図書館で、借りてきました。
佐村河内守 著
交響曲第一番
講談社
2007年10月31日 第一刷
佐村河内さんは、1963年に被爆二世として広島に生まれる。
4歳から、母に厳しいピアノレッスンを受ける。
独学で、作曲法を身につける。
35歳の頃、一切の聴覚を失う。
ゲームソフト「影武者」が高く評価される。
重度の精神障害の中、交響曲第一番・HIROSIMAを作曲する。
本書の「あとがき」から、次の文章を拾いました。
人は光の中にいると、小さな光は見つけにくいものです。
だから次から次により強い光をもとめてしまします。
人は闇に堕ちて初めて、小さな光に気づくのでしょう。
私の生は闇に満ちています。
闇は、痛みと悲しみと狂気にあふれた、生きにくい「深淵の地」です。
しかし、闇はその圧倒的な暗さゆえに、小さな光にすら敏感になれる
唯一の地でもあるのです。
私は、その小さな光を見つけられたとき、深い感動と感謝をおぼえずにはいられません。
私は、抜けださない闇の底で、一つの真実の音を得るために九十九を犠牲にしながら、
いまだに地を這いつづける「ぶざまな偏執狂者」なのでしょう。
それでもなお、私は甘んじてこの闇を受け入れようと思います。
私にとって真実の音である「闇の音」は、この闇の底でなくては得られないのですから……。
真実は闇の中にこそ隠されている。
宝物は決して光の中でなく、闇の中にこそ巧みに隠されているように。
帰命尽十方無碍光如来 なむあみだぶつ