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里村専精師 「浄土真宗にようこそ」 No71

2017年02月17日 23時21分51秒 | 里村専精師の言葉

里村専精師の「浄土真宗にようこそ」No71をお届けします。

親鸞の正信偈に「即証真如法性身」とありますが、珍しい表現です。
これは正統仏教の伝承をふまえた、世親菩薩の言葉から来ています。
ある意味では浄土真宗の教学との間に、すき間のある言葉に思われがちですが…。
一方で世親菩薩が歩まれ、その生存を通して学ばれた厳密な仏道は比類のないものでした。
最初ガンダーラの説一切有部で学んで、
更にカシミールルの経量部で学ばれた経過はどうでしょう。

何か満たされない不信(迷い)と過ち(謬)を乗り越える経過が考えられます。
そして兄の無着(アサンガ)に強く誘われて大乗の人間学を学んで、到達したもの。
それが大乗・瑜伽唯識のサンガの学びでした。
その唯識の学びにおいて、世親菩薩は仏道の迷謬のない学びを語り上げました。
その学びにおいて、「真如法性身」を正しく獲得する大道を明かされています。
親鸞聖人は、そういう世親菩薩の学びをその身に感じておられたと思われます。
唯識の論ではなくても、
「浄土論」に語られる世親菩薩の学びを見つめられた結果なのですから。

「真如法性身」とは、菩薩の獲得する仏道の真理の体得です。
けれども菩薩と言っても、求道の問題をもった人間のことに違いありません。
世親という人自身も、我々と同じ人間なのですから。
真宗で信心仏性といいますが、世親菩薩の学ばれた「真如法性身」を証することと響くものです。
問題は、世親の語られる菩提・涅槃の獲得に一度照らすということが大変大切だということです。
「信心を得る」と言いますが、真宗ではかなり杜撰に流れていないでしょうか。
信心を獲るとは何か、得られた信心はどういう内容をもつかについて、一般には随分あいまいです。
が、真如法性身を得るとは、確実な人間成就が導かれるものの筈です。(続く…)

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