先日「MAKIKYUのページ」では、福岡県を走る筑豊電気鉄道(筑鉄)の旧型車両・2000形に関して取り上げ、この車両はかつて隆盛を誇った西鉄の北九州市内線(路面電車)を彷彿とさせるものがありますが、連接車も多数運行していた北九州市内線は近年全廃となっています。
(最後は黒崎~折尾間が単車のみの活躍で残存する状況でしたが、小倉の砂津~黒崎間は十数年前まで電車が走っていました)
この代替として西鉄は日本最大のバス事業者という事もあって、自社の路線バスを走らせ、近年はこれも北九州地区のバス事業一括分社化で西鉄バス北九州が運行しているのですが、94年の砂津~黒崎間の電車廃止・代替バス運行開始時には、今でこそ一般的とはいえ、その当時はまだ普及率がさほど高くなかった低床ワンステップバスを大量に導入したのが特徴です。
それもただのワンステップバスではなく、中型車両をベースに車体の長さを伸ばしたタイプの車両(これも最近は低コストでノンステップ車を導入する手法としてよく用いられますが…)を導入しており、この様な取り組みを先駆けて行う事が出来る辺りは、車体メーカー(西日本車体工業)を傘下に持つバス会社ならではという感がありますが、この車両は一般の西鉄バス路線車とは異なり、白と薄緑色の電車代替バス専用塗装を纏っているのが特徴です。
この塗装のバスは西鉄でも北九州地区の電車代替系統のみで見られるのですが、代替バス運行開始当初に導入された車両の他にも、比較的近年になって導入された大型車の一部にも採用され、こちらも西鉄では数少ない中引戸のノンステップバスが一部導入されるなど、異彩を放つ存在となっています。
(比較的近年導入された車両の中には、勿論ワンステップ車も存在していますが…)
ただ電車代替バスの運行区間でも、必ずしもこの塗装の車両が用いられる訳ではなく、今月MAKIKYUが九州を訪問した際には、電車代替系統のバスに乗車する機会は無かったものの、MAKIKYUが以前黒崎~小倉方面へ向かう西鉄バスに乗車した際には、一般的な赤白塗装の車両が充当されていましたので、電車代替系統でも必ず充当される訳ではない点は要注意ですが、結構な本数が運行されている系統ですので、その気になれば比較的容易に乗車する事も出来ます。
(こんな事を言っているMAKIKYUも、電車代替バス塗装の車両を何度も目にしていながら、未だに乗車した事は無いのですが…)
また最近西鉄バスでは「スマート・ループ」と呼ばれる新塗装の車両が続々と導入され、この車両も電車代替系統に充当されている姿を目撃していますので、電車代替バス専用塗装も今後続いていくのか、それとも新塗装への塗り替えなどで数年で姿が見られなくなるのかも気になる所です。
写真は電車代替バスの主力となっている中型長尺ワンステップバスと、西鉄では見る機会が少ない中扉引戸ノンステップバスです。