尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

全国で感染増、「新型コロナ」の現状をどう考えるか

2020年07月30日 23時06分50秒 |  〃 (新型コロナウイルス問題)
 7月が終わるというのに、まだ梅雨明けが来ない関東地方だが、新型コロナウイルスの感染者が増加し続けている。30日に発表された東京都の新規感染者は367人を記録した。この状況をどう考えるか、僕にはよく判らない面が多く、今まで書かなかった。東京は恐怖に駆られているかと思う人もいるだろうが、そんなこともない。案外普通に日常が進行している。

 全国に感染者がいるが、福井県の例を見てみる。「沖縄県に滞在していたとみられる男性6人」が感染していると、29日に発表された。その後、「4連休中の7月23日~26日まで沖縄県の石垣島や西裏島を旅行していた」と説明された。「GO TOトラベル」事業を利用した旅行ではないらしいが、このケースには僕はどうにも納得できない点がある。

 それは「発症までの潜伏期間」が従来と違うのである。緊急事態宣言の頃は、毎日のように「今日の感染者数は2週間前の数字」とニュースで解説していた。それが今も正しいのなら、沖縄旅行から「発症」までの時間が短すぎる。感染者の中には無症状の人もいるようだが、誰かの体調が悪化したから検査を受けたはずだ。PCR検査の結果はすぐには出ないので、先週木曜日からの連休で感染した人が一週間後にもう確認されたというのは、いかにも早過ぎる。

 実は感染源は沖縄旅行ではなかったのだろうか。しかし、県の発表が間違っているとも思えない。じゃあ、どういうことだろうか。一つの仮説は「ウイルスの変容」ということだ。沖縄ということで、「米軍由来」も考えられる。しかし、東京や大阪などで感染者数が急増していることを考えると、日本国内でウイルスが変化したという可能性も考えておくべきだろう。ウイルスはどんどん変化するらしいから、より感染力が強く潜伏期間の短いウイルスが現れたのか。
(東京都の感染者数の推移)
 東京都の感染者数は今までの総計で1万2288人になったという。多いように思うかもしれないが、東京都の人口はほぼ1400万人である。離島や山間部も含めてだが、一応都全体で計算すると、全体の0.1%にも届かない。まあ遠からず0.1%にはなってしまいそうだし、実はもっと多いという観測が多い。それにしても、実はものすごく多数が感染していたということはないようだ。公式的には0.1%に満たない感染者数を持って、「99.9%の都民」が「GO TOトラベル」事業から除外されてしまったのである。

 すでに治るか(または死亡)した人が多いわけだから、現時点での感染者は2790人、入院は1106人、そのうち重症者は22人となっている。全国の死者は1020名となり、そのうち東京都の死者数は329人である。(2020.7.30時点での情報)今もアメリカでは一日で1000人、少ない日でも500人ほどの死者が出ている。人口はアメリカの方が3倍ほど多いけれど、明らかに日本では死者が少なかった。武漢しか前例がなかった時点では、東京でも数千人の死者が出る可能性を考える必要があった。もちろん現時点でも急激に悪化して死亡するケースはあるようだが、日本では武漢やニューヨークほどの大きな犠牲がなかったのは間違いない。

 それは何故なのかは完全には解明されていないが、現時点でも同じような傾向は続いている。結局無症状で終わる人も一定数いるようだし、このウイルスをどう理解するべきは僕にはまだ判断が出来ない。死者数は少なくても感染者数も他国より少ないので、計算すると致死率は案外高くなる3%ほどにもなり、これはインフルエンザの致死率より30倍近く高い。しかし、これは恐らく「院内感染」が病院、福祉施設で起こったことによる偏りによるものだ。対策を取らずに市中感染が広がった場合は致死率はもっと下がると考えられる。

 一番感染リスクが高いのは、会食やカラオケなどでの「飛沫感染」だろう。僕の住んでいる近くでもクラスターが発生したが、町ですれ違うだけで感染するというなら別だが、道で話すわけじゃないのだから全然心配していない。もともと感染者が少ないので、僕の知り合いで感染したという人は誰も知らない。東京でも多くの人がそうだろう。そういうことを総合的に判断すれば、「再度の緊急事態宣言を」という人もいるが、現時点でその必要はないように思う。

 ここで再び「ロックダウン」的な措置を取れば、今度は飲食店や観光業界などに与える打撃が大きすぎるだろう。今後もウイルスの変化などがあるだろうから慎重に見極めがいるが、今の時点では「インフルエンザ流行期」並みの対策を取りながらやっていくしかないと思う。つまり、「全国一斉休校」は取らないが、場合によって「学校閉鎖」「学級閉鎖」は行うわけである。職場や家庭でも同じで、具合が悪ければ休暇を取って、外出時にはマスクをする。「いまの東京」を本当に危険だと考えれば、僕も外出しない。自分で対策を取れば、対策を講じている施設に出かけることに大きな危険性があるとは考えていない。警戒を続けながら、考えていきたい。
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