音楽の喜び フルートとともに

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別冊ザ・フルートフランス近代作品

2009-05-19 07:45:59 | 音楽

懐かしい顔を見ました。
The Fluteの3月号の別冊23 「フランス近代作品 美しきフルートの調べ」
表紙左の黒髪の彼女、平山恵さん。
私が会った恵ちゃんは、18歳。四苦八苦している私の前で、フランスのニース音楽院でタファネルの「ミニョン」のファンタジーを軽々と楽しそうに吹いていました。


乾いたニースの夏。地中海に面したミネアポリスと呼ばれる要塞都市は、侵入者をまどわすような、自然の山を利用した迷路のような坂道と、世界の避暑地としての現在の混濁した街でした。暗い山道の途切れ途切れに、白い壁に、オレンジ色の屋根の別荘が建ち並ぶのが見え、対岸のアフリカ大陸から来た紫のローブをなびかせた黒い肌の女性が、観光客に混ざって悠然と歩いていたりするのでした。そこに世界中から音楽家が集まり学んでいたのでした。そこに日本から来た私達も。

色白で、かわいい彼女は、フランス人のある男の子にあこがれられていましたが、彼女は他の人が好き。彼はなんとかならないかと私に相談してきたのでした。そのときはなんともならず、彼の淡い恋は終わりました。

イェール大学に行って帰ってきて、フルーティストとして活躍しているとは聞いていましたが、この本のおかげで、その後の恵ちゃんに会うことができました。

この本では、前田綾子さんと平山恵さんが、解説付きの楽譜で、CD演奏し、フランス近代作品への理解を深めることができます。

フォーレ シシリエンヌ 子守歌
ドンジョン 祈り アダージョ・ノーブル 奉献唄 
サン・サーンス ロマンスop,37
ゴダール 牧歌 『三つの小品の組曲』より 「子守唄」 
ビゼー 「カルメン」間奏曲 
ドビュッシー 亜麻色の乙女

一度は耳にしたことのある有名な曲とともにドンジョンの小品3曲も紹介されています。これがなかなか掘り出し物です。
CDは明るく、まっすぐな性格の恵ちゃんの人柄が伝わってくる音がします。以前とは深みやテクニックが増していますが、こういうところは変らないんですね。なんだか嬉しくなってしまいました。
友達だからというわけでは、ありませんが、この本はお買い得だと思います。