三段紅葉は高地で見られものだと、自分は思っていた。しかし、先日の初雪によって、この思い込みを打ち消すかのような景色が市街地に近い低山において広がった。雪が降ったとき、桐生川ダムの堰堤とダム湖を囲む山並みでは、落葉樹の黄葉化が最高点に達しようとしていた。結果として、薄く積もった雪、黄葉、そしてスギやヒノキの緑葉による三段紅葉が現れた。雪が朝日のリフレクター(反射板)として作用したために、黄葉と緑葉の織りなす彩りには透明感があった。
ダム湖では、朝日に照らされた水面から水蒸気が立ちのぼった。この放射冷却で冷えた朝ならでの風物詩が三段紅葉を引き立てていた。
11月25日、桐生川ダム(梅田湖)にて。この日は自宅付近からバスで往復した(JR桐生駅ー梅田ふるさとセンター)。
「桐生川ダムのダムカードから」 堤高 60.5 m、堤頂長 264 m、重力式コンクリートダム、完成年 1982年、利根川水系桐生川、群馬県桐生市梅田町、市街地から車20分、ダムの上流部の桐生川源流林は水源の森百選(林野庁)に選定。