プロ野球ヤクルト・スワローズの青木宣親選手(42)が今シーズン限りで引退すると表明した。日米通算3128本はイチロー、張本、王、野村に次ぐ日本選手第5位である。あっ、そんなに打ってたんだ。現在最年長のプロ野球選手、同じヤクルトの石川雅規投手(44)は来季も現役を続行する意向だという。大体のプロスポーツ選手は長くやっても40代前半ぐらいで「引退」になる。(まあサッカーの三浦知良という人もいるが。)ところで青木、石川両選手の真ん中なのが、自民党総裁選に立候補している小泉進次郎氏(43)だが、政界では「若手」になる。もし総理大臣に就任したら憲政史上最も若い首相である。
自民党総裁選が9月12日に告示され、9人が立候補した。(出馬を模索していた野田聖子、斎藤健、青山繁晴3氏は推薦人が確保出来なかった。)抽選による届け出順で、高市早苗経済安全保障担当大臣(63)、小林鷹之元経済安全保障担当大臣(49)、林芳正官房長官(63)、小泉進次郎元環境相(43)、上川陽子外務大臣(71)、加藤勝信元官房長官(68)、河野太郎デジタル大臣(61)、石破茂元幹事長(67)、茂木敏充幹事長(68)の9人である。
(日本記者クラブの討論会)
今回の総裁選は9人という異例の大量立候補になった。その結果、一回目の投票で当選者は出ず、上位2人の決選投票となる。総裁選は議員票367票と党員票367票の合計734票で争う。常識で考えて、推薦人と本人は投票先が決まってるわけで、20×9+9=189票がもう決定している。これは議員票の約半分である。党員票と言ったって、ある程度はバラけるだろう。議員票の残り半分90を確保し、さらに党員票の半分を獲ったとしても180票。推薦人と合わせて300票にもならないから過半数を獲る人は出ない。小泉氏や石破氏が比較的強いと言われているが、党員票の半分は無理だろう。従って必ず決選投票になるのである。
さて、自民党は今裏金問題をきっかけに支持率が低下している。今秋にも衆院選、来年7月には参院選があるということで「猫の手も借りたい」気持ちだろう。とにかく「選挙の顔」になる清新で人気のある新総裁を求めている。となると何と言っても小泉進次郎か。実は小泉氏が出馬会見を行ったのが川村記念美術館に行った日なので、ラジオで会見を聞いていた。なかなか威勢が良かったし、「選択的夫婦別姓」「解雇法制」「憲法改正」など「決着」を付けると意気込んでいた。
(決着を掲げる小泉進次郎氏)
小泉氏の「決着」はその内容の評価はともかく、そういう論点を設定したことで総裁選の論戦を促した役割はあっただろう。そこでやっぱり「小泉が有力か」と言われるわけだが、小泉進次郎にウィークポイントはあるだろうか。必ず決選投票になる以上、小泉氏以外の人が皆反対候補に入れれば敗れることになる。今の予測では上位に入ってきそうな候補は、小泉、石破、高市に加えて、小林、上川あたりまでじゃないかと予想されている。残りの林、加藤、河野、茂木には上位2人に入る可能性はない。
上位に入ってきそうな石破氏や高市氏も党内では反発が多い方の政治家である。そうなるともう片方が小泉氏だと、多くの人は小泉氏に入れそうな気もする。だけど僕が予測するに、必ずしもそうは言えないんじゃないか。今回小泉氏が新総裁となり、目論み通り衆院選、参院選で自民党が勝つとする。次回の参院選は2028年、衆院議員の任期は2028年まで。次の自民党総裁選は2027年である。よほど大きな失政があれば別だが、支持率が高いままなら小泉再選は堅い。党則上3期9年は出来るとして、そこまでは誰にも予測不能だが、一応今回小泉政権が誕生すると6年間は続くと見た方が良い。
そうなると、先の候補一覧に年齢を入れておいたが、自ら「最後の戦い」という石破氏だけでなく、上川、茂木、加藤氏などに加え、高市、林氏なども次は厳しい。年齢的に次々回総裁選も出られそうなのは、小林鷹之氏ぐらいではないか。今回これほど多数が立候補した理由には「派閥」の問題もあるが、一番大きいのは「自分が出られるのはこれが最後かも」という思いではないか。総理になれなくても、総裁選に立候補すれば「総理を目指した政治家」の証を歴史に刻むことが出来る。自分だって当選が難しいぐらいは理解してるだろうが、やはり「一度は総理を目指してみたい」のである。
そのことを考えると、「大幅な若返りを避けたい」という公には言えない理由で、「石破でも良い」「高市でも良い」という人が出て来ないとは言えない。いや、むしろ「イケメン、弁舌爽やか、美人妻」に対するジェラシーは根深いと想定しておく方が良い。そんなバカな、いやしくも国会議員たるもの、国益、党益を最優先に判断するなどと思うわけにはいかない。みな終局的には「自分優先」であって、だから裏金問題なども起きている。もちろん、公的には「小泉氏は国政の最高責任者を担うには経験が不足している」として、「国益のために判断した」という言うだろうが、内心は自分より圧倒的に若い小泉には入れたくない。
僕はそんなことも考えてしまう。高齢男性のジェラシーは怖いのである。それを避けるには、党員投票で圧勝する必要がある。2012年総裁選では党員投票トップの石破氏を、決選投票で安倍氏が破ったわけである。これは今度は出来ないと思う。大きな批判にさらされている自民党は、党員投票で誰かが大差で1位となった場合、2位候補には「辞退圧力」が掛かるだろう。しかし、党員投票でどれほど獲れるだろう。党員も国会議員の要請でなっている人が多いだろうし、その地方出身議員が出ていればその人に入れるだろう。何でも小泉氏が銀座で演説し5千人が集まったとか。やはり「人気」はあるので、選挙のことを考えれば小泉かと思いつつ、何とか小泉に入れなくて済む「失言」を待っているという自民議員も多いと思う。
自民党総裁選が9月12日に告示され、9人が立候補した。(出馬を模索していた野田聖子、斎藤健、青山繁晴3氏は推薦人が確保出来なかった。)抽選による届け出順で、高市早苗経済安全保障担当大臣(63)、小林鷹之元経済安全保障担当大臣(49)、林芳正官房長官(63)、小泉進次郎元環境相(43)、上川陽子外務大臣(71)、加藤勝信元官房長官(68)、河野太郎デジタル大臣(61)、石破茂元幹事長(67)、茂木敏充幹事長(68)の9人である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/11/53/b341aadc84d4b193a3994e04c8f40a91_s.jpg)
今回の総裁選は9人という異例の大量立候補になった。その結果、一回目の投票で当選者は出ず、上位2人の決選投票となる。総裁選は議員票367票と党員票367票の合計734票で争う。常識で考えて、推薦人と本人は投票先が決まってるわけで、20×9+9=189票がもう決定している。これは議員票の約半分である。党員票と言ったって、ある程度はバラけるだろう。議員票の残り半分90を確保し、さらに党員票の半分を獲ったとしても180票。推薦人と合わせて300票にもならないから過半数を獲る人は出ない。小泉氏や石破氏が比較的強いと言われているが、党員票の半分は無理だろう。従って必ず決選投票になるのである。
さて、自民党は今裏金問題をきっかけに支持率が低下している。今秋にも衆院選、来年7月には参院選があるということで「猫の手も借りたい」気持ちだろう。とにかく「選挙の顔」になる清新で人気のある新総裁を求めている。となると何と言っても小泉進次郎か。実は小泉氏が出馬会見を行ったのが川村記念美術館に行った日なので、ラジオで会見を聞いていた。なかなか威勢が良かったし、「選択的夫婦別姓」「解雇法制」「憲法改正」など「決着」を付けると意気込んでいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/7d/1d/d0a28cb0d93f255427b73e895c3e3ccd_s.jpg)
小泉氏の「決着」はその内容の評価はともかく、そういう論点を設定したことで総裁選の論戦を促した役割はあっただろう。そこでやっぱり「小泉が有力か」と言われるわけだが、小泉進次郎にウィークポイントはあるだろうか。必ず決選投票になる以上、小泉氏以外の人が皆反対候補に入れれば敗れることになる。今の予測では上位に入ってきそうな候補は、小泉、石破、高市に加えて、小林、上川あたりまでじゃないかと予想されている。残りの林、加藤、河野、茂木には上位2人に入る可能性はない。
上位に入ってきそうな石破氏や高市氏も党内では反発が多い方の政治家である。そうなるともう片方が小泉氏だと、多くの人は小泉氏に入れそうな気もする。だけど僕が予測するに、必ずしもそうは言えないんじゃないか。今回小泉氏が新総裁となり、目論み通り衆院選、参院選で自民党が勝つとする。次回の参院選は2028年、衆院議員の任期は2028年まで。次の自民党総裁選は2027年である。よほど大きな失政があれば別だが、支持率が高いままなら小泉再選は堅い。党則上3期9年は出来るとして、そこまでは誰にも予測不能だが、一応今回小泉政権が誕生すると6年間は続くと見た方が良い。
そうなると、先の候補一覧に年齢を入れておいたが、自ら「最後の戦い」という石破氏だけでなく、上川、茂木、加藤氏などに加え、高市、林氏なども次は厳しい。年齢的に次々回総裁選も出られそうなのは、小林鷹之氏ぐらいではないか。今回これほど多数が立候補した理由には「派閥」の問題もあるが、一番大きいのは「自分が出られるのはこれが最後かも」という思いではないか。総理になれなくても、総裁選に立候補すれば「総理を目指した政治家」の証を歴史に刻むことが出来る。自分だって当選が難しいぐらいは理解してるだろうが、やはり「一度は総理を目指してみたい」のである。
そのことを考えると、「大幅な若返りを避けたい」という公には言えない理由で、「石破でも良い」「高市でも良い」という人が出て来ないとは言えない。いや、むしろ「イケメン、弁舌爽やか、美人妻」に対するジェラシーは根深いと想定しておく方が良い。そんなバカな、いやしくも国会議員たるもの、国益、党益を最優先に判断するなどと思うわけにはいかない。みな終局的には「自分優先」であって、だから裏金問題なども起きている。もちろん、公的には「小泉氏は国政の最高責任者を担うには経験が不足している」として、「国益のために判断した」という言うだろうが、内心は自分より圧倒的に若い小泉には入れたくない。
僕はそんなことも考えてしまう。高齢男性のジェラシーは怖いのである。それを避けるには、党員投票で圧勝する必要がある。2012年総裁選では党員投票トップの石破氏を、決選投票で安倍氏が破ったわけである。これは今度は出来ないと思う。大きな批判にさらされている自民党は、党員投票で誰かが大差で1位となった場合、2位候補には「辞退圧力」が掛かるだろう。しかし、党員投票でどれほど獲れるだろう。党員も国会議員の要請でなっている人が多いだろうし、その地方出身議員が出ていればその人に入れるだろう。何でも小泉氏が銀座で演説し5千人が集まったとか。やはり「人気」はあるので、選挙のことを考えれば小泉かと思いつつ、何とか小泉に入れなくて済む「失言」を待っているという自民議員も多いと思う。