先日高松琴平電気鉄道(琴電)の1070形電車に関して取り上げましたが、今日は1070形と同じく琴平線で活躍する1080形に関して、取り上げたいと思います。
この車両は1070形と同じく京浜急行電鉄(京急)からの移籍車で、分散型の冷房装置が特徴の京急旧1000形初期車両ですが、現在京急では同形後期車両も数少なくなってきている状況で、他社へ売却・貸し出しされた車両も随分前に退役していますので、旧1000形初期車両で現役なのは、現在琴電で活躍する1080形のみとなっています。
1070形導入以降の琴平線車両は、琴電の線路幅が地方私鉄では珍しい標準軌(1435mm)となっており、架線電圧(直流1500V)などの規格が京急と同一な事や、近年やはり標準軌を採用している関西私鉄の車両使用年数が長くなっている事などから、今では京急ばかりと言っても過言ではない状況(車体だけ別物の車両も一形式あるのですが…)です。
そのため今日の琴平線は「京急琴平線」とでも呼びたくなってしまう程で、日頃首都圏で京急やその乗り入れ線区を時折利用するMAKIKYUとしては、車窓に広がる讃岐の景色は日常とは異なり、聞き慣れない駅名のオンパレードという状況ながら、四国まで足を運んでも近場の電車に乗っている様な錯覚を覚える程です。
この様な状況にある琴平線において、1080形は1070形程の大改造は施されず比較的原型を留めている事や、3扉車で乗降性も比較的良い事(最近では4扉車も数多く走っていますが…)などから、製造から40年以上は経過した車両であるにも関わらず昼間でもよく走っており、京急琴平線と言っても過言ではない今日を象徴する車両の一つにもなっています。
また琴電新体制移行後は琴平線ラインカラーへの塗り替えが行われており、今では琴電だけの存在となってしまった旧1000形初期車も、まだまだ走り続けると印象付けている様に感じられたものでした。
この車両は京急の赤に白帯の装いが一番と思う方が多いかと思いますが、琴電新塗装もなかなか様になっているのでは…と感じ、多数の事業者間で相互直通運転を行っているこの車両の本家京急や、その相互乗入線区で走らせたとしても見劣りしないのでは…と感じた程です。
それに比べ、京急から他社へ譲渡された旧1000形初期車の中でも銀色に青帯を纏い、挙句の果てに最後は「カラードア」などと称して各ドア毎に異なる塗り分けまで施された某中小私鉄の車両(7150形と名乗っていましたが…)は、同形車とはいえ見栄えに随分差があり、この醜態振りを見た時は呆れたもの(しかもそんな車両が本家京急にまで乗り入れていましたが…)でしたが、こんな事を感じたのはMAKIKYUだけでしょうか?