ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「フランシス・ハ」、27歳女性のニューヨーク奮戦記

2014-10-06 18:50:54 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

女性、とくに都会に暮らす独身 ☆☆☆☆

いつもは、年配者でごった返す映画館、今回はなぜか、20代の女性グループ。これ女性向けの映画だったのか。

27歳のフランシス、親友ソフィーと暮らす日々は、楽しさあふれるアラサーの日々だった。

英語で繰り広げられる、機関銃のような会話、私に英語理解力があったら。字幕に追い立てられるなくてすむのに。

ダンサー希望、それゆえか身のこなしは軽く街中を走り抜けるシーンは音楽とまって実にリズミカルで楽しい。(トリュフォーの音楽を借用したヌーベルバーク風のタッチ)。

白黒にした意味はあまりわからないが、やはり、ウディアレンとかヌーベルバークとかを意識してのことか。

そのおよそ前向きなフランシスだったが、恋人と喧嘩別れ、同棲していたソフィーは結婚するといって出ていくは、一人取り残され、一方で、バレリーナの道が閉ざされ、金もなく、ありったけ具面して、実家へ帰ったり、突然パリへ行ったりと、ある意味無茶振りの冒険談。

ノア・バームバック監督が私生活での恋人グレタカービックと共同脚本。そして、そのカービックがフランシスを演じるという、まあ奇才のひねり出したまこと明るいフランシス。

それでも、八方ふさがりの日々、友達はいい調子なのにおいてけぼり、パリをさまよう孤独感も映画に張りを与える。それにしても小道具の携帯、よく活躍。

寄ってくる男たちも、みんな紳士で、高慢ちきなアラサーに辟易しながら、けっきょく、それ以上近づかない不文律。

フランシスは、結局ダンサーはあきらめ、別の道で新しい第一歩を。それが、フランシス・ハ。

でも、カービックはちゃっかり、監督といい仲ジャン。
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「愛の渦」、裸の映画です。

2014-10-05 17:28:35 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

裸・スワッピング映画好き ☆☆☆☆

2006年・第50回岸田國士戯曲賞を受賞した、演劇ユニット「ポツドール」の同名舞台劇を映画化。

すなわち演劇の映画化なのだ。

低予算映画ってこんな手があったのか。

なにしろ、3階構造の風俗店が舞台。

男2万円、女2千円で性欲が満たされる、スワッピング風俗店。

おかげで、R-18.

そこでは、男女とも全裸、

まず2階のリビングルームで、合コンよろしく、相手を模索、商談成立すれば、下の階で存分エッチ。ただ、ベッドが四つあるだけなので、オープン。

ニート(池松壮亮)、フリーター(新井浩文)、サラリーマン(滝藤賢一)、蒲田のケータイの製造工員(駒木根隆介)、女子大生(門脇麦)、保育士(中村映里子)、OL(三津谷葉子)、ピアスだらけの女(赤澤セリ)の8名が参加。それぞれが相棒を見つける。芸達者ぞろいのところも見もの。

で、この映画の面白いのは、舞台劇だけあって、それぞれが交わす仕草とか会話のなんとも微妙なやり取りが、まんま日本人的やりとりで、かなり突っ込んだ話もでるが、なるほど的な展開で、ずっと引っ張っていく。

途中種切れしそうになって、一組のカップルが参加、ちょっと現実的な話になってがぜん活気づく。

エッチシーンの描写も、かなり頑張ってはいるが、映画としての制約もあり、その筋の作品とは比べられない。

ニートと女子大生の何とも初々しい出会いは、池松と門脇の演技で(まあちょっとオーバーな気もするが)みせるものがある。それがラストへの伏線になっている。純粋な愛とは難しいものだ。

実験的な意味も含めて、新しいジャンルの映画になるのだろうか?
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「カニバル」、人の肉をを食う人

2014-10-04 17:45:48 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆

カニバル映画好き ☆☆☆☆

「A love story」と副題が付けられいるが、たしかに恋のお話だ。

スペインでは、ゴア賞各賞にノミネートされるなど評判の映画だが、さて、日本では。

南スペイングラナダでのお話。

冒頭、ガソリンスタンドの遠景、ちょっと人が動いているみたいでよくわからない。(長回し)

やがて、女を乗せて車は走り出す。

そして突然対向車が、よけきれず車は横転。

中から血まみれの女性を引きずりだし、自分の小屋へ(小屋は山頂にあり、綺麗な雪景色が、この映画の風景の情景描写は美しい)、そこで全裸にし愛でるようにナイフを。

こう書くと、かなり残酷な映像のように見えるが、状況は淡々と進み、グロは見せない。

男は街で実直に暮らす洋服の仕立て屋。仕事場と家は真向かいにあり、そこを行き来するのみ。

ただ、男の家の冷蔵庫にはラップに包んだ綺麗な肉が。

男は夕食にその肉を焼いて食し、ワインを飲む。カニバルだ。

そんな、男の前に一人の女性が現れる。階上に住み、そこでマッサージ店を開くという。

なぜか誘惑しているみたい。そう、彼女は仕立て屋を誘惑する。

そして冷蔵庫を開け、男の正体を知る。

ある日、彼女の姉が訪ねてくる、妹が行方不明だと。

という展開で、一種のミステリー。

次に何が起こるか、特に最初に異常な殺人と人肉食を見せられて、何が起こるか興味津々。

妹の思わせぶりな行動と、姉のおとなし目だが魅力ある態度。

そして仕立て屋は、姉に心を奪われていく。

ちょっと、我々日本人には理解しがたい行動にどこか冷めてしまう。(やはりキリストが影響しているのか)
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「消えた絵 クメールルージュの真実」、当事者が語るクメールルージュ

2014-10-03 18:22:59 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

クメールルージュの真実を知りたい方 ☆☆☆☆

カンボジア・フランス合作

幼少期にポルポト率いるクメールルージュによる粛清で、自分の父母や親友を亡くしたリティ・パニュが自ら演出。パニュは収容所を脱出後フランスへ、そこで映画を勉強、そこから故郷へ帰って、クメールルージュの後始末をしている。

アメリカ、ソ連、中国、ベトナムの冷戦下の争いに巻き込まれたカンボジアの悲劇。中国毛沢東の実施した文化大革命を見習った、徹底的な文化破壊。ましてや粛清の嵐は想像を絶するものがある。

本作は、粛清の拷問や虐殺などの悲惨な画面はなく、むしろ、飢えと疲労でなくなった場面が多い。それにしても、ことごとく文化を否定され、乏しい食料の中重労働に苦しむ様はこれまた悲惨なるものがる。

その死体の埋められた土から作った泥人形(これはカンボジアの民族的なものか)を使い当時の状況を語りと合わせて描写。人形から苦しみがほとばしり出ている。

楽しかった、クメールルージュ前の生活と対比しながら、悲惨な状況が語られる。

殆どのフィルムが紛失した中、ポルポトのにこやかな姿がやけに印象に残る。

どの世界も、働かされるのは大衆で、監督者は別世界という図式が出来上がっている。

地味な映画なので、ナレーションについていけず、置いてきぼりにされかねない。

だが、真摯にこの現状を受け止め、再びこのような世界が来ないよう、足元(日本もという意味)も注視すべきだろう。


蛇足 プノンペンの繁華街が、クメールルージュ時代閑散とした姿が映されショックを受ける。
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クリントイーストウッドの新作は、「ジャージーボーイズ」

2014-10-02 18:11:33 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

フォーシーズンズ好き、イーストウッド好き ☆☆☆☆

フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズは、今でも、来日公演を続けている。(ただし、ヴァリ以外は新しいメンバー)

本作は、そのフォーシーズンズの結成から、ロックの殿堂入りを果たすまでを描いたミュージカル「ジャージーボーイズ」の映画版で、クリントイーストウッドが監督している。

イーストウッドが、映画化にふみきったのは、4人のグループが、実にドラマチックな人生を送ったことにある。

ミュージカルは、4つの季節に分かれた展開になるが、映画もそれを踏襲してほぼ、時代順に進む。

彼ら三人の出身がイタリア移民で、盗みを働いたり、監獄に入れられたり、結構悪だった。それが、たまたま、フランキーヴァリの高音の見事さとボブ・ゴーディオの売り込み上手が功を奏して、階段を上っていく。

そんななか、新たに、作曲のトミーデビートを得て、ますます人気が上がっていく。

おなじみの「シェリー」で、観客の心を鷲掴み。

だが、それは序章、売れていくにつれ、悩みや、トラブル、特に金銭面のトラブルがグループを窮地に貶める。

個人的には、フランキーヴァリの家庭問題がクローズアップされ、ドラッグの爪痕が残る。

一方、ミュージカルの方では、かっこいい4人グループのロックソングは、往年の名曲でもあり、これは、昔を知る人にとってはたまらないだろう。(足長でそろったステップは、かっこよく迫力満点)


ファルセットボイスのフランキー・ヴァリをミュージカルでもその声を生かしたジョン・ロイド・ヤングが演じており、これがこの映画の一つの魅力。

最後は、お手の物のミュージカルシーンで盛り上がる。

なぜ、イーストウッドがという声もあるが、多彩な能力は題材を選ばない。
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NHK朝の連ドラ「マッサン」始まる

2014-10-02 13:28:56 | ドラマ
「花子とアン」が終了し、いよいよ「マッサン」がスタート。

いきなり日本へ来たエリーの話から始まる。

大正時代、外国人妻というのは、まだ珍しさ半分の時代。

ことに母親役の泉ピン子ははまり役で、エリーをいじめる。

「マッサン」は、ニッカウィスキーの元祖竹鶴正孝を描いた、成功物語。

今は、大阪の造り酒屋が舞台。エリーの苦戦が描かれます。

ヒロインのエリーには、珍しくも、アメリカの女優シャーロット・ケイト・フォックスが選ばれ、外人さんの感じがよく出ている。

演技も確かだとか、今後が楽しみ。
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「ウォルトディズニーの約束」、メリーポピンズ誕生秘話

2014-10-01 18:03:38 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

トムハンクスはウォルトディズニーを演じるにあたって徹底的に研究したというだけあってよく似ていた。(といっても実際には会っていないのだが)

でもこの映画、ウォルトディズニーの映画というより、「メリーポピンズ」の原作者パメラ・L・トラヴァースの映画といえる。

パメラは、「メリーポピンズ」を書いてから、ディズニーが子供が好きなのを見てぜひ映画化したいと申し出たが、かたくなに断り続けてきた。

しかし、印税の収入も少なくなり金銭に困り、映画化の話にアメリカまで出かけることに。


だが、大資本の金持ち体質に嫌悪を抱いていた彼女は、ことごとく拒否反応を示す。

脚本家たちが説明するもこれにも拒否反応。まずミュージカルにするのが気に入らない。

このいけ好かない女をトマ・エプソンが演じ、貫録を見せる。

この彼女の拒否反応の原因が、彼女の幼少期にあり、それが徐々に明らかとなる。

場所はオーストラリア、銀行家だった父は、彼女を溺愛したが、都会から田舎へ左遷され、酒におぼれ、死んでしまう。そのトラウマだった。


一方、ディズニーも今は成功しているが、その少年時代は悲惨で、その物語を語りながらパメラを口説いていく。

最後は、メリーポピンズ完成披露で、パメラも納得。

エンドロールで、実在のパメラとディズニーの写真が挿入されている。

メリーポピンズの裏話をみて、また「メリーポピンズ」を見たくなった。
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