今朝新聞を読んでいたら、オルセー美術館展が来春開催される。と載っていました。
目にとまったのは、アンリ・ルソーの「蛇使いの女」。
大きな熱帯植物の怪しい曲線の中を長い体をくねらせた黒い3匹の蛇。空には白い月が浮かび、湖の湖面が光っています。ピンクの羽根のペリカンのような鳥。中央にはこの絵の主人公、蛇を首に巻きつけた裸の女が横笛を吹いています。
月を背にした女は、顔も胸もよくみえません。浮かび上がっているのは、ただ、笛と長い黒髪と裸体の曲線。
じっとみていると、月や、湖面に笛の音が響いているのが聴こえ、蛇や鳥、植物までも、彼女の笛に耳を傾けているような気がしてきます。
それ以前から笛は絵画にいろいろな形で登場していますが、神の音楽の楽師の持つ楽器の一つとして明るいイメージで書かれていました。ルソーのような東洋的、妖艶なイメージは主流ではありませんでした。
1907年の作品だそうです。1894年にはドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」が完成していて、1912年はシリンクスを発表。その後オネゲル、ヒンデミット、イベールなどが、フルート独奏曲をこぞって書きました。
こういう絵画も、その時代の楽曲のイメージを膨らませるための大きなヒントになります。
とても興味深いです。