「ブエノスアイレス恋愛事情」、ブエノスアイレスを舞台に控えめ男女の恋物語

おススメ度　☆☆☆

アルゼンチン・スペイン・ドイツ合作

前半、早口のスペイン語の男女の語り。字幕に追われっぱなしで、ちょっとつらい。

なにしろ、ブエノスアイレスの近年の発達と、ビル群の特異性（ごった返して、大きさも何もかもまちまち、それでいて無機質）。今のブエノスアイレス事情がうかがわれる。

そして、男と女、出会いそうで出会わないこの不思議な展開が微妙。

彼らは靴箱といわれる、アパート住まい。

ウェブデザイナーだが、彼女に捨てられ犬と二人暮らし、適当に出会った女性とはひと時の恋は語るが発展しない。そもそもが外出嫌いのお宅。鉄腕アトムのフィギュアがあったりする。

建築家志望の女性は、デパートショーウィンドウの飾りつけを職業にするも、高所恐怖症。ウォーリーズの中に恋人がいないか探している。恋人とは別れたばかり。

そんな二人は、実は、向かい合わせの高層マンションに住んでいる。

季節の移り変わりを、２人の生活に合わせて描写。

実に繊細な画面作り。

建築以外でも、アーティスチック。

なぜか、タンゴは使われない。

ヒロインをスペイン人が演じているせいで、実にヨーロッパ的。

二人の出会うシーンは、うまく構成され、特に

アパートの、壁をぶち抜き、明かりを取り入れたシーンでは、その壁の絵となんとマッチしていることか。

おしゃれセンスあふれる恋愛映画でした。

アルゼンチンのこともお忘れなく。

ＤＡＹＳＯＮの「ＨＯｔ＆Ｃｏｏｌ」を楽天市場で買って、保障されない不思議

ダイソンのＨＯｔ＆Ｃｏｏｌは、羽のない扇風機。それも、冷房と暖房機能付き。

いかにも、安全な冷暖房の器具として画期的。

と、思って、昨年楽天市場を通して買った。

普通正規で買うより、１万円余安かった。

これには落とし穴があった。

買うときは、いいなという気分で、楽天だから安心かなと、保障のことはちょっと、なおざりに。

まず、最初、入荷が遅れるとのことで、１か月余待たされた。

金を払っているので待つしかない。

もう冬も終わりそうな頃にやっと送られてきた。

調子よく使っていると、火災事故発生とのことで、無料で直してくれるとのこと。

日本のダイソン社が責任をもって直してくれた。

ここまでは、まあいい。

使っていて、リモコンが壊れてしまった。

リモコンなしでは動かないと勘違いして、リモコン取り寄せを画策したが、

実は、当該商品はアメリカ製で、楽天市場のの会社が大量に購入して、安く販売していたのだ。

そのため、日本のダイソンでは、対応できないとけんもほろろ。

仕方なく、アメリカダイソンにメールすると、答えは、扱ってないとのこと。

そして紹介されたのが、なんと香港にある会社、そこにメールしてみると、いつでもいらっしゃいとのこと。

そのことで香港まで行けるわけもなく。

消費者センターに相談、インターネットで購入した海外品については、まったく受け付けてくれない。ここもつれない返事。

保証書は、入っていたが、アメリカのものなので、日本からは製品登録できず、対応されない。

みなさん、たとえ楽天のような大きな会社でも、輸入品の製品は、その補償内容をちゃんと確認してから買うようにしましょう。

最近あまり有名でない映画祭で日本映画頑張っている。

バンクーバー映画祭。

大体そんな映画祭って、ほとんどの人は知らないだろう。

でもここで、日本の映画が受賞。

テレビで見てホントって感じ。

映画は、妻夫木聡主演の「バンクーバーの朝日」。

まあ言ってみれば、ご当地映画だが。

１９００年代のカナダ。

日系移民二世。当時は、日本人はよそ者扱い。

差別や貧困の中、野球チームを結成。希望を取り戻す話だが、

石井裕也監督で、１２月公開予定。

日本人が活躍するうれしい映画だ。

現地の人に受け入れられて万歳。

ほかにも、モントリオール映画祭の「不思議な岬の物語」、ローマ映画祭での三池監督、釜山映画祭での、「欲動」の杉野希妃（きき）監督。

滋味に映画に取り組む人たちが賞で報われるのはうれしい。

「トカレフ」ニコラスケイジの娘誘拐事件です

おススメ度　☆☆☆

ニコラスケイジ好き　☆☆☆☆

昔、暴力犯罪を起こした切れ男ポール。（ニコラスケイジがずらで、紳士風に演じています）

現在は、美人妻とこれまた美人の娘の三人暮らし。当然目に入れても痛くない娘。

その娘が誘拐の末殺される。その悲嘆は半端ではない。

警察の調べで、拳銃は「トカレフ」が使われていたと、トカレフといえばソ連。そういえば若いころソ連マフィアと争い、その息子を殺してしまった。

当然、ソ連マフィアを疑う。相手は、意味も分からず攻めてくるポールと、息子を殺された復讐もあって攻撃を仕掛けてくる。

犯人が分からぬまま、暴力団の抗争に。

昔の仲間が助けによってくれるが、彼らをも巻き込んでの、銃撃戦とカーチェイス。

でも、謎は残ったまま。

犠牲者も増えて、

謎解きは後で。

ニコラスケイジは、名前だけで人が呼べる俳優だが、この映画では？

今度はＥＭＮ、インターネット勧誘に注意！

突然電話で、フレッツ光をご利用ですねと来て、接続機器を聞いてくる。

ＮＴＴと答えると安心して、プロバイダーはとくる。

そして、現在７０００円かかっているのが、５０００円で済むようになりますときた。

どんなプロバイダーかと聞くと「ＥＭＮ」と答えてきた。

ネットで調べると、業界最安値のプロバイダという広告が。

ただ、もう少し、調べると、これに変えるメリットはなさそう。

安いのは、２４カ月だけだったりとか。

通信速度も遅かったりとか。

ただ、プロバイダーには違いないので、接続は可能なようです。

変更するだけのメリットがあるかどうか？

電話で、契約させるものは危ない危ない。

「ＨＯ 欲望の爪痕」、横山美雪主演のアングラ映画です。

おススメ度　☆☆

ヒップホップ界では有名なＤＯさん原作。

アクション物など得意な柴田愛之助監督作品。

東日本大震災後の渋谷、そのアンダーグランドを描いた映画です。

ちなみに,HOとは、業界用語で売春婦だそうです。

売春婦二人組の話で、一人は横山美雪、もう一人は桃宮ももさんが演じています。

ネットで、男を捕まえては、ホテルへ誘導、シャワー中に金を取ってとんずら。

まあ早い話詐欺ですが、警察に捕まらないですかね。

で警察と称する男が出てきて、彼女たちをかばうのだが、これがひどい警官。

やがて、暴力団の手が伸びて、（結構それらしき人が演じて少し怖いです）

桃宮さん扮する女が、暴力団にしゃぶづけにされ、暴行され、「キメセグ」（薬中状態で）でいってしまう。なかなかリアリティがある。

ただ、看板の横山さんは、脱ぎませんので、期待外れのないよう。

まあ、リアルといえばリアル、裏社会が見れるという意味では面白いのかも。

「ある優しき殺人者の記録」、日本人監督が韓国で撮ったホラー

おススメ度　☆☆　Ｒ＋１５

ホラー映画好き、ＰＯＶ（主観映像）好き　☆☆☆☆

本映画の監督白石晃士監督は、ホラー映画で評判の監督です。

本作は、韓国で、韓国俳優を使って、撮影。

低予算映画の苦肉の策だとか。

でも８９分をワンテーク（カメラを回しっぱなし）で撮るなど、かなり実験的。

まして犯罪映画、男女４人による壮絶な殺し合いが、ワンテーク（カメラマン視線）でとらえられます。まして、カメラマンまで凶刃にかかるとあっては、まさに血みどろの迫力です。

そして、韓国で撮ったもう一つのメリットは、殺人の行われるアパートの埃っぽく、薄汚いこと、ホラー映画の舞台にうってつけなのです。

障害者施設から、18人が犠牲となった連続猟奇殺人事件の容疑者の男が脱走。その男から呼び出された韓国人ジャーナリスト、カメラマンを同道せよとの連絡。なぜかカメラマンは日本人。

そして、犯人の犯罪動機が語られ、神の啓示で殺してきたとのこと。そして最後の二人が今日このアパートへ来ると予言。

予言通り、日本人新婚カップルがやってくる。

そして壮絶な殺し合いが。（セックスまでするのはおまけか）

だが、ラストは、反則技でハッピーエンドに。

８６分ワンカットの映像は、たしかに見もの。監督の才能は確か。もっといい作品を作ってほしいが。

「ドン・ジョン」、現代版ドンファンの恋愛事情

おススメ度　☆☆☆

ドンファン好き、ちょっと変わった恋愛映画好き　☆☆☆☆

Ｒ＋１５　です、ご注意を

子役から大きくなった　ジョセフ・ゴードン＝レビット「５００日のサマー」などでいい味出していたが、ついに彼が、主演・脚本・演出までしてのけた。

それがこの現代版ドンファン。

毎日ジムに通ってマッチョな体に。だが、もて男の彼、毎日女をひっかえお持ち帰りしているのに、ポルノ映画お宅なのだ。

１週間に、婚前交渉何回、ポルノを見て抜いた数何回と教会で懺悔する真面目派なのだ。、でも、セックスに関しては、ポルノが一番とせっせと励むのであった。

そんな彼に超美人が登場。これがまた、今最もセクシーで売れっ子のスカーレットヨハンソン。そんな彼女とセックスできたら最高と、有頂天だったが、実際はポルノが忘れられず、寝ているものと励んでいたら、彼女に見つかり、総すかん。せっかくいいムードでいたのに残念。

実は彼女も実に超自己中。自己中同士でうまくいくはずもない。

そんなときに現れたのが、夫と子供を交通事故で亡くした年配の女性。彼女に扮するのがジュリアンムーア。さすが、レビット、女優陣はちゃんと確保。

二人の女優の演技に助けられてちょっとほろ苦い恋愛物語になっている。

自己中男、ドンジョンも、たいていの男性は思い当たる節があり、そこここに、しゃれた場面があって、コミカルな面も。ポルノを題材にしながら厭らしくない表現はさすが。

ただ、初期の恋人たちにはきついかも。

「ファイ 悪魔に育てられた少年」、またまた、韓国犯罪ミステリーです

おススメ度　☆☆☆

韓国犯罪映画好き　☆☆☆☆

今回は、1７歳の少年が主人公です。

その異常さと哀しさが半端ではありません。

韓国映画ですから、当然、血まみれの場面が多いし、カーチェイスは勿論、犯罪映画の常道はいっぱいあります。

面白いのは、この少年の置かれた状況、その哀しい状況がわかるにつれ、常軌を逸する行動にでる、その背景まで知ってしまうと、悪なのに感情移入してしまいます。

そして人がいっぱい死にます。

通常、この手の映画は警察が活躍するのですが、今回は警察はちょっと脇役です。

幼いころ、誘拐され、その誘拐犯たちに育てられたファイ。5人の誘拐犯を父と呼び、それぞれのやり方で、犯罪の手ほどきを受ける。

だが、いざというとき、まだ度胸がついていないファイ。

父親たちは、ある計画で、実の父親を殺させるのだ。

やっと母親を助け出すも別の犯罪者の手にかかる。

そこで、父親たちや共謀の犯罪者たちをことごとく殺戮してしまう、痛烈な銃弾戦。

見事なまでに、死体の山だ。

この1７歳の青年を演じるのが、まだ1５歳のヨ・ジング、その目力の強さに圧倒される。

取り巻くは、キムユンソク他実力派が勢ぞろい。

まあ、韓国映画の底の深さに感服。

「蜩の記」、10年後切腹を命じられた男の物語

おススメ度　☆☆☆☆

黒沢明の流れをくむ小泉堯史監督作品です。

ただ非常に地味な作品で、決闘シーンも少なく、もっぱら静謐な武士家の物語です。

友人とのちょっとした喧嘩で刃傷沙汰を起こした庄三郎。切腹を免れるが、3年後に切腹を命ぜられた戸田の元へ赴く。下された沙汰は、戸田の改心を防ぐことと、藩の歴史書の執筆の手助けである。

戸田が、切腹を猶予されたのは、歴史書作成の大役があったからだ。

静謐な戸田を身近に観察して、切腹の原因に疑問を抱いた庄三郎は、当の側室や周りの人にその経緯を訪ね歩く。

一方、藩と御用商人たちが、農民を苦しめている現状を知る。

前半は、淡々と戸田家の日常が描写され、それが蜩の記（日が暮れるのをいつくしむかのようになく蜩とその日暮らしがかけられた日記）であり、夫婦、親子、師弟、恋愛などの感情が丁寧に描かれる。四季を織り込んだ風景も美しい。

後半は、百姓一揆が詮索され、殺人事件まで起こる展開だが、ここは、脇道なので駆け足。

戸田の切腹問題でも、重要な文書が出てきて、あわただしい。

だが、結局、命が助かる場面もあったが、飄々と切腹に臨む戸田の姿で終わる。

日本らしい、潔さだ。

まあ、現代ではありえないが。

戸田の別所広司、庄三郎の岡田准一をはじめ、芸達者で固めた演技陣はさすが、うまい。