2011年11月11日。東日本大震災が起こってから8か月。いつか書こうと思い、なかなか機会がないままになっていたことを書きます。
僕はこの間、教員免許更新制に反対する意見を書き続けてきました。それは、講習を受けないと免許失効、失職と言う仕組みが納得できないからです。それを言う以上、「自分はそれなりにちゃんと勉強してきた」と思っています。ただし、すべての分野を一人で目配りできるものではないから、講習とか研修は当然あるべきだと思っています。ただ、自分の教科の専門分野は自分で勉強し続けなくてはいけない。それは「教員の義務」です。
自分の専門の日本史も分化が進み、近現代史以外では新書を読むぐらいになってしまうのですが、一応その程度は続けてきました。(というか、授業とか専門とかの問題ではなく、要するに純粋に自分の興味関心で読んでるわけですが。)で、岩波新書で現在「シリーズ 日本古代史」が刊行中です。6月に川尻秋生著「平安京遷都」が出てから、最後の一冊が出ませんね。この本を秋になって読んだのですが、過去の地震について驚くべき知識を得ました。多分まだ知らない人が多いと思うので、ここに書いておきます。
今回の東北の大地震、1000年に一回と言われます。過去にも巨大津波が襲った地震があった、それは貞観地震だということでした。869年のことです。だから1142年前になります。マグニチュード8.3~8.6。この時は、地震で宮城県の多賀城が崩壊しました。また今回なみの巨大津波が襲ったということですよね。この「じょうがん」という読み方の元号もほとんど知らなかったです。貞観は859年から877年まで、清和天皇、陽成天皇の時代。清和天皇は日本初の幼帝で、藤原氏の摂関政治の初期になります。866年には「応天門の変」が起こっています。で、問題はこの後、連動して他の地震は起こったかです。
その時代は巨大な災害がいっぱい起こっていました。例えば、5年前の864年に富士山の大噴火が起こり、青木ヶ原樹海が誕生しています。そして、貞観地震から9年後の878年に、関東地方に大きな地震が発生しています。マグニチュード7.4.京都でも揺れたと言います。これは地震学者の中には、貞観地震に誘発されたものという説もあるということです。
そして、887年、貞観地震から18年後、仁和地震が起こりました。「にんな」です。仁和寺ができた時代です。「東海・南海同時発生、五畿七道が被災、大阪湾に巨大津波、八ヶ岳崩壊など」とされます。東海、南海地震が連動して同時発生したらしいのです。マグニチュード8~8.5。これこそ、まさに今一番心配な地震です。
つまり、この1100年以上前に起こった過去の出来事を見ると、東北の巨大地震が起こってから20年以内に、関東の大地震と西日本の巨大地震が起こったわけです。これは、地質年代から見れば、「もうすぐ」です。定期点検中の原発でも危なく成りかかったんだから、浜岡原発はいますぐ廃炉(20年では廃炉まで行かない)、伊方や川内なども停止が必要。学校等の耐震化、津波対策など今回の津波の規模を考え、全く新たな目で緊急に対策を講じる必要があります。もちろんオリンピックなんてありえない。仮に東京に決まっても返上になる可能性が高い。最後にもう一回書くと、千年前は20年なかった。今回はもっと遅いかもしれない。早いかもしれません。どっちにせよ地球の長い歴史の中では、連動して近い時間で起こっている。これ、知ってましたか?これこそ、今、まさに全国民が知っておくべきことだと思います。
僕はこの間、教員免許更新制に反対する意見を書き続けてきました。それは、講習を受けないと免許失効、失職と言う仕組みが納得できないからです。それを言う以上、「自分はそれなりにちゃんと勉強してきた」と思っています。ただし、すべての分野を一人で目配りできるものではないから、講習とか研修は当然あるべきだと思っています。ただ、自分の教科の専門分野は自分で勉強し続けなくてはいけない。それは「教員の義務」です。
自分の専門の日本史も分化が進み、近現代史以外では新書を読むぐらいになってしまうのですが、一応その程度は続けてきました。(というか、授業とか専門とかの問題ではなく、要するに純粋に自分の興味関心で読んでるわけですが。)で、岩波新書で現在「シリーズ 日本古代史」が刊行中です。6月に川尻秋生著「平安京遷都」が出てから、最後の一冊が出ませんね。この本を秋になって読んだのですが、過去の地震について驚くべき知識を得ました。多分まだ知らない人が多いと思うので、ここに書いておきます。
今回の東北の大地震、1000年に一回と言われます。過去にも巨大津波が襲った地震があった、それは貞観地震だということでした。869年のことです。だから1142年前になります。マグニチュード8.3~8.6。この時は、地震で宮城県の多賀城が崩壊しました。また今回なみの巨大津波が襲ったということですよね。この「じょうがん」という読み方の元号もほとんど知らなかったです。貞観は859年から877年まで、清和天皇、陽成天皇の時代。清和天皇は日本初の幼帝で、藤原氏の摂関政治の初期になります。866年には「応天門の変」が起こっています。で、問題はこの後、連動して他の地震は起こったかです。
その時代は巨大な災害がいっぱい起こっていました。例えば、5年前の864年に富士山の大噴火が起こり、青木ヶ原樹海が誕生しています。そして、貞観地震から9年後の878年に、関東地方に大きな地震が発生しています。マグニチュード7.4.京都でも揺れたと言います。これは地震学者の中には、貞観地震に誘発されたものという説もあるということです。
そして、887年、貞観地震から18年後、仁和地震が起こりました。「にんな」です。仁和寺ができた時代です。「東海・南海同時発生、五畿七道が被災、大阪湾に巨大津波、八ヶ岳崩壊など」とされます。東海、南海地震が連動して同時発生したらしいのです。マグニチュード8~8.5。これこそ、まさに今一番心配な地震です。
つまり、この1100年以上前に起こった過去の出来事を見ると、東北の巨大地震が起こってから20年以内に、関東の大地震と西日本の巨大地震が起こったわけです。これは、地質年代から見れば、「もうすぐ」です。定期点検中の原発でも危なく成りかかったんだから、浜岡原発はいますぐ廃炉(20年では廃炉まで行かない)、伊方や川内なども停止が必要。学校等の耐震化、津波対策など今回の津波の規模を考え、全く新たな目で緊急に対策を講じる必要があります。もちろんオリンピックなんてありえない。仮に東京に決まっても返上になる可能性が高い。最後にもう一回書くと、千年前は20年なかった。今回はもっと遅いかもしれない。早いかもしれません。どっちにせよ地球の長い歴史の中では、連動して近い時間で起こっている。これ、知ってましたか?これこそ、今、まさに全国民が知っておくべきことだと思います。
問題は、何年前かにあるのではなく、引き続いて「東海、中南海、南海」地震が連動して起きるかどうかなのです。今回も個別に起きればまだ小さかったのが、プレート地震が連動しました。少なくとも貞観地震の時は、18年後の仁和地震がプレート地震連動型で起きたらしい。
だから、今回も数十年の間に、連動したプレート地震が起こりうるものと考えて、対策を進めて行かなくてはならないと考えます。関東から西の地域です。(もちろん、その他の地域で危ない断層地震が発生して被害が起きることもありえます。)
1000年前の地震は文字史料で確認できるけれども(「日本三代実録」です)、2000年前は原始時代だから、文字での確認ができません。僕は歴史が専攻だから、地震のメカニズムは研究できないけど、1000年前の史料に残っていることを知ったので、これは多くの人々が知っておくべきことだと思ったわけです。