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梅小路公園を走るチンチン電車~公園内の僅かな距離だけながらも…

2009-01-11 | 博物館・保存施設等

 

先日梅小路蒸気機関車館(以下蒸気機関車館と記します)内を走るSL列車「スチーム号」に関して取り上げましたが、蒸気機関車館一帯を占める梅小路公園内では、JRの営業線とも繋がっている蒸気機関車館内の線路以外に、公園内に独立した軌道も設けられています。

蒸気機関車館へ足を運ばれた方は、同館の目の前までこの軌道が延びていますので、その姿を目にしているかと思いますし、同館へ足を運んだ事がない方の中でも、蒸気機関車館の周囲に敷設された軌道の存在をご存知の方もいるかと思いますが、この軌道は総延長が約300m程あり、軌道幅こそ専らSLが活躍する蒸気機関車館内の線路と同じ1067mmながら、同館内の線路とは異なり、電化されているのが特徴です。

この軌道は300m程度の延長があり、蒸気機関車館とは反対側が起点となっているのですが、ここには車庫も設けられ、乗車券(往復)の券売機も設けられ、土休日や祝日などの昼間に限られるものの、かつて京都市内で活躍した市電の旧型電車(N電)27号車の運転が行われています。

この電車は車庫のある建物脇にある券売機で発売している乗車券こそ往復(大人300円)でしか発売していないものの、係員の方に伺うと、車内で運賃を直接支払うのであれば、片道のみの乗車(大人150円:乗車券発券はなし)も可能との事でしたので、MAKIKYUも先月梅小路を訪問した際は、丁度この電車の運転日・時間帯だった事もあり、蒸気機関車館訪問と併せ、この電車にも片道だけ乗車してみました。

この電車は出入口を兼ねた運転台部分が吹きさらし、屋根が2重屋根(ダブルルーフ)で内装には木材がふんだんに用いられ、そして先頭には人命救助用の網を装備しているなど、如何にも昔の路面電車という形態をしており、動態保存車として丁寧に取り扱われている事もあってか、この様な車両が非常に綺麗な状態で活躍している事には好感を感じたものです。

とはいえ軌道延長が300m程度、MAKIKYUの足では軌道脇を歩いても5分もあれば…という状況ですので、非常にゆっくりと走るこの電車でもあっという間、運賃を支払ってまで移動手段として使用するものではありませんが、なかなか乗車機会がない希少な車両へ乗車でき、その運行維持に協力するためと考えれば、片道150円の運賃を支払う価値は充分にあると感じたものです。

また運行区間が極めて短く、乗車時間も僅かですので、MAKIKYUとしては乗り心地を堪能するには物足りないと感じましたが、かなりの古参車両で台車の構造なども現代の車両とは大きく異なり、低速でも意外と揺れると感じたもの(この電車などに比べれば、国内各地の路面電車で走っている釣り掛け駆動の単車でも、快適に感じてしまう程です)ですので、一般向けには余り長時間乗車するのに適した電車でないのは事実で、広く一般に古参電車の雰囲気を手頃に楽しんで…という事を考えると、この程度の運行規模が妥当なのかもしれません。

この電車は運転日や運行時刻が限られますので、梅小路を訪問しても常に乗車できるとは限らないのが難点ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も有名な蒸気機関車館を訪問する機会があり、その際にチンチン電車が稼動している姿を目撃する事がありましたら、是非この電車にも乗車してみては如何でしょうか?