑧

2013-04-09 12:20:39 | 推薦図書


戦後、聖路加病院がアメリカ軍に接収され、日野原先生は
その図書室に出入りを許されます。


P.96 充分な医学書もない時代、アメリカの進歩的な医学に驚きながら学ぶ時間を

   持ちました。当時の日本は

  それまでのドイツ医学の模倣、講義を重んじ臨床を重視しない医学が進められていて、

  それに強い疑問のあった私は、

  臨床を重視するアメリカ医学に光明を見出しました。

  その考えがオスラー博士にあることに、やがて気づきます。


このページを見て、私は溜息を禁じ得ません。
戦後生まれ、まさに団塊世代の私が今年65歳になるというのに、

医療の世界は、戦後の頃と全然変わっていないのではないでしょうか?
一度医師資格をとれば、死ぬまで診療資格をもち、何の試験もないせいか、
最新の進歩状況には興味を持たず、学会誌も読まないドクターたちのこと……

この状況が日本の何パーセントなのかは分りませんが、
私のごく身近にも二人ほど、その傾向を感じるお医者さんが居ます。

「患者は僕の出す薬をちゃんと飲んで、おとなしくしていりゃぁいいんだよ」という、
威圧的なお医者さん。
高齢者は遠くへ通院できませんから、そのお医者さんの態度が嫌でも、我慢が必要です。

ところで最近、インターネットには「あなたの近所の名医」「口コミ情報」があります。 
ネットを読める環境の人は、結構選ぶことが可能です。
私もリタイア後、<目が痛い><耳に異物感><後頭部の皮膚に出来物が>など、

老人性○○△■といった「嬉しくない症状」が出て、たまに医療機関のお世話になります。
評判が良いところには、少々遠くても自転車または電車で出向き、
本当に良ければ、「次もこの先生に任せられるワ」と思えるので有り難いです。

でも、全国どこでも、誰でもが

先進国では定着している<人間・QOL重視の医療>が受けられるようになるべきです。

日野原先生の解決案は、

  P.45 医師にとっての生きた情報は患者さんの言葉です。

   自分の様子をはっきりと伝えてください。

   渡された薬がどうだったか、体温や血圧、体重、身体の具合を要領よく。


   そういう努力が医師を育てます。

   それが叶うだけでも双方の成長となり、日本の医療はよくなります。

********************************

私、個人的には、国民一人ひとりが、もっともっと健康のための勉強をし、
良かれ!ということを実践しなければダメだと思っています。

「トシをとったら、どっかこっか悪くなるのは当たり前だよね。

 医者はそういう時に行くところなんだから、

 薬をくれるか、注射をして治してもらうのが当たり前」という考えが蔓延しています。


団塊世代という、巨大な支え手がいる「現在の高齢者」は、ある意味、ラッキーでした。
でも団塊の世代には先細りの、税収入も健康も心もとない社会が待っています。

その時代に備えて、私たちは本当の健康とは?」「自分にできることは?」を問いかけ、

しっかり実践していきたいものです。





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「与命」 ⑦

2013-04-08 05:06:49 | 旅行


日野原先生が尊敬されるオスラー博士の紹介がP.94にあります。

オスラー博士の最大の功績は、

   内科学その研究と診療に科学(サイエンス)と人間のための術(アート)の
   療法を取り入れたことです。そして、そのことを医学教育に徹底させたことです。

   疾病の研究と治療だったそれまでの医学に、

   人間探求を基礎にした医学のありかたを確立し、

   人間のための医学であることを具体的な診察方法、学ぶ心がまえ、

   医師としての生きかたにまで及んで医学生に教えました



   若き日、この考えと医師として生きる生き方に感銘を受けた私は、

   それからというものは彼の著作に学び、理解し考え、

   それらのすべてを実践に取り入れる努力をしました。


   いわば私の医師としての根とも幹ともなり、そこに無数の枝とつややかな葉を

   繁らせてくれたのがオスラー博士の存在でした。


   (中略)<会ったことはなくても>そのことを残念に思うより、

   彼の存在を知ったことがはるかに大きな影響を私に及ぼしました。

   彼の著作と同じように、博士の著作から学んできた多くのアメリカの医師からも

   充分に学ぶことが可能でした。


   ひとはひとから学びますが、それは必ずしも直接でなくても、

   学ぶ必然性と情熱があれば

   世界中の誰であろうと学び続けられることが分りました。








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ミュージカル 夢 ~ 猫たちの春

2013-04-07 20:20:50 | 唄と踊り



突然ですが、昨日は一大イベント、ミュージカル公演が成功したので報告します。
ISAS時代のシナリオではなく、地域の仲間と一緒に作り上げた内容です。

歌はMozartのオペラ「魔笛」のメロディーを多用し、
ストーリーに添った歌詞は私が考えました。
つまり、日本語なので、原語の難しさはないのですが、節はやはり難しいのです。

それを素人の私たちが、ボイトレ先生のアドバイスで、

  よくもまぁ、ここまで!

と、自分たちもビックリ!なほど、良く楽しんで、やれた!と思います。

これが日野原先生の言われる、「人との繋がりの歓び」なのでしょう。

********************************

いただいた感想の中で、嬉しかったモノをご紹介します。

   とても楽しいミュージカルでした。

   出演者の皆様が とても生き生きしていて、すばらしかったです

   これからも、このような企画をお続けください










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「与命」 ⑥

2013-04-05 07:49:59 | 旅行


P.89 時代は、目に見えにくい大事なものを失わせているように思います。

   なぜ、これほど人間どうしのふれあいを私たちは手放してしまったのか?
   
   (中略)ひとえに煩わしかったからでしょう。

   豊かで便利になり、自分の居心地を求めるあまり、

   「面倒なことはごめんだ」「波風を立てたくない」という風潮になってしまった。


   自分の快適さばかりを考え始めると、

   他人を異物としか認識できないのではないかと思うような事件が相次いでいます。

   人間関係とはやっかいなものだけれど、それを、

   「智恵や忍耐で折り合いをつけながら、

    関わり合いながら助け合い励ましあって生きる姿が自然なのです。


P.90 そうした人間のつきあいを円滑に行うには感性が必要ですが、

   豊かで便利な日々は、どうしても感性を鈍らせます。

   感性を養うには、ひとえに身をもって知る、

   つまり体験にまさるものがありませんが、


   それも望めないとなると、せめて多くのひとと接し、
 
   体験を見聞きすることでしょう。

   そして学び続けることです






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「与命」 ⑤

2013-04-04 08:24:05 | 推薦図書


P.81 糖尿病や高血圧など、成人病と呼ばれる疾患の造花と治療法について

   これらはすでに、食事や喫煙、運動不足などの生活習慣が原因であることは、
   明らかでしたが、薬による治療が継続されており、

   この人的、費用的負担に危機感をもった私は、雑誌に論文を発表し、

   「成人病を習慣病と改称し、生活習慣を正しく変えよう」と、
   社会に意識変革を求めました。

   病気になってからより、なる前に尽力するほうが、
   肉体的にも経済的にも、国家も国民も負担が少ない。
   ガンも脳血管疾患も、ほとんどの病気は生活習慣に起因します。
   
   生活習慣を変えることでかなりの確立で病気の発祥を食いとめられると、
   科学的データが示されても、病気になるひとが減らない。

   いまもって医学で治すことのできる病気は少ないなかで、
   予防できるとわかったのですから、ただちに実行すべきです


驚くのは、この提言を受けて、厚生省(←当時)が「生活習慣病」と改称するまでに、
20年もかかったそうなのです。(P.82)

   のちに医師養成のための、いわゆるインターン制度を無給から有給にし、
   あいまいな研修内容を明確にしたいと提言するのですが、

   これはさらに30年あまりもの年月をかけて、
   厚生労働省とやりあうことになりました。

私たち日本国民を守るはずの役所は、
<一度決まったことは、止むをえない状態になるまで固執する保身集団>なのでしょうか?

以下、日野原先生のビジョンをそのままご紹介します。

P.82 国は医師をはじめ医療関係者の人材育成と医療制度の改革に力を注ぎ、

   国民は自分の健康を守る。

   この両輪が、医療の質を上げ国の負担を軽減する、というのが、
  
   私の超高齢化社会、とくに医療費に対する提言です。

   医師養成については聖路加国際病院を母体とする医科大学院大学構想を、
   いま進めています。その前に研究機関を設立します。

   国民がすこやかに生きるための指針は、よい生活習慣。

   私のように人生ぎりぎりまで、せめて80代まで働くことを提案します。










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「与命」 ④

2013-04-03 05:46:11 | 推薦図書


P.60 時間は、習慣、集中、徹底して使うもの。せっかちはいけません。

日野原先生は、「私が決めたお返しするいのちの使いかたとは、

   「自分の時間を他者のために使うということだ」

と、P.60で仰っています。このことを実行する前には、大前提として、
「自分」というものが確立されていることが必要だと、私は思います。

私自身は、リタイアして、やっと自分を見つめる時間ができ、
自力整体で健康を回復して、
初めて「自分のエネルギーを他者のために使いたい」と思うことができました。

本当は、どんなに忙しくても、日々の生活に追われていても、
一日に数分は瞑想や座禅をしたり、自分を見直す作業をするべきだったのでしょう。

通勤電車の中では、英語のテキストを読んだり、
シナリオや楽譜を書いて、それなりの積み重ねをしていましたが、
「他者のために」という視点は無かったと思います。

気づきは遅かったと思いますが、知った以上は、やらねばなりません。
日野原先生は、カナダ人の医学者William Osler博士を<生き方のモデル>として
その教えを守られています。たとえば、

P.61 1.超然の術:どのような状況にあっても、絶えずものごとに集中できるという
          能力を養うこと。

   2.ものごとを系統的に考え、整理する方法を習得すること。

   3.ものごとに徹することの重要性。

   4.医師として最も重要なことは、

     謙遜の徳(the grace of humility)をもつこと

   1、2、3は、時間の使いかたに尽きます。

   4は医師として、と書かれていますが、人間としてもこのとおりで、

   この4つを実践すれば、よく学ぶことができ、充実した人生になります。


そりゃあ……、ご説はごもっとも……だけど、聖人君子じゃないフツーの人は
無理なんじゃないの~~?という声が、そこここから聞こえてきそうです。
実際、私の母も、そう言いました。

それを解決する鍵が、P.65に出ています。

   空を飛ぶ鳥は生まれつきの飛びかたを変えることはありません。

   動物も、這いかた、走りかたを変えることはない。

   人間だけが生きかたを変えることができます。


   それは、いのちに限りがあると知っているから。

   これでいいのか、と思えば、実際に変えてみる。

   行動しなければ変えられません。

その行動の第一歩が、

良い習慣を身につけて、健やかに暮らす」ことだと、私は思っています。

第二歩はP.68に出てくる言葉。

   「小さな円を描いて満足するより、大きな円の一部になりなさい」

   「大きなビジョンに果敢に挑戦せよ。

    たとえ、自分が描いた円が未完成でも、それを引き継ぐひとが必ずあらわれて、

    いつの日か大きな円となる」(英国の詩人・ロバート・ブラウニングの詩集より)


日野原先生のお父様の教えだそうですが、

   人生の設計は、

   ①困難かどうかより、、まず自分の手で大きな計画(Vision)を描くことが大事。

   ②果敢に挑戦する(Venture)ことが必要で、このChallengeがあってこそ、

   ③最後に勝利(Victory)が待っている。

三つのV……、シンプルな言葉ですが、実際には大きく、思い言葉です。
でも、私も!少しでも!と、勇気を与えられる言葉です。
 

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「与命」 ③

2013-04-02 08:14:57 | 推薦図書


P.40 国家予算の見直しは大きな課題ですが、こと医療費に限れば、

   国民の健康度を上げることで相当下げられるでしょう。


   私がいま考えているのは、

   国民の負担が小さくて、医療の内容を上げる方法は、
   医学教育にあるというものです。遠回りのようですが、
   質を上げることで削減する。

   それが、これから5年、10年をかけて実現しようと努めている、
   聖路加国際病院を母体とした医科大学院大学の設立です。


この項には、少し異議があります。
先生のように、大きな立場から長い目で、医療関係者のあり方を変えていくことは
絶対に必要ですから、是非、頑張っていただきたいものです。

が、今、医療によって生活習慣病に<させられて>、薬漬けになりながら
不健康を余儀なくされている高齢者たちは、
すぐにでも<生活を改善>して、普通の健康を保つ智恵を身につけるべきです。

方法はヨガでもラジオ体操でも何でも良いのですが、
「自力整体」のように、
日々、体・食・心の健康を見つめ、実践し、

「チェックしながら鍛える」という作業が全高齢者にとって必須であり急務だと、
私は思うのです。













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「与命」 ②

2013-04-01 06:00:41 | 推薦図書


P.38 人生は渓流からはじまり川を流れ、そうして死の海へと走る。

   川には他人も流れている。自分も流れている。

   一緒に流れていると自分の姿がわからない。


   ときどき”よどみ”に入って、横から眺めたり、岸にあがってみると、

   どんなふうに自分が流れているか、やっとわかります。


   そして、この先どんなふうに流れようかと思いをめぐらせることができます

   いわば、人生の作戦の練り直し。

   人生には、そうした時間や環境が、いくつのときも必要です。



 (中略)人間だけが、いのちに限りがあると知っているから、生き方を変えられる。

   日々の生活の習慣を見直し、人生の作戦を練り直すことを
   
   いくつになっても絶えず行うことができるのです。


   その考えを行動に移すことで、

   いのちに魂が吹き込まれ



   いのちはかけがえのない、あなたという存在になって輝く

   それが、生きがい。




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