上野公園にある銅像と言えば、まずは「西郷さん」だが、それでは書く楽しみがない。他にもいろいろある。形の上で一番壮麗なのは、ちょうど公園のど真ん中あたりにある馬に乗った銅像。「あ、西郷さん」などと声を挙げている人がたまにいるが、これは「小松宮彰仁親王」像である。

小松宮という人は、確かにいたとは記憶しているが、一体どんな人物か。近代史に詳しい人でもなかなか思い浮かばないだろう。小松宮彰仁(こまつのみや・あきひと、1846~1903)は、一言で言えば明治期の軍人皇族(元帥)である。傍流の伏見宮家の出で、仁孝天皇(孝明天皇の父)の猶子となり、親王となって仁和寺門跡となった。世が世ならそれでおしまいだが、王政復古のさなかに還俗し、奥州征討総督を務める。以後、佐賀の乱、西南戦争などで重要な役割を果たし、参謀総長などを経て、日清戦争では征清大総督となった。というと、戦前には有名人物かもしれないけど、なんで上野公園に銅像があるの?という感じである。それは小松宮が多くの団体に関わり、特に日本赤十字の総裁だったからである。日赤25周年を記念して佐野常民らの提案で、1912年に建てられた。よく戦時中に供出もされず、また軍人像が占領下に取り壊されず残り続けてきたものだ。

有名な人物銅像という点では今では日本一かなと思う西郷隆盛像。(人物以外も入れると、渋谷駅前ハチ公像が有名度一番だろう。)人物の説明はいらないと思うので、銅像の説明だけ。造られたのは1898年で、高村光雲作。ただし、犬は別で後藤貞行という人で、皇居前広場の楠木正成像に馬を作った人である。信頼性のある写真が一枚もなく、キヨソネの絵をもとに多くの人に意見を聞き、この姿になったとか。小松宮とは敵同士だったわけである。

他にもある。何と野口英世像がある。場所は科学博物館前の林の中。1951年に立った。試験管を持った全身像は野口像としては珍しいという。何でここにあるかは知らない。上の写真の2枚目、3枚目はボードワン像。これは上野公園にある意味がある。「上野公園の父」と言われる人である。オランダ人の軍医で、明治初期に上野に大学を移転という話があった時、公園建設を提言したという。1973年の上野公園100周年に建てられたが、その時の像は駐日領事だった弟の顔だったとか。手違いが後に判り、今は2006年に直された本人の顔。東京文化会館前に元都知事安井誠一郎像もあるが、それより東京国立博物館内にジェンナー像がある。種痘の発明者で、種痘100年を記念して、1896年に建てられたという。何で博物館の敷地内にあるのかは知らない。
ところで、今は「記念碑」的な意味で作られたものを挙げたが、モニュメントという意味では「上野公園最大の像」は別にある。だけど、多分銅製ではないと思う。それは科学博物館前のシロナガスクジラ。これは一度見たら忘れられないし、検索すると「トラウマ」だとか書いてる人も多いようだ。小さい時に一度は見てると思うが、まあ、僕は嫌いじゃない。クジラってすごいなあと素朴に驚きを感じる。写真的には一度に撮れないので苦労する。遠くから全体像を撮ると迫力に欠ける。

もう一つというか、いっぱいだが、国立西洋博物館にロダンやブールデルの彫刻がある。一番有名な上野の銅像は、だからロダンの「考える人」だというのが「ご名答」ということになると思う。西洋美術館は、松方コレクションを展示するために作られたが、今はル・コルビュジェの建築として世界遺産にという動きがあり、旗がいっぱいたなびいている。4枚目の写真は「カレーの市民」。



小松宮という人は、確かにいたとは記憶しているが、一体どんな人物か。近代史に詳しい人でもなかなか思い浮かばないだろう。小松宮彰仁(こまつのみや・あきひと、1846~1903)は、一言で言えば明治期の軍人皇族(元帥)である。傍流の伏見宮家の出で、仁孝天皇(孝明天皇の父)の猶子となり、親王となって仁和寺門跡となった。世が世ならそれでおしまいだが、王政復古のさなかに還俗し、奥州征討総督を務める。以後、佐賀の乱、西南戦争などで重要な役割を果たし、参謀総長などを経て、日清戦争では征清大総督となった。というと、戦前には有名人物かもしれないけど、なんで上野公園に銅像があるの?という感じである。それは小松宮が多くの団体に関わり、特に日本赤十字の総裁だったからである。日赤25周年を記念して佐野常民らの提案で、1912年に建てられた。よく戦時中に供出もされず、また軍人像が占領下に取り壊されず残り続けてきたものだ。



有名な人物銅像という点では今では日本一かなと思う西郷隆盛像。(人物以外も入れると、渋谷駅前ハチ公像が有名度一番だろう。)人物の説明はいらないと思うので、銅像の説明だけ。造られたのは1898年で、高村光雲作。ただし、犬は別で後藤貞行という人で、皇居前広場の楠木正成像に馬を作った人である。信頼性のある写真が一枚もなく、キヨソネの絵をもとに多くの人に意見を聞き、この姿になったとか。小松宮とは敵同士だったわけである。




他にもある。何と野口英世像がある。場所は科学博物館前の林の中。1951年に立った。試験管を持った全身像は野口像としては珍しいという。何でここにあるかは知らない。上の写真の2枚目、3枚目はボードワン像。これは上野公園にある意味がある。「上野公園の父」と言われる人である。オランダ人の軍医で、明治初期に上野に大学を移転という話があった時、公園建設を提言したという。1973年の上野公園100周年に建てられたが、その時の像は駐日領事だった弟の顔だったとか。手違いが後に判り、今は2006年に直された本人の顔。東京文化会館前に元都知事安井誠一郎像もあるが、それより東京国立博物館内にジェンナー像がある。種痘の発明者で、種痘100年を記念して、1896年に建てられたという。何で博物館の敷地内にあるのかは知らない。
ところで、今は「記念碑」的な意味で作られたものを挙げたが、モニュメントという意味では「上野公園最大の像」は別にある。だけど、多分銅製ではないと思う。それは科学博物館前のシロナガスクジラ。これは一度見たら忘れられないし、検索すると「トラウマ」だとか書いてる人も多いようだ。小さい時に一度は見てると思うが、まあ、僕は嫌いじゃない。クジラってすごいなあと素朴に驚きを感じる。写真的には一度に撮れないので苦労する。遠くから全体像を撮ると迫力に欠ける。



もう一つというか、いっぱいだが、国立西洋博物館にロダンやブールデルの彫刻がある。一番有名な上野の銅像は、だからロダンの「考える人」だというのが「ご名答」ということになると思う。西洋美術館は、松方コレクションを展示するために作られたが、今はル・コルビュジェの建築として世界遺産にという動きがあり、旗がいっぱいたなびいている。4枚目の写真は「カレーの市民」。




