連休中日にもかかわらず、午前中は生徒さんとレッスン。休日にまで来ていただいて本当にありがたいです。
曲はシューマンの「トロイメライ」とドビュッシーの「小舟にて」
シューマンは、フルートのための曲を残してくれてません。ピアノの他には、オーボエやクラリネットなど、フルートよりも、木に近い音に魅力を感じていたのかもしれません。
トロイメライも原曲はピアノの曲ですが、フルートの出せる最低音から始まっていて、張りのある音で演奏するには「ソノリテ」の低音の柔軟性が必要です。もともとピアノの曲ですから、息継ぎがなくても演奏できてしまいます。そこで、奏者が自分で意識的に、ここでとると音楽的に聞こえるという位置を探しだすことになります。循環呼吸など、息を取らなくても良いような奏法がありますが、人間は呼吸をする生き物なので、息を全く吸わずに演奏するのは、やっぱり聴いていて苦しくなってくると思います。
だから、ピアノや、他の弦楽器の場合も、やっぱり息継ぎの位置を取った方がいい演奏が出来ると思います。しかし、原曲が管楽器でない「トロイメライ」は、うっかりすると、フレーズをずっと続けたくなってしまいます。後で息が足りなくなって、変なところで呼吸を取らなくてはいけなくなってしまいます。自然に音楽的なブレスを何処で取るかが、この曲の魅力を引き出すための大切な作業です。
ドビュッシーは、近代フルートの魅力に初めに気づいた作曲家だと言えます。
「シリンクス」「牧神の午後への前奏曲」は近代フルートの魅力的な使い方代表作といって良いと思います。
「小舟にて」は、同じようにピアノのために作曲された曲ですが、息遣いが楽譜の中にしっかりと読み込まれていて、効果的にとれるように初めから曲ができています。この曲で問題になるのは、息継ぎではなく、リズムとテンポ、調整感覚。特に展開部をどう生き生きとリズム感をもって演奏するかが肝心になってきます。
どちらも名曲なので、私も、レッスンすることで、新たな発見や、深みを発見できてとても興味深いです。
午後からはピアノのSさんとコンサートの練習。3日には400人位集まると聴いて、ちょっとドキドキ。もっと少ないと思っていました。音響があまり良くないので、人が入ると、吸収されていい状態で聞いてもらえなくなるのじゃないかと心配です。演奏も変えなきゃ。ちょっとあせってきました。