マクサンス・ラリュー&工藤重典奇跡のデュオリサイタル いずみホール を聴いてきました。
プログラムの前半はバロック
C.P.E.バッハ トリオソナタホ短調 フルート2本とチェンバロ
J.M.ルクレール ソナタ ホ短調 ラリューさんのフルートソロとチェンバロ
J.S.バッハ トリオソナタ ト短調 フルート2本とチェンバロ
後半は
F.ドップラー 「夢遊病の女」のパラフレーズーアデリーナ・パッティの思い出にー作品42
G.ブリチャルディ 「マクベス」による幻想曲 op.47 工藤さんのフルートソロとピアノ
F.クーラウ トリオ コンチェルタンテ ト長調 op.119 フルート2本とピアノ
アンコールが、テレマン、メンデルスゾーン、ヴィヴァルディ、モーツアルト。演奏するのをやめなければ今でも続いていたかもしれません。
よかったです。カーテンコールが前半からありました。
ラリューさんはパウエル、工藤さんはヤマハ、音色が違うフルートは、はっきりと違うので、たとえ同じ動きであっても今誰がどこを演奏しているのか、全てわかるくらいよく聴こえました。
ヤマハの音はさわやかでどちらかというと、あっさりした草食系
パウエルはそれに比べると、艶っぽい、肉食系
バロックはラリューさんが1stで、つややかに演奏し、どんなアップテンポもピッタリと工藤さんが風のように控えめに繊細な表現で支え、絶妙なバランスでした。
但し後半工藤さんが1stを取ると、やはり、パウエルに比べると、音の幅が狭く、油系の低音のアルペジオに水系の旋律は惜しい気がしました。しかし、それも無いものねだりの域で、素晴らしいアンサンブルでした。
工藤さんは、楽器以前に、強い音楽のイメージがあって、それを表現しようと言う意識が前面に出ていて、このフルートでこんな音をここで出したいと言う気持ちが伝わってきて、形式を越えた表現者なんだなぁとおもいました。
ラリューさんのどんなアップテンポにもピアノの成田有花さんと二人ぴったりついていき、ラリューさんが珍しく喜んで演奏されているのがわかりました。
これぞ生、ライブ、圧倒的な「音楽にする力」と言うのを感じました。