『雪と珊瑚と』が面白かったので、梨木さんの作品が
もっと読みたくなって、図書館の文庫の棚にあったものから
1冊選んできました。
タイトルは知っていたのですが、
未読だと確信してました。(文庫になって表紙が変わったから‥?)
でもブクログに登録しようと思ったら、9年前にすでに登録
していたことがわかり‥ってことは、すでに一度読んでいたんだーと
なったのですが、ストーリーの片りんすら思い出せませんでした。
染色家の叔父さんが出てきたり、町の中でかつて富裕な農家だった
土地と屋敷を護っている親友が居たり、ヨモギ団子を作った時の
エピソードがあったり‥ココロにひっかかりを残していそうな箇所は
いくつもあるのに、なんでだろう?と自分の記憶力のはかなさに
やれやれという感じでしたが‥ゆうべ布団の中で、親友のユージンが
学校に行くのをやめることにした理由が明らかになる場面を読んでいて、
この箇所を自分の頭の中からすべて消去したかったから、ココロが
覚えていることを拒否したから、まるで記憶に残っていないのでは?と
思いました。それくらい、その箇所で描かれている担任教師の
偽善的教育者ぶりと、その授業内容は(私にとって)いたたまれない
ものでした。
主人公のコペルも、コペルの親友のユージンも、ユージンの従妹の
ショウコも皆14歳。
ユージンの家で過ごす「とある一日」の中に、14歳でも容易に想像
できること、14歳の手には負えないもの、14歳に考えさせるには惨いの
ではと思えること、苦い後悔や、少し先の光りまで、あらゆるものが
ぎゅっと詰まっています。
どこをとっても、自分の頭で考えていかなければいけないことばかり。
(私が相当嫌悪した先にあげた教師のエピソードもその一つ)
詰め過ぎじゃないですか、梨木さん、と言いたい気持ちは、きっと
自分の甘さなのだろうなあと思いつつ。
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