尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

冬の四万温泉で一泊

2018年12月12日 23時08分02秒 |  〃 (温泉)
 群馬県の四万(しま)温泉は昔から大好きで、最近もよく行っている。年末を前にシーズンオフに一泊旅行。個人的事情で旅行もなかなか行けないけれど、温泉でノンビリする時間は大事だ。最近の関東は急に寒くなったが、毎日ずっと晴れていた。それなのに旅行に行く日だけが、雨の予定。なんとも間が悪いけれど仕方ない。だから一日目はどこも行く予定はなかったが、実際は昼間はずっと晴れていた。そこで今まで行ってなかった「富沢家住宅」に行こうかと思った。
   
 国指定の重要文化財で、江戸時代後期に建てられた萱葺き入母屋作りの養蚕農家である。地図を見ると、四万温泉や中之条町中心部からけっこう遠いので、そう言うところがあるのは知ってたけど行ったことはなかった。実際に行ってみたら、とにかく山の中。行けども行けども、ホントにこの道でいいの?という疑問が駆けめぐる。やっと案内が出てきても、そこからさらに山の中に入って行くので心配になるけど、どんどん行くとそこに写真にある大きな農家が現れた。
  
 見学は無料で、誰もいないから外見のみかと思ったら戸を開けて中を見られた。養蚕農家によくある2階建てだが2階は見られない。正面に屋根を高く切り上げた「平カブト造」というらしい。この地域は今では山の中という感じだが、中世以来越後・信濃への交通の要衝だった。富沢家は江戸時代初期に新田を開き、養蚕の他運送業なども手掛けて栄えたという。行くのは大変だったが、行ってみるだけの価値はある素晴らしい古民家だった。
   
 泊ったのは四万グランドホテルで、同系列の「四万たむら」の風呂にも入れる。普段は有料だけど、オフシーズンだからか無料で入れるという。グランドホテルは有名な積善館の近くで、上記最初の写真の橋向こうが積善館の「元禄風呂」。そこから坂を登って行って突き当りが「たむら」。昔泊ってるけど、もうすっかり忘れてる。「森のこだま」という半露天の素晴らしい風呂に入った。宿の風呂もそうだけど、四万温泉の肌に優しい泉質になごむ。4万の病気に効くというぐらい。
   
 群馬県では夜にが降った。露天風呂で雪見できた。予報を見ると朝には上がって、明日は晴れそうだから雪で交通混乱はなさそうだ。朝になって部屋から外を見ると、最初の写真のような感じ。少しノンビリして、路面凍結が溶けそうな時間の出発。それでも車の屋根に10センチぐらい積もってた。今回は予定外で、「中之条町歴史と民俗の博物館」に寄る。宿で見たチラシに「コンウォール・リー」の企画展をしているとあったので。小学校の校舎を利用した博物館で、瀟洒な作りの建物が魅力的。前にも行ってるけど、展示が充実している。

 コンウォール・リー(1857~1941)と言われても知る人は少ないだろう。草津温泉に聖バルナバ教会を設立してハンセン病救済に力を尽くした女性である。若いころから伝道の志があったが、イギリスで母の世話をしていた。50歳になって母の没後に来日したのである。草津温泉は当時ハンセン病に効くとされ、多くの患者が集住していた。その「湯之沢」に教会を建てて奉仕活動を行った。国の隔離政策により草津にも栗生楽泉園が開かれ、湯之沢集落は取り壊された。またリーは絵画の才に恵まれ、イギリスやイタリア、日本各地の絵もたくさん展示されていた。
  
 帰る途中の国道沿い、今は渋川市になったあたりに「岩井洞」がある。昔は大きなドライブインが道の反対側にあった。ここは何だろうと思いつつ、一度も見たことがなかった。もう何十年も前から何度も通っているのだが。今回停まってみれば、そんなに大きくない観音堂。まあ文化財としては「市指定」程度の史跡で、検索してもドライブイン、今は酒饅頭の店が出ているが、そればっかり出てくる。裏の洞窟に地蔵がたくさん安置されていて、これは見ないと判らなかった。今回も一日目は前橋の「そばひろ」、二日目は水沢うどんの麺づくしの昼食。
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