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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

誇り高きは‥

2008-06-12 17:30:38 | 好きな絵本
今度の日曜日は父の日ですねー。

それを意識したわけではないのですが、
久しぶりに「好きな絵本」カテゴリーに登場したのは、
誇り高き、おとうさんねずみの話です。



『ねずみのとうさんアナトール』
イブ・タイタス 文 ポール・ガルドン 絵
晴海耕平 役


表紙の「アナトール」の文字が、トリコロールカラーに
なっていることからもわかるとおり、アナトールは、パリの
ちかくの ちいさなねずみ村に、愛する妻のドーセットと、
6にんの かわいい子どもたちと いっしょに くらしていました。

さすが、自転車競技がさかんな国です。
ねずみだって、かっこいい自転車に乗っていますね。

夕方、街に灯りがともること、ねずみのおとうさんたちは、
自転車に乗って、ねずみたちだけが知っているひみつの通路を
とおって、人間の家にはいりこみます。
家族のための食糧調達=しごとです。

ある晩、アナトールは、自分たちのしている「しごと」は
人間たちには、ひどく嫌悪され、「ねずみは、生まれつき
悪なんだ!」 とののしられたことにひどくショックを受けます。
相棒のガストンは、それも家族のためだからしかたがないと
割り切りますが、アナトールはすっかり気落ちしてしまいます。

「けいべつされ きらわれてると思うと たえられない。
ぼくの自尊心は どうなるの? ぼくのほこりは?ぼくのめいよは?」



人間になにかお返しができればね、と言った妻のひとことから
アナトールは、この後、すばらしいことを思いつき、
早速実行に移すことにしました。

自分の能力を最大限に生かし、それによって報酬をもらい、
愛する家族から、尊敬される‥ねずみじゃなく、人間の世界だって
これほど幸せなことって、そう他にはないはずです。
しかも、アナトールは、自分の「しごと」が認められると、ともだちの
ガストンに、仕事をてつだってもらえないかと、頼みにいきます。
ほんとに、アナトールって、どこまでいいやつなんでしょう。

それもこれも、自分の気持ちに正直だった故のこと。
自分の心の中の基準を、ぐらぐらさせないことが大事なのだと
アナトールに教えてもらった気がします。



それにしても、ナルニア国に居るリーピチープといい、
ネズミは誇り高き、生き物なのですね。
そして、ネズミといえば、むかしから大好物はチーズと決まって
ますが、ほんとうにチーズに関してはプロフェショナルなのでしょうか?
(デュバル・チーズ工場の職人たちよりも‥)



コメント (2)
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