昨年から今年にかけて、柳澤桂子さんの著書を読んでいる。
古い私の日記帳に、2000年2月2日(水)の朝日新聞夕刊「にゅうす らうんじ」の切り抜きが貼ってあった。
語る「柳澤桂子の世界」の題名の記事である。
何箇所か赤のアンダーラインが引いてある。
こんな文章だ。
◆臓器移植でも、脳死の人が生前に意思表示していても、家族がつらい思いをするのだったら使ってはいけない。
◆これからの哲学は生命科学で立証されたことを抜きには成り立っていかない。生命科学は次の世紀、哲学や宗教も含んだ大きな生命科学になっていくんじゃないか。
◆私一人生きるために、たくさんの死がある。私の体が出来るために多くの細胞が死ぬ。生と死のごうごうという流れの中に私が泡のように浮いている。
◆心だとか意識の解明は50年以内に可能だと思います。解明できると、人間観とか、世界観、宇宙観は変わり視野が広くなると思いますね。宇宙の、36億年の中の自分考え方ができるし、宗教を合理的に説明できれば、みな安心して信仰できるようになるんじゃないか。
◆自分を捨てても他の人のために尽くしたい、それが喜びであるって感情が人間の中にある。そういうものが表にでてくれば社会も住み良くなる。
◆私が一番苦しい時も、癒してくれたのは人でした。ただそこにいてくれるだけで救われる。