「読誦大乗」という言葉があります。
読…文字を見て声を出してよむ。
頌…文字を見ないで声を出して読む。
読誦大乗…大乗経典を読誦すること。
善導大師の『散善義』には、五正行が示されています。
①読誦正行(どくじゅしょうぎょう)…浄土の経典を読誦すること。
②観察正行(かんざつしょうぎょう)…心をしずめて阿弥陀仏とその浄土のすがたを観察すること。
③礼拝正行(らいはいしょうぎょう)…阿弥陀仏を礼拝すること。
④称名正行(しょうみょうしょうぎょう)…阿弥陀仏の名号を称えること。
⑤讃嘆正行(さんだんしょうぎょう)…阿弥陀仏の功徳をほめたたえること。
この頃は、ご家庭でお経を読む習慣が随分衰退してきました。
また、読誦は、僧侶が行うことだと思っている方々も多くななりました。
残念なことです。
できたら、仲間を募って、お経の読誦をしたいナーと思っています。
善導大師の次の言葉を紹介させてもらいます。
『読誦大乗』というは、これ教経はこれを喩うるに鏡のごとし、
しばしば読み、しばしば尋ねるは智慧を開発する。
『観経疎 序分義』
昔、カウンセリングの勉強をはじめた頃、先輩の先生が、カウンセラーのレスポンスを「鏡」に
喩えて教えてくれたことを思い出します。
いつの頃からか、日本人が仏教から離れてしまい、葬式や法事との関連でしか理解しなくなりました。
寂しいことです。
各自の「智慧を開発」することを一歩でも実現するために、読誦大乗の実践をしようではありませんか!