音楽は言葉を使うけれど、使わない。小さな言葉の行き違いを云々することはない。愛し方の方法でもめない、愛している気持ちが伝わる。
でも、その音楽を作るときには、結構丁々八誌のやりとりがあります。
選曲、アクセントのつけ方、ニュアンス、アーティキュレーション。歌の人、オーケストラ、楽器の特徴で全く違ってきたり。
小澤征爾だって、自分の音楽を追求し過ぎて、若い頃は、楽団員に総スカンを食ったこともあるそうです。
いくらお気楽な私だって、関係がいいだけでいい音楽が出来るとは思いません。
一致するのはマレである。
小澤征爾のように、圧倒的な技があっても、そうなんですから、凡人の私達が音楽を作り上げていくのは大変。
といって、カリスマにうっとりとしていて、いいものができるかと言うとそうでもない。
「くそっ。こんな音量出すなんて聴いてないよ。」と腹を立てながら、何とかがんばっていると、感情が生き生きしていい演奏だったり。
でも、やりすぎて、やっぱり冷たい戦争状態になって失敗したり。
音楽も人生と同じ、一筋縄ではいかない。失望したり、有頂天になったり。
でも、続ければ気づいたら、少しは私だって成長している。そんな感じ。