18日にMAKIKYUが期限迫る青春18きっぷ(現在は既に有効期間外)の最後の1回分を使用し、房総方面へ出向いた際には、その帰りに京葉線を利用したのですが、京葉線では1編成だけの希少な存在となっているE331系電車に、ようやく乗車する事が出来ました。
この車両は新鋭とはいえ製造は2006年、営業開始も翌07年春ですので、その後も各地で続々と登場している新型車両などに比べると、最新鋭とまではいえない存在です。
その事もあってか、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称」で呼ばれる事が多い最近のJR東日本通勤車両の一員ともいえるこの車両の外観は、中央線などで走っているこのシリーズの最新鋭ではなく、それより少し前に導入された山手線で活躍する車両と類似する面が多く見られる事も特徴となっています。
しかしながら7車体連接×2の14両で、20m車10両相当という編成構成は見るからに異様で、その上車軸直接駆動式電動機(DDM)と呼ばれる他車両では類を見ない動力伝達機構(京葉線では一時期103系(現在廃車)で実用試験を行い、MAKIKYUもその車両には一度だけ乗車した事があるのですが…)を採用するなど、異端ぶりは外見だけに留まらない車両となっています。
そのため鉄道に興味を持つ人間であれば、従来車とは余りに違い過ぎる強烈な特徴故に、非常に興味深い車両と言えますが、従来車とは余りに違い過ぎる機構を取り入れ過ぎた事も影響しているのか、営業開始早々に不具合が発生して運用離脱となり、ようやく運用に復帰したのが先月ですので、製造から約3年の日時が経過しているにも関わらず、運用開始直後の僅かな乗車機会を逃した人間が、まともに乗車できる様になったのはつい最近という有様です。
しかもこの車両は京葉線の従来車(20m4ドア車10両編成)にドア位置などを極力合わせている事で、窓割がいびつになっている事も大きな特徴となっていますが、それでも完全にはドア位置が一致しない事から、各駅の案内表示では「14両3ドア」という案内が行われ、乗車位置目標も専用のモノが用意される有様です。
この事も災いしてか、現段階では多くの車両を必要とする平日ダイヤでの充当は避け、土休日の特定運用(95A)に限定運用となっていますので、土休日に日程の確保が容易であれば、1編成だけの異端車両とはいえ、比較的容易に乗車可能な状況ですが、新鋭車両でありながらも、営業開始早々に運用を離脱し、その後1年半以上の長期に渡って営業から外れるという異例の事態になった車両だけに、興味がある方は機会があれば、早めに乗っておいた方が良いかもしれません。
またこの車両に乗車した感想としては、レールの継ぎ目を通過する際の連接車ならではの独特なリズムに加え、車軸直接駆動式電動機(DDM)という特殊な動力伝達方式を用いている事もあってか、モーター付き台車の付近に乗車しても、近年のVVVFインバーター制御を採用している他の電車の様な走行音は殆ど聞こえず、発車時などにチョッパ制御車を連想させる様な音が僅かに聞こえる程度、あとは付随車(モーターを装備していない車両)に乗車しているかと思わせる状況でした。
(余談ながら以前103系のDDM実用試験車に乗車した際は、両端を爆音で定評の103系電動車に挟まれていた事もあって、この音にかき消されてDDMの走行音は全然分からない状況でした)
走行音が静かな事は一般的には歓迎される事かと思いますが、MAKIKYUとしては殆どモーター音などが聞こえない状況は、乗っていても余り面白くない…と感じたのも事実で、今後DDMがJR東日本の他形式や、他鉄道事業者でも採用されるのか否かも気になる所ですが、E331系自体が異端極まりない車両で、営業開始早々に運用離脱という異例の事態となっただけあり、今後の増備が行われるのか、また現在活躍中の1編成が末永く走り続けるのか否かも気になる所です。
あとE331系に関しては、車内の様子などを(2)として近日中に取り上げたいと思います。