音楽の喜び フルートとともに

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現実逃避とともだち

2009-09-03 23:45:00 | 子ども

最高気温30度 まだまだ暑いです。ひまわりも元気。

子ども達も元気。
5時を過ぎても部屋に入って来ない2年生男子二人を発見。

「あーあ。こんなん見たら現実逃避したくなるわ。」思わず独り言が出てしまいました。
そこにいた4年生のAくん、3年生のBさん。
「ゲンジツトウヒって何?」
「えーっと、あんまり現実がひどいと、逃げたくなるってこと。」
「じゃあ、アレ見て、どうなるの?先生、他の先生にいじめられるの?」
「いやー、そういうことじゃなくて。二人がちゃんと言うことをきくように、先生能力がないから出来ないし。外に出したままじゃ、だめだし。もう、あんまりだから、現実から離れて夢の世界に行っちゃいたくなるってことだよ。」

「ふーん、覚えとこ。じゃあ、おれ呼んで来たるわ。」
「新しい言葉覚えたわ、私も呼んで来たるわ。」
いつもは、先陣きってルール違反をしている二人が、2年生二人をおんぶしたり促したりして、部屋の中にいれてくれました。
「本当にありがとう、助かったわ。」
こんなこともマレには起こります。

4年生男子二人が、2年生二人を引き連れて、4年生男子一人を、からかったり、小突いたり。
止めようと間に入ると、私の足の隙間から、蹴りを入れようとします。
「ちょっとまって、何か嫌なことがあるんだったら、聞きますから、口で話してください。」
「殴る蹴るは無し。」

「だってな、こいつがわるいんや。」
「そんなんちがう。」
「ちょっとまって、順番に聴くから、怒鳴るのも無し。泣いて話すのも無し。話したくない人は、向こうに行ってもいいよ。ここでは、普通に穏やかに話して下さい。」
「先生はAの味方なんや。」
「先生は誰の味方もしません。誰かが悪いなんていってないでしょ。順番に聴くから話してください。」

Aくんと4年生の一人Bくんは3年生のときはともだちだったけれど、4年になってから、Bくんは友達、友達とAくんにひつこく誘われるのが嫌になった。CくんはBくんが迷惑しているのを見て、加勢しようと思った。
2年生二人もそんなAくんの言動にいらいらして、加勢した。
AくんはそんなBくんに裏切られたような気持ちになって、意地になって誘ったし、みんなを蹴ったりした。

「やられたらやり返す。」Cくんは言います。
「仕返しはOK?動物みたいやね。」
「先生、動物のことわかっとらんな。動物はめっちゃち強いし、牙があって弱いものはたべるんやで。」
「そう、強いよね。でも、動物は仕返しのためには殺さないんだよ。自分が生きるために殺すんだよ。」
「仲が良かったけど、嫌になることってあるよね。その気持ちわかるよ。ひつこくされて嫌になることもあるわ。友達を助けたいってのもわかるよ。」
「それで、これからどうする?児童会はずっとあるし、その間中、二人はいるし、こういうことを繰り返す?殴りあったり、暴言を吐いたりってどう?」
「わかった。殴るのはやめる。Aがきたら、よけることにする。」
「暴言は?」
「言わない。」

「さて、Aくんは、どうする?」
「だって、僕は、悪くないよ。友達になりたいだけだよ。」
「そうだね。悪くないよ。でも、人の気持ちは変えられないよ。AくんがずっとBくんが嫌だなって思うことを繰り返したら、BくんはまたAくんの友達になってくれるだろうか?」
「ぼくはわるくないのに・・・。」Aくんは泣き続けました。
「Aくんはわるくないよ。こういうのは本当につらいね。」

「さて、Aくん。Bくんだけが友達じゃないよ。先生が友達じゃだめかな?」
「大人が友達なんてないよ。」隣でみていた子が言いました。
「そんなことないよ。大人だって子どもと友達になれるよ。」

「先生と、部屋に帰ってレゴしようか。」
「うん。」
「つらい?わかるよ。そうやって、先生も、たくさんの友達になりたい人と別れてきたよ。」

4年生は10歳、ティーンの始まり、思春期の入り口。
友達関係の甘さもつらさも抱きしめて、少しづつ大人になるのです。