尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

臨時免許状って何だろう?

2011年05月09日 20時35分19秒 |  〃 (教員免許更新制)
 先に書いたように、教員免許更新制導入で27人が免許失効したという記事の中で「うち16人は臨時免許状などで教職を続ける」という箇所がありました。臨時免許状って何だろう? 聞いたことがある人はほとんどいないはずです。

 教育職員免許法を見てみると、「免許状は、普通免許状、特別免許状及び臨時免許状とする。」(第4条)とありました。大学(または大学院、短期大学)で所定の単位を修得して得るのが「普通免許」で、それこそ普通の免許で、今までこれしか知りません。「特別免許状」というのは、都道府県の教育職員検定に合格すると10年間認められる免許だそうです。

 で、臨時免許。こちらは有効期間3年間で、「助教諭」の資格が認められるということです。助教諭?またまた、わからない言葉が出てきたぞ。これを調べると、ウィキペディアに項目がありました。さて、それを見ると、もっと重大な問題が書いてありました。それは「特別非常勤講師」です。
 1988年に教育職員免許法改正があって、免許がなくても都道府県教委に届けることで非常勤講師になれるという制度で、そういえば社会人講師の活用ということで、聞いたことがあったような。

 何だ、免許がなくなっても、いろいろ手があるじゃないですか。しかし、これを聞いたことがある人はいないのではないかと思います。熊本の事例でも、臨時免許などのオファーはなかった模様です。従って、27人失効のうち16人が臨時免許、ということが確かなら、熊本以外で失効した人のほとんどは臨時免許で教壇にたっているのでしょうか?

 ちょっと細かい話になりました。教員免許と言っても、塾や予備校や家庭教師で教えるときには必要ありません。それが医師免許などと一番違う点で、今まで政府はむしろ、免許がなくても教えられる、免許がなくても校長になれる、と「自由化」を進めてきました。安倍政権時代の「教員免許更新制度」の方がいかに異質の発想だったか、よくわかります。

 一体、教員免許更新制度って何のために作ったんだろうと改めて思いました。
 
コメント
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