来る7月17日(土)に、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)に位置する「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の終点・印旛日本医大駅~(成田)空港第2ビル駅間において、京成成田空港線(通称成田スカイアクセス)が開業予定となっている事は、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、ご存知の方が多いかと思います。
この成田スカイアクセスは、単に辺境の地に新たな路線が敷設されるだけに留まらず、複数の事業者に跨った相互直通運転を行う事もあり、成田スカイアクセスと直通する各線区でも大規模なダイヤ改正が行われる事は、ある程度予測できるものでした。
ただ成田スカイアクセスの開業が迫る今月になって、都営浅草線と相互直通運転を行う各線区でダイヤ変更を実施し、しかもその内の大手私鉄1社は一部駅での停車列車大幅減便などの大規模な改悪を行うにも関わらず、直前になってようやく新ダイヤを公開する様は余りにお粗末で、この事は様々な場面で批評されていますが、呆れた限りという他ありません。
また今月のお粗末なダイヤ改悪の後、7月にまたもダイヤの大幅変更ともなれば、利用者側としても非常に迷惑な話で、鉄道側の諸事情もあるにしても、こんな形で利用者を振り回すのはもう今回限りにして欲しいものです。
ところで本題となる成田スカイアクセス開業に伴う7月のダイヤ改正の概要は、各者HPなどで続々と公開されましたが、今回の大目玉は京成電鉄の新ルート・新型車両によるスカイライナー運行開始と既存スカイライナーの名称変更(シティライナー)による一部列車残存といった有料特急体系の変化と、成田空港~羽田空港間直通運転を主体とする料金不要の速達列車設定の2つが挙げられます。
前者は通勤時間帯に運転している「モーニングライナー」「イブニングライナー」が既存線(京成本線)経由で継続運転ながらも、新型車両(AE形)での運転となるのは意外でした。
「イブニングライナー」などは、車両のグレード向上に伴う料金の改定などが行われるか否かは気になる所で、現行運行形態・運賃のままで新型AE形に乗車できるともなれば、日本国内の私鉄界最高速度を誇る高速運転こそ体験できないとはいえ、余りに高過ぎる運賃で知られる「開発を止めた某鉄道」の運賃に、更に特急料金まで加えた非常に高い出費を強いられずとも、新型AE形に乗車できる絶好の機会なのでは…と感じたものです。
既存スカイライナーは「シティライナー」と名称を改め、青砥を新たに停車駅に加える以外は、ほぼ現行スカイライナー形態の列車が細々と走る状況になりますが、MAKIKYUにとっては余り関係のない事でもある空港アクセスの役目は、ほぼ新スカイライナーへ譲り渡す事になりますので、「イブニングライナー」などの様にもっと停車駅を増やして乗客の取り込みを狙うなり、上野・日暮里~成田間の利用では割高な印象が否めない特急料金を下げるなどの施策があっても良かったのでは…と感じたものでした。
また今後AE100形が「シティライナー」のみでの活躍となるのであれば、編成数や運行時間帯などを考えると随分持て余す事になりますので、今後の動きも気になる所です。
ちなみにAE100形は前面に非常用貫通路を備えており、新AE形と異なり物理的には地下鉄直通も可能な構造のはずですので、成田空港や京成沿線から都心や羽田空港へ向けた座席定員制列車が存在しても…と感じるもので、既に東京メトロでは座席指定制特急列車を運行している事も踏まえると、都営地下鉄もそろそろ座席定員制列車の運行を検討しても良い段階なのでは…と感じます。
そして今度のダイヤ改正では有料特急の改編と共に、成田スカイアクセス線を経由する料金不要の速達列車設定も大きな目玉となっていますが、座席指定制特急列車が専ら京成線内(成田空港線を含む)のみの運行形態となっており、使用車両の新AE形自体も地下鉄直通対応でない事を考えると、成田空港~羽田空港間の直通を主体とする運行形態自体は妥当な所なのでは…と感じたものです。
しかしながらこの列車は京成線内(成田空港線を含む)では新種別「アクセス特急」を名乗るものの、他線では「エアポート快特」を名乗り、途中で種別名が変わる分かり難い種別設定となっています。
首都圏の鉄道に関する予備知識を持たず、成田~羽田空港間を移動する他地域からの航空旅客の利用も大いに想定される状況では、戸惑いや誤乗などが発生しないか気になる所で、ましてや日本語や漢字を解しない外国人ともなれば…と感じるもので、こんなお粗末な話は、大規模なダイヤ改悪を直前になって発表する会社が絡む話ならではという気もしますが、成田空港~羽田空港間の直通列車の種別を分かりやすく一本化できなかったものか?と感じてなりません。
また「開発を止めた某鉄道」のHPで公開しているダイヤ改正の概要には、「アクセス特急への需要シフトにより混雑緩和が図られ、殊に夜間については着席機会が増えます。」という売り文句が記されているのですが、「アクセス特急」は成田スカイアクセス開業用に導入された新型車両・京成3050形だけでは車両数が不足し、他形式車両による運行も恒常的に見られる様になると思います。
着席機会が増えるのも、京成3000形とほぼ同等の3050形であれば悪くない話ですが、いくら着席機会が増えても「ブカブカ」した異様な感触の座席では、少なくともMAKIKYUはまともに座り続ける事は困難と感じますので、この「ブカブカ」した座席を装備した車両の充当が行われない、もしくは極めて限られたものになる事を願いたいものです。
あと「開発を止めた某鉄道」のHPにあるダイヤ改正概要では、様々な売り文句と共に、下の方に余り目立たない様に「スカイライナー等の通過待ちにより、所要時分が増大し、お客様にはご不便をおかけしますが、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。」という断りが記され、都心などへの通勤・通学だけは鉄道を利用しても、昼間の地域内移動には自家用車が重用され、余り鉄道などの公共交通機関が利用されない公共交通不毛の地・北総監獄の土地柄では…という雰囲気が漂っているのは感心できない限りです。
来る7月のダイヤ改正では、成田空港への利便性向上は飛行機嫌いのMAKIKYUにとって特に有り難味を感じるものではなく、むしろ航空利用の利便性向上に伴う陸上交通・航路→航空へのシフトが進む事にでもなれば、逆に有難くない結果になるかもしれないと感じる程(現状でも日本の首都圏からは、海外ともなれば隣国でも航空利用の方が主流を占めている様なのは寂しい限りです)ですが、成田スカイアクセス開業に伴って営業開始する新型AE車の稼動は楽しみで、この車両へは何らかの形で一度乗車して見たいものです。
また成田空港には殆ど用がないMAKIKYUも、成田スカイアクセス沿線地域の北総監獄には時折所用で出向く事があり、不本意ながらも高過ぎる運賃を支払い、「「開発を止めた某鉄道」を利用する機会もある身としては、僅かながらも運賃が値下がりする事(それでも高過ぎる事に変わりないですが…)に加え、「アクセス特急」運行開始に伴い、北総監獄中央駅などの利用可能列車が大幅増便になり、所要時間も短縮される事は歓迎すべき点です。
到底運賃に見合うサービスを提供しているとは言い難い「開発を止めた某鉄道」も、少しはマシになりそうな事は評価できる事ですが、7月以降に成田スカイアクセスや新型AE形に乗車する機会があれば、またこの事について触れたいと思います。
写真は7月17日以降「アクセス特急」としての活躍が見込まれる京成3050形と、「シティライナー」に転進し、去就が注目される現スカイライナー運用車両のAE100形です。
(写真は既公開記事でも用いたものです)