今日は、ぽかぽかで、いいお天気です。
午前中の仕事と用事を済ませ、鉢植えをのぞきこんだり、
水遣りをしていたら、急に、この本のことを思い出しました。
『みちくさ劇場』
荒井良二 作
12のおはなしが、絵とともに、見開き4ページで語られています。
出てくるのは、小犬やねこやお花やカラスやことりやリスやぼうし(?)です。
みんなのんびりしたかたたちばかり。
たとえば、ねこのポチは、配達中なのに自転車を道端に停めて、
藪の中をじーっと見ています。
小さな花をつけた草に、「なにをしているのですか」と聞かれ、
「宇宙をみているような気になってくるんですよ」とこたえます。
小さな やぶの中の
とおくの とおくの むこうから、
こちらを のぞいている だれかが
いるみたいな 気がします。
「はいけい とおい だれかさん」
たとえば、バスの運転手をしている、花のミミちゃんは、
お客さんが誰も乗っていないし、のども渇いたので、ちょっとひとやすみ。
水を飲んでいたら、アリがけんかをしています。
どちらのアリの言い分も、ミミちゃんは同じように聞いてあげます。
「ふんふん、なるほど」
ミミちゃんは そういって、きいているだけです。
アリも はなしつかれたので、
むこうへ いきました。
しばらくして ミミちゃんは、また、
「ふんふん、なるほど」
と いってから、バスを はしらせます。
のんびり 花の おはなしです。
はじめの方に載っている2つのお話を、すこし紹介しましたが、
あとの10篇も、こんな感じです。
どの話にも、空が(紙面のわりには)広く描かれていて、
雲が動いたり、風が流れているのがよくわかります。
『森の絵本』や『バスにのって』の、荒井良二さんの絵が好きな方
だったら、きっとこの本も、好きになると思います。
縦19cmの、小振りなサイズも、話の内容とぴったりです。
今日みたいな日は、帽子をかぶって、
この本と簡単な飲み物を持って、
「あー散歩にいかれたらなあ」