ベーメルマンスの絵なので、「絵本」のカテゴリーに入れようかと
迷いましたが、142ページもあるので、「本」の方にしました。
図書館の検索で知ったので、借りるまでは、新しい絵本が江國さんの訳で
また出たのだと思ってもいたのです。ルドウィッヒ・ベーメルマンス 作
江國香織 訳
お話は、9つの章からできていて、表紙に描かれている紳士が
コジシャルさん。その隣の双子のように見える姉妹が、コジシャルさんの
お嬢さん方で、セレステとメリサンド。手をあげている男の子がヤンです。
コジシャルさんと女の子はロンドンから、ブルージュへの旅行中。
一行が泊まっているホテルが「バスケットホテル」で、ヤンは、その家の
息子です(そう、ヤンのご両親はホテルを経営しているのです)
ステキな設定ですよね?
なぜ、ホテルの名前が「バスケットホテル」なのかというと‥
屋根の上に、金細工のバスケットがついた建物 だからなんです。
最初の章の「ゴールデン・バスケットホテル」は、夜中に馬車が着き、
翌朝の5時に目を覚ましてしまったセレステとメリサンドが、ホテルの窓から見た
ブルージュの夜明けの様子が描かれています。
この窓から、女の子たちはいま、新しい世界を何もかもー新しい言葉、
新しいおまわりさん、お菓子屋さん、街灯ー生まれてはじめて見ているのです。
馬や犬や雲さえも、これまでとちがうものに見えました。
スズメとハトだけは、どこで見てもおなじに見えましたけど。
そして、最終章で波止場から船に乗るまでの、旅行中の楽しい話が続きます。
9つの章には、だいたいどれも長いタイトルがついていて、読み終わった後に
それを見かえすと、なるほど~と思います。
なので、私も、真似をして、本全体にタイトルをつけるとしたら‥と考えてみました。
運河と石畳の街ブルージュ、マドレーヌにも
勝るお嬢さんがた、そしてムッシュ・カルヌヴァルの
ものがたりでもある、物語
どなたか、この本を読んだ後、私のタイトルを見て、なるほど~と
思ってくださるでしょうか(笑)。
そうそう、「マドレーヌ」と書きましたが、あのマドレーヌが出てくるところが
あるんです。引率の先生は残念ながら、ミス・クラベルではありませんでしたが。
(本の裏表紙にもマドレーヌ、載ってます)
ゴールデン・バスケットホテル 古き良き1925年頃のヨーロッパ
ベーメルマンスの絵本もよいけれど、なんかこの本、欲しいです。