尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

磐梯山と安達太良山ー日本の山⑲

2020年07月25日 22時36分26秒 |  〃 (日本の山・日本の温泉)
 2020年いっぱいで終えるために、日本の山シリーズもどんどん書いてしまいたい。今回は福島県にある2つの名峰、磐梯山(ばんだいさん、1818m)と安達太良山(あだたらやま、1728m)。どちらも磐梯朝日国立公園に指定されている。前に書いた出羽三山の月山も同じ国立公園だし、朝日連峰、飯豊(いいで)連峰、吾妻連峰と日本百名山が多く入っている国立公園である。その中でも、磐梯山、安達太良山は東京から近いから、学校行事でも多く利用されている。
(磐梯山と猪苗代湖)
 磐梯山に最初に登ったのは、林間学校の引率だった。教員になった最初の年のことだから、自分で企画したわけでもなく付いていっただけ。磐梯山は登り口がいくつもあるが、一番早く登れるのは八方台登山口(1194m)だろう。磐梯山ゴールドラインの途中にあって、前日に乗ってきた貸し切りバスで来るわけだ。30分ほどで中ノ湯温泉に着く。今はもう営業してないとのことだが、当時から古めかしい宿だった。夏休みに入った直後で、あちこちの学校登山が集中していて、中ノ湯辺りから「渋滞」になってしまった。子どもが多すぎるのである。1時間で弘法清水、30分で山頂だけど、その間ずっと、少し行っては立ち止まりの連続。疲れないで済んだけど。
 (磐梯山テレカ)
 磐梯山は1888年に大噴火を起こして、現在の裏磐梯の景観を作った。桧原湖五色沼などの美しい湖沼地帯はその時の噴火で長瀬川がせき止められて作られた。その時の噴火では477人が亡くなったとされ、近代最悪の火山被害である。さて、最初の登山から10年ちょっと、その時勤務していた高校でも秋の移動教室で磐梯山に行くことになった。今度は担当だったから、事前に登っておきたいと思って夏に夫婦で登りに行った。(事前に下見してるけど、旅館との打ち合わせなどが中心で、まだ山開き前だから実際の登山は出来ない。)
(秋の五色沼)
 朝早く車で家を出たら、10時前に八方台に着いたので驚いた。2時間ほどだから、予定通りのコースタイムで登頂。判りやすいコースだし、特に問題もなかった。展望も良かったので、下の猪苗代湖がよく見えた。山より覚えているのは、その日泊まった裏磐梯猫魔ホテル。福島交通系が開発したバブルっぽいホテルで、案の定その後倒産、一時は星野リゾート系になったが、今は「裏磐梯レイクリゾート」となっている。いい温泉が掛け流しになっていて、潰れてはもったいない。実は僕が一番覚えているのは、ここで食べた中国料理。夕食はホテルに入っている店で食べる仕組みで、香港でも有名というお店を選んだ。かなり高かったけど、人生で一番美味しい中国料理。翌日は五色沼でボートに乗った。秋の本番は、まあ省略します。
(安達太良山)
 安達太良山は、その数年後に登りに行った。二本松市の岳(だけ)温泉に泊まって、翌日に登る。当時は「ゴンドラリフト」と言ったけど、今は「ロープウェイ」がある。いつ変わったのかは判らない。岳温泉からは奥岳までバスも出ているから、ここは一番登りやすい百名山の一つだと思う。登り口はもう1350mなので、山頂までは80分ほどである。気持ちいい尾根筋を気持ちよく登っていった思い出がある。山頂から1時間ぐらい歩くと、「くろがね小屋」という温泉のある山小屋がある。よく紹介されている小屋だが、実はその温泉が岳温泉の源泉なんだという。
(あだたらロープウェイ)(安達太良山テレカ)
 東北道安達太良サービスエリアなどから安達太良山が遠望できる。下に見える川は阿武隈(あぶくま)川である。そうなると、僕らは山を指さしながら、高村光太郎の詩を口ずさむことになる。「あれが阿多多羅山、あの光るのが阿武隈川。」そして、これが「ほんとうの青空」なのかあと感慨を覚える訳である。いや、そんなことは関係ないという人もいるだろうが、二本松と安達太良山は「光太郎・智恵子の愛の神話」を抜きに語れない山だと思う。
(智恵子生家)
 僕も「智恵子生家」などを訪ねたが、山と温泉に加え、史跡が豊富なのも魅力である。磐梯山だと野口英世記念館はよく学校で行くところだ。そして会津若松で鶴ヶ城に寄ったりするが、会津若松や二本松の幕末悲史は今どうとらえるべきだろうか。白虎隊(びゃっこたい)も知らない人が多くなっていると思うし。二度目に赴任した学校では、安達太良山が林間学校の行き先だった。(すぐに異動したので僕は行ってない。)学校でも「林間学校」などが難しくなってきたし、今では磐梯山や安達太良山に学校で行くことも少ないのかな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする