尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

もう一度行きたい日本の宿

2018年01月04日 20時41分43秒 |  〃 (温泉)
 映画編に続いて、もう一度行きたい日本の宿。といっても、外国旅行はほとんどしてないので、日本編だけ。外国旅行は教育委員会に一月前に届け出て許可を得るのが面倒くさかった。それに日本史教員なのに、日本でも行ってないところがいっぱいあるから、国内旅行でいいやと思ってしまう。ヒマとお金が許すなら、国内外を問わずあちこちずっと彷徨っていたい方だけど、なかなかねえ。

 もう一度行ってみたい場所という取り上げ方もあるんだけど、旅館やホテルにしぼった方が書きやすい。僕が行ってみたいのは、まずは四万温泉積善館。ここは高い部屋もあるが、湯治で利用できる安い「本館」も残っている。だから行く気になればすぐ行けるんだけど、四万温泉はお湯が素晴らしいから、他の宿も泊ってみたいと思って他へ行ってるわけ。積善館は料理もおいしく、全体の雰囲気もとてもいいけど、なんといっても元禄風呂が素晴らしい。積善館には他にもいっぱい風呂があるが、ここが一番いい。全国的にもベストレベルのお風呂だと思う。
 (積善館の元禄風呂)
 次が赤倉観光ホテル。かけ流し温泉のあるクラシックホテルである。由緒あるホテルが大好きだが、温泉があるのは箱根の富士屋ホテルや日光の中禅寺金谷ホテル、九州の雲仙観光ホテルなど。明治からあるホテルもあるが、1930年代の国際観光振興策として作られたのが、赤倉、雲仙、中禅寺の他、蒲郡クラシックホテルや琵琶湖ホテルなどだ。赤倉観光ホテルは温泉街から少し離れた山腹に瀟洒な建物が立っている。一度行ってあまりに素晴らしくてもう一回行った。改装され、前以上に高くなってしまったけど、是非もう一度行ってみたい宿。料理もおいしく、またフルーツケーキが絶品。これだけでも食べに行く価値がある。個々の温泉も素晴らしい。ぜいたくな旅を味わえるホテル。
 (赤倉観光ホテル)
 秘湯系ではいくつもあるから選びにくい。もう一度行ってみたいという観点からは、長野県の中房温泉。ここも2度行ってるけど、まだまだ何度も行きたいところ。車がないと行きにくい。安曇野から延々と登って行って、突き当りにある。北アルプスの燕(つばくろ)岳の登山口にあるが、登山客以外の人の方が多い。暑い夏でも、ここまで来て素晴らしい泉質の風呂で汗を流した後で、冷水で冷やされた胡瓜が置いてあるのを味噌つけて頂く。至福だなあ。裏山では卵などを埋めれば茹で卵を作れる。夜になれば、晴れていれば星空がすごい。驚くような星空が見られる。
 (中房温泉)
 関東周辺で泉質がいいところはいくらもあるが、僕が何度も行った東北や北海道ではどこになるだろう。北海道では支笏湖畔の丸駒温泉や道南の銀婚湯温泉。場所であげれば、利尻島礼文島の美しさは筆舌に尽くしがたいけど、宿という意味ではなあ。東北では有名な鶴の湯や、宮城蔵王の峩々温泉、藤沢周平ゆかりの宿である山形県湯田川温泉の九兵衛旅館、もう無数に思い出すんだけど、ここでは八甲田の蔦温泉を挙げておく。ここは登山や秘湯めぐりの初期に行ったので、もう30年以上行ってない。ドライブで通り過ぎたことはあるけど。八甲田周辺は酸ヶ湯など名湯が多いが、蔦温泉の風呂は下からブクブク湧いている素晴らしさ。周辺のブナ林も素晴らしい。沼めぐりのハイキングも楽しい。檀一雄「火宅の人」で火宅状態になっちゃった因縁の宿でもある。
 (蔦温泉の風呂)
 西日本の方でもいくつか。車では遠くなるので、あまり行ってないし、行くときはつい普通の旅館に泊まることも多い。九州では大分や佐賀、長崎を知らないのは痛い。四国では徳島の祖谷(いや)温泉。中国地方もあまり知らない。となると、南紀で選ぶことになる。ここなら何度か行ってる。熊野本宮に近い湯の峰温泉あづまや。龍神温泉もいいけど、お湯が共同管理。あづまやは泉質も客対応も素晴らしい。実は10年ぐらい前に行ったときは、台風にあたってしまった。前日に奈良の上湯温泉神湯荘に泊った夜は怖いぐらいだった。翌日は新宮へ行く国道が熊野川の氾濫で通行不可。湯の峰泊にしていて良かった。でも名物の壷湯が川水に浸かっていた。是非もう一回湯の峰温泉に行ってあづまやをゆっくり味わいたい。世界遺産の熊野古道もちゃんと歩いてみたい。
 (湯の峰温泉あづまや)
 さて、他に「泊りたくても廃業してしまった宿」というものもある。いくつか挙げてみると、鹿児島の桜島にあった「古里観光ホテル」。龍神露天風呂という素晴らしいお風呂があったんだけど、残念ながら営業終了。温泉じゃないけど、彦根城の敷地内にある庭園、楽々園で泊ったことがある。昔風の行火(あんか)が出てきてビックリした。料理も素晴らしかった。何しろ歴史的な所縁がある場所というのが素晴らしい思い出。秘湯系の宿もどんどんなくなっているけれど、群馬県湯の小屋温泉、葉留日野山荘はお湯も良かったけど、布川事件の桜井昌司さんのブログによく出てきた。「9条守れ」の署名用紙が置いてあった宿。秘湯を守る会に入ってたが、いつの間にか止めてしまった。

 北海道の養老牛温泉藤や旅館ももうない。ここは友人の平野夫妻と北海道ドライブをしたときに一緒に泊ったところ。山田洋次監督の「遥かなる山の呼び声」などのロケ地に近く、山田組がよく使っていた。だから倍賞千恵子さんもよく来たところで、僕が泊まった日も倍賞千恵子夫妻の名前が書いてあった。(見てないけど。)その旅行で泊った幌加温泉も今は宿泊不可。ここはワイルドさでは一番かもしれない。すごいと言えば、鳴子温泉近くの「元蛇の湯」はすごい宿だった。普通の宿だと思って泊ったら、女将が整体にこっている宿で、体のリズムから夕食は5時がいいと言って、自然食っぽい料理が5時に出てきた。普通は早くても6時かと思ってたから、お風呂でゆっくりできない。朝は女将の声で6時に起こされ、太極拳をやるという宿。でもお湯はいいし、僕の趣向に会わないわけではない。どうなったかと、その後近くを通った時にわざわざ寄ったら、一般営業はやめてどこかの福祉施設になっていたから宿泊はできない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もう一度見たい映画・外国編 | トップ | 「冒涜」の映画作家、ルイス... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

 〃 (温泉)」カテゴリの最新記事