先月MAKIKYUが四国を訪問した際には、高松琴平電気鉄道(琴電)にも乗車し、先日志度線などで活躍する車両に関しても取り上げましたが、先月高松を訪問した際には琴平線にも乗車する機会があり、その際に乗車した車両の一つが1070形と呼ばれる車両です。
この車両は元京浜急行電鉄(京急)600形(現行の同形式ではなく、昭和30年代~60年頃まで活躍した車両です)で、2扉クロスシート車という事もあって京急時代は主に花形の「快特」に用いられた車両ですが、京急では昭和末期に全廃となっており、MAKIKYUも京急線内では乗車した記憶がかすかに…という程度です。
しかし2両3編成は京急での引退後に琴電に譲渡され、形式も1070形に改められると共に、前面も貫通路付きのスタイルとなり、車内もオールロングシートに改造されるなど、京急時代とは大きく姿を変えながら、登場から50年を経過した今日でも活躍を続けています。
昭和末期の琴電譲渡当時は非冷房・釣り掛け駆動の旧型電車ばかりという琴電では、導入当時は琴電初の冷房車(京急時代に冷房化改造されたもので、京急での導入当初は非冷房車です)という事もあって、譲渡間もない頃は琴平線の花形的存在だった様です。
ただ近年琴平線では京急からの譲渡車両が次々と入線し、旧型車両が淘汰されて全車冷房付きカルダン駆動車で統一された今日では、2扉車という事も影響して主に平日ラッシュ時間帯の増結用などに用いられ、昼間や休日は余り稼動しない脇役的存在になっていますので、意外と乗り難い車両になっています。
そのため琴電自体は以前にも利用した事があるMAKIKYUも、琴電での同形乗車は先月が初めてで、京急時代を含めてもMAKIKYUにとっては二十数年ぶりという有様でしたが、近年琴電が新体制で再出発した事も影響して装いが改められている上に、車内も比較的綺麗に保たれている様に感じられた事は好感を持ったものでした。
(それに比べると京急に乗り入れている某中小私鉄[北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)]は手入れの悪い車両が多く見受けられると共に、運賃も23区内に乗り入れる路線でありながらも、普通運賃・定期共に琴電より遥かに割高ですので、少しは琴電を見習って…と感じたものですが、こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?)
ちなみにMAKIKYUが先月高松を訪問した際には、同形には2回乗車しており、写真も乗車する列車が三条駅に入線する際に撮影したものですが、写真の様に扉数が異なる編成との併結も日常茶飯事で、本家京急でも2扉車と3扉車の併連シーンは当たり前に見られますが、元京急車同士で2扉車と4扉車(元京急700形)の組み合わせは本家京急でも見られない(現在でも2扉車・4扉車共に本線上を走ってはいますが…)だけに、なかなか興味深いものがあります。
また写真を撮影したのは朝ラッシュ時間帯で、琴平線の瓦町~仏生山間は単線区間が大半を占めるにも関わらず、7.5分毎で4両編成の電車がやって来る状況ですので、地方私鉄にしては破格の運行頻度を誇っている(長尾線も乗り入れる瓦町~高松築港間は更に本数が増えます)のですが、乗車した写真の列車は2駅手前の仏生山始発にも関わらず、結構な混雑振りでした。
三条から乗車した際は当然座れず、つり革も過半数が埋る程でしたので、結構な運行頻度にも関わらず、多数の乗客で賑わっている姿は、地方私鉄というよりも大都市近郊私鉄に乗車している様な錯覚を覚える程でしたが、京急時代の花形として疾走する姿とは大きく様相を変え、脇役的存在ながらも今なお多くの乗客を乗せて活躍する姿は頼もしく感じたもので、まだ暫く走り続ける事に期待したいと感じたものでした。
写真は三条駅に入線する1070形と、2扉ながらもオールロングシート車となった車内の様子です。