昨日MAKIKYUは青春18きっぷの最後の1回分(5回目)を使用し、房総方面へ出向いていましたが、その際は「南房総水仙まつり号」と呼ばれる臨時列車に乗車する機会がありましたので、今日はこの列車に関して取り上げたいと思います。
この列車は高尾~館山間を、中央本線~総武本線~内房線経由で結ぶ臨時列車で、運転日は昨日一日だけでしたが、全席指定席扱いながらも普通車扱い、また快速列車という事もあって、指定席券(510円)を別途購入すれば青春18きっぷでも乗車可能な列車だけあって、MAKIKYUもそうでしたが、有効期限が迫る青春18きっぷでの利用者も多く見受けられたものでした。
使用車両も千葉地区を拠点に運用され、交直流両用の特急形電車・485系を改造したお座敷電車「ニューなのはな」を用いているのも特徴で、同車は過去にも都心方面~銚子間の臨時快速「すいごう」号などの臨時列車での運転実績があり、今後も臨時列車での運転予定がありますが、1編成しか存在していない特殊な車両である上に、団体臨時列車での運用が主体となっています。
そのため一般には乗車機会が限られ、まして青春18きっぷで乗車できる機会となると尚更限られます(同車の客室はお座敷と座席の2形態で運行できる形態となっており、前者の場合はグリーン車扱いで指定席となりますので、青春18きっぷ通用期間内でも、18きっぷでの乗車は不可です)ので、18きっぷでこの車両へ乗車する貴重な機会、また昨日は夜に千葉県内へ向かう所用も存在していた事もあって、「南房総水仙まつり号」に乗車した次第です。
MAKIKYUが「南房総水仙まつり号」に乗車したのは新宿からで、始発の高尾から乗車するのは横浜市内からでは少々時間的に厳しい上に、MAKIKYUがこの列車の指定席券を購入した際には指定席自動券売機を利用し、この機械では中央本線~房総方面跨ぎは…という事も要因ですが、新宿では「南房総水仙まつり号」の少し前に新宿始発で、館山まで同一経路を走る臨時特急「新宿さざなみ号」も設定されていた事もあり、どの程度の乗客が乗車するのか気になっていたものでした。
列車が入線する際の案内では、「本日この列車の指定席は満席との情報が入っています。指定席券をお持ちでない方のご乗車は出来ません。」との案内が行われており、新宿乗車時点では結構空席も見られたものの、その後の停車駅で次々と席が埋まり、満席とまでは行かないものの、車内はどの車両も結構盛況だった様に感じました。
ただ「南房総水仙まつり号」は一日だけ運転される臨時列車とはいえ、総武線の錦糸町~千葉間では快速停車の各駅に停車し、側面の行先表示も列車名や行先などの表示が見受けられず、それどころか臨時表示すら出さずに「快 速」の2文字だけと言う状況でしたので、同区間では全席指定席とは知らずに誤乗する乗客の姿も散見されたもので、今後同種の列車を運転する際は各駅ではそれなりに案内もしている筈ですが、車両側での案内徹底に期待したいと感じたものです。
それに錦糸町~千葉間の総武快速線各駅では、見た限りでは多数の乗客が乗車すると言う状況ではありませんでしたので、総武快速線沿線の方からは異論も出るかもしれませんが、MAKIKYUとしては錦糸町~千葉間では船橋か津田沼のいずれか、或いはその両駅を除いて通過にするなど、同区間の停車駅は多少削減した方が良いのでは…と感じたものです。
また「南房総水仙まつり号」が一日だけ設定された背景には、昨日房総地区でJR東日本が主催する「駅からハイキング」が開催され、首都圏各地からハイキングスタート地点の安房勝山駅へ向かう参加者への便宜を図った事が大きかった様で、車内での案内放送でも参加者は安房勝山駅で下車する様に何度も案内していた他、この列車のお陰で普段は房総方面へ向かう際に乗換えを要する中央線方面からも、乗り換えなしで行けるので利用した方も見られましたので、この事を踏まえると中央線高尾発着とする意義は充分あった様です。
列車もハイキングに合わせて設定された事もあり、ハイキング参加者が乗客の過半数を占めていた様で、安房勝山を過ぎると車内は各ボックス1名程度、それも「ニューなのはな」目当てのレールファンと見られる乗客がかなりの比重を占めるなど、安房勝山を境に車内の雰囲気が一変した事も印象的でした。
MAKIKYUがこの列車に乗車した際の感想としては、乗車機会が限られる「ニューなのはな」に、一日だけ運転された「南房総水仙まつり号」という希少な列車で乗車できたことは貴重な機会で、以前「すいごう号」などで運転された際は、日程が合わずに乗車できなかった事もありましたので、絶好の機会だったと感じています。
ただ車両はお座敷列車で外観に限らず車内の雰囲気や、お座敷状態では使用中止となる折り畳み式の荷物棚なども独特ですが、ボックスシートとなる座席状態での運用は、房総地区の普通列車で主力を占める113系電車などよりは良いとは言え、房総地区の一部列車・区間では普通列車として運行されるE257系電車や、最近首都圏の臨時快速列車などで用いられる機会も多い国鉄形の元特急車両・183系電車などに比べると、座席は見劣りすると感じたのも事実です。
車両のグレード的には昼夜兼用の寝台電車として知られる583系の座席状態(ボックス配置)などと同レベルと感じましたので、車両の称号こそ「クロ」「モロ」というグリーン車を名乗る車両とはいえ、座席状態での運用は設備面で到底グリーン車や特急などで運用できるものではなく、特別料金を要しない快速での運用が妥当と感じたのも事実です。
それに運転席背後も見晴らしこそ悪くないものの、その背後は乗降口を兼ねたデッキとなっており、空調も効かずに寒い有様でしたので、特別車両の類では展望スペースなどが設けられる事例も数多く存在する今日において、この車両ではその点が配慮されていないのも残念に感じたものですが、普通乗車券や青春18きっぷでも指定席券(510円)を買い足す程度で乗車できるのであれば、座席状態の「ニューなのはな」も一度乗車する価値はあるのでは…と感じたものです。
写真は「南房総水仙まつり号」に充当された「ニューなのはな」の外観と「快 速」とだけ表示した字幕、車内と座席の様子です。